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御法度落語 おなじはなし寄席 #5 (BS朝日)


おなじはなし寄席!5回目は満を持しての「まんじゅうこわい」対決。

◆ヘアスタイルのせいか、どこかのお坊さんみたいな古今亭文菊師匠。
着物も羽織りもオリジナル感満載の月亭遊方師匠。
とても対照的な御二方が、お馴染みのあの噺をどう聴かせてくれるのか、お饅頭を喉に詰めないように楽しませて頂いた。


◆先攻の文菊師匠。
普通に聞くと鼻につきそうな自愛を語っても、ちっとも嫌な気にならず笑いを誘う"徳のある"キャラクターだ。
お若いのに既に御隠居風が吹いてくるような師匠の語り口は、まるで「北の国から」の黒板五郎のよう。

と、噺よりもキャラクターの方に気を取られてしまった。
シャキッとした江戸っ子口調に美しい所作。とにかくわかりやすいくて初めて見る方にもオススメの師匠。「蟻が内緒話してる」のくだりは表情も面白かった。


◆後攻の遊方師匠。
まくらの「甘い稲荷寿司」から大笑い。いるいる、こういうおっちゃん!

好きなものを言っていくところで「お前の嫁はん」が出てくるところ。「茶漬間男」同様に不倫さえも笑いに変える、上方ならではの大らかさが楽しい。
だから嫌いなもので「お前や」と言われても、「大丈夫か、たのむで」で済むのだろう。

終盤いろいろなお饅頭が出てくるところは面白かったが、「551の豚まん」が出てくるのは流石上方といったところか。

◆と、比較するのも難しい御二方ではあったが。噺のなかで一つだけ、ハッキリ違いのわかるところがあった。
それは刺身につけるもの。
江戸はきな粉で上方はジャム。どちらもあまり美味しくなさそうである。


◆来週は林家彦いち師匠 vs 桂かい枝師匠。
威勢の良い車屋対決で、鬱々ムードな世の中をスカーンとかっ飛ばしてほしい!

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