コマンダンテというコンビが解散した。

お二人ともスラっと背が高くて、漫才中の声がとても小さくて、他にはない独特な雰囲気のある、なんとなくいつもお洒落なコンビ。

そんなコマンダンテが、先日解散した。

今でこそ毎日色んな芸人さんのYouTubeを見たり、ラジオを聴いたり、SNSをチェックしたりしているお笑いオタクの