天の川の「向こう側」に隠されていた数百個の銀河を発見

夜空を見上げると空気のきれいで街の明かりの無い地域では美しい天の川を見ることができると思います。天の川は天の川銀河に含まれている太陽の仲間の星々の姿ですが、天の川銀河の外の宇宙がどのようになっているのかを観測しようとすると、天の川方向はこれらの星々が邪魔になって観測することができません。そのため、これほどまでに天体観測技術が進歩した現在であっても、天の川の向こう側に何があるのかはわかっていませんでした。

オーストラリア、西オーストラリア大学の天文学者らの国際研究チームがパークス電波望遠鏡を使った観測で天の川銀河の塵などを見通し、これまでに知られていなかった天の川銀河の背後にある領域を調べることに成功しました。観測の結果、天の川銀河の非常に近いところに存在していながら、これまで発見されていなかった銀河を300個近くも初めて発見しました。このような発見は、銀河が宇宙空間を移動している仕組みの説明や、銀河があるナゾの規則によって配置されていたり、移動していたりする銀河の大規模構造やグレートアトラクターを解析するための重要なデータとなりそうです。

上の写真は地球を中心とした周辺銀河の分布の様子ですが、紫色に着色された、ちょうど天の川銀河円盤方向に分布する銀河が新発見の天体です。

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