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「欅共和国2017」の感想ー花のない桜を見上げているー

はじめに
※ こちらの記事は普段、坂道をあまり知らない( リトルトゥースなので『日向坂で会いましょうは大好き』 )48ファンが書いた記事です。勉強不足の点はご容赦ください。

 皆さん、欅坂46のイメージってどんなものがあるでしょうか?
 言葉で表すのが難しいという人は、連想する曲でも良いです。
 どんな曲を思い浮かべるでしょう?
 「サイレントマジョリティー」や「不協和音」を挙げるか方も多いかも知れません。かくいう僕も上記の2曲か「黒い羊」を挙げるかな、と思います。あくまでイメージなんですが。
 なんていうんでしょう。欅坂46のシングル曲って、すごく歌謡曲の文脈で語れるというか、その時代の空気を秋元康が描いている気がするんですよね。「サイレントマジョリティー」とか、特に。
 そして、スマートフォンゲームの「ユニゾンエアー」をプレイしていると、様々な曲を知ることが出来ましてね( だいたい1番と大サビですが )。僕は「青空が違う」という曲が好きになりました。社会性や個人の強い感情だけではなく、物語性のある歌詞の曲も多いんだな、という発見がありました。「東京タワーはどこから見える」なんかは二つのテーマの中間のような気がして好きです。
 さて、話が脱線しましたが、こんな欅坂知識がうすーい僕が何故、欅坂46の野外コンサート「欅共和国2017」を観ることが出来たかというと、職場の平手友莉奈さん推しの方に貸してもらえたからです。
 感謝。
 普段は違う場所で働いているんですが、時々応援に来てくださる方で、この方には以前、欅坂46のドキュメンタリー映画も借りております。
 映画館でしか観てなかったので、特典ディスクも見せてもらえて、合わせて感謝です。

 ちなみに、僕がその方に「欅共和国2017」の感想を語った会話から、いかに僕が欅坂46への知識がうすーいかが伝わってくると思います。

僕「いやあ、『欅共和国2017』最高でしたよ!でもね、僕が櫻坂で好きな山崎天ちゃんが見つけられなくて…」

貸してくれた方「天ちゃん、2期生だからまだ入ってもいませんよ」

僕「ええええええええっ!!」

貸してくれた方「まだいないです」

僕「えええええええっ!」 

 はい、これぐらいのレベルのやつの文章です。
 期待せずに読んでください。

セットリストが最高

 まず、今回の「欅共和国2017」なんですが、僕は何の予備知識もなしに観ました。
 ですので、次の曲が来るたびに「おおっ!」とか「これ知ってる!」とかいう風に、コンサートでこいつの隣の席になったら大迷惑、という反応でコンサートを楽しみました。
 まず、1曲目が始まる前の、行進からのOvertureがカッコよくてですね。
 正直、「共和国」と聞いた時に、「何故、国? 『おいでよ!欅村』とか『それいけ欅ランド』じゃダメなのか」と皆さんも思ったと思うんですが( 多分違う )、イギリスの近衛兵のような衣装がカッコいいんですよね。ううむ、これが「村」とか「ランド」だと全く違う衣装になってたかも。

 話を戻すと、1曲目から「サイレントマジョリティー」!
 メンバーファンも含めて「ここに集まってきた」感があって凄く良いですね。
 カメラワークも凄く良くて、「ここにいる人の数だけ道はある」のところで、上空からのカメラというのがナイスですよね。
 ステージの噴水演出も凄く良くて、MVとは違ったまるで雨の中を進んでいくメンバーたちのカッコよさに、一気に引き込まれていきます。
 次に、2曲目の「世界には愛しかない」と野外のコンサートの相性の良さ。屋根がないことで、空がどこまでも広がりますし、歌詞の中の夕立もシチュエーション的にイメージできます。
 そして、3曲目の「二人セゾン」。
 僕的には、この曲が「欅共和国2017」で一番惹きつけられた曲でしてね。
 この曲については後でじっくり書きたいと思います。
 
 いきなり、シングル曲を3連発して、観ながら「ええ、持ち球いきなり全部出した感じがするけど、こんな出し惜しみなしで大丈夫?」と心配していんですが、MC明けの「青空が違う」から「僕たちの戦争」の流れも最高でしてね。
 先ほども書きましたが、「青空が違う」をユニエアでしか知らなかった僕は、「2番の歌詞めちゃくちゃいいじゃない!」となりましてね。いやあ、そういうことなら早く言ってよ( CDを買え )。ますます「青空が違う」が好きになりました。空の見え方が違うという歌詞は変えずに、主人公に起こった出来事だけで、意味を変えるところなんか、おしゃれですよね。
 そこから「渋谷からPARCOが消えた日」を挟むことで、ピリッとした空気が走って、「もう、今日のおかずと漬物と汁物の組み合わせなら、ご飯何倍でもいけるぞ!」という感じになってきましてね。セトリの緩急が素晴らしいんですよね。こんどはピリッとした「PARCO」のあと、「ひらがなけやき」が来るんですから。
 ちなみに、けやき坂時代のメンバーたちがみんな若い!
 柿崎くんとかいるのも懐かしいですね。
 そこからも素晴らしい流れが続くんですが、「制服と太陽」が凄く良かったですね。今度は満点の夕日だとどんな風に聞こえるんだろう、と聞きながら思いました。
 あと、「誰よりも高く跳べ」のけやき坂メンバーの必死のパフォーマンスも凄く良くてね。もう、帰りの燃料を積んでない感じでジャンプするところがカッコ良かったです。
 
