見出し画像

【忘却度60%】永倉万治「東京恋愛事情」

1990年8月14日。

 まず日記に「本を探しに神保町」とあるのですが、当時は新刊や古書だけでなく、中古レコード屋もいい店があって神保町は飽きない街でした。いまでも古書好きな方にはそうなんでしょうけど。

 さて本書。というか永倉万治先生。

 これも公言してることですが(というかエッセイ著作でも書いてますが)、私が自分の文体、というか「文章の運ばせ方」というのが自分ではしっくりくるんですが、これはもう永倉万治先生と景山民夫先生にいちばん影響を受けてます。

 実際私の小説やエッセイを読んだら、「どこがじゃい!」と思われてしまうかもしれませんが、自分としてはそうなのだからしょうがないです。

 永倉先生はとても好きな小説もあるのですが、これも景山先生と同じくですが、エッセイとショートストーリーの間のような洒脱な文章がとりわけ好きです。

永倉万治「東京恋愛事情」

<ネットで調べてみる>

 これ、私の昔に出したエッセイ本にも書いてる話です。

 お目にかかる機会はないままでしたが、この8年後くらい、フリーの編集者・ライターとして仕事をしていたとき、ブルータス誌のある特集で、アンケート的な企画の原稿をお願いしたことが一度だけありました。

 そのとき「お引き受けしますけど、なぜ僕に?」とおっしゃった永倉先生に、「ずっとファンで、いつか原稿お願いできるネタがないかと思ってました」と正直にお伝えしたら、「嬉しいなあ」と電話口で笑ってくださったのが、唯一にして至福の永倉先生との記憶です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?