 アンコール明けからの怒涛の名曲攻めも凄くてですね。
 まずは、「誰のことを一番 愛してる?」ですよ。
 オリジナルメンバーを揃えることが難しいので、各グループで披露しがちなこの曲ですが、欅坂46バージョンも良いですね。曲自体が欅坂46と相性が良いのではと僕は思っています。
 もうこれだけでお腹いっぱいなんですが、そこから更に「不協和音」で畳みかけます。
 もう、すんごいド迫力で夜の闇に欅坂46たちが躍動します。
 ううむ、これで終わりかな、と思っていたら、そこから「WーKEYAKIZAKAの詩」で達成感と多幸感満点で、もう聴きながら泣きそうになりました。サビが本当に良いんですよね。
 ううむ、いいコンサートだった。
 「さあ、SKE48から卒業を発表した古畑奈和さんの記事を書かねば。天ちゃんどこにいたのかな」と席を立ち上がろうとしたら、なんと、まだあるじゃないですか!
「危なっかしい計画」!
 この曲が夏の野外の解放感と合っていて本当に良いです。
 欅坂46のメンバーたちも一見すると「おとなしい子」に見えるかも知れませんが、その内面は、と考えると曲とリンクしている感じもします。
 
 今回のコンサートのセットリストから、欅坂46にあった硬いイメージが良い意味で裏切られて、こんな柔らかい一面も沢山持っていたのか、という発見がありました。もし、「危なっかしい計画」とか「二人セゾン」の世界観を拡張していっていたら、どんなグループになっていたんだろう、とも考えさせられました。
 それでは、ここからは今回のコンサートの白眉である「二人セゾン」について書きたいと思います。

二人セゾンから連想していくこと

 僕は日本語ラップのグループ「RHYMESTER」のファンなんですが、あるライブDVDのオーディオコメンタリー中で、MummyーDさんが「ダンスは曲のヴィジュアライズ化だと思うんだよね。だから、下手な人に頼むと曲のテイストが台無しになる。ダンサーって凄い職業なんだよね」というニュアンスのことを語っていました。
 欅坂46の振り付けを担当されているTAKAHIROさんが作るものも本当に素晴らしいものが多いなと思いましてね。
 今回のコンサートで一番それを感じたのが、「二人セゾン」の平手さんのソロダンスのところです。
 歌詞の中だと「花のない桜を見上げて 満開の日を想ったことはあったか? 想像しなきゃ 夢は見られない」のところですね。
 そこには、確かに想像の中で咲いた花たちが見えました。
 歌番組やホールコンサートよりも、この曲は自然あふれる野外の方が相性が良いのでは、とも感じました。振り付けを入れることで、曲の世界が一つ立ち上がってくるな、とも。
 
 そして、2022年5月現在に観たからこそかも知れませんが、ひょっとすると、この「欅共和国2017」は欅坂46にとっての春か夏なんじゃないか、と僕は感じました。
 すでに欅坂46は解散しています。
 「花のない桜」の状態だと僕は思います。
 そして、「満開の日」をブルーレイを通して僕は観ているんじゃないか、そんなことを考えると、実はこの曲で泣いてしまいました。
 映像をヒントに「満開の日を想」う。
 多分、歌詞の本来の意味だと、逆に未来を想像することだと思うんですが、何故か僕は過去に思いを馳せました。 

最後に


 メイキングやブックレットを観ると、平手さんを始めとするメンバーたちの柔らかい笑顔が素敵でしてね。
 メイキングを1回観てからもう一周したんですが、オープニングの旗の所作も観るのが面白くなりますし、「渋谷からPARCOが消えた日」のバイクから降りる時の視線まで、コンサートの副読本的なメイキングになっていて素晴らしいです。
 ううむ、次はいったい、何を観ればいいんだ。
 一つだけ言えるのは、ドキュメンタリー映画の感じから行くと、僕がこの先観て行くのは、グループにとって、豊穣の秋や終わりの冬に向かっていくコンサートなのではないかと思っています。

 それでも、このコンサートのおかげで「二人セゾン」という曲はリリースされてから、5年が経ちましたが今年のベスト曲に躍り出ました。

 この夏の熱気と幸福感が溢れる共和国に、栄の方からまた遊びに行きたいなと思いました。

※ドキュメンタリー映画の感想はこちら。


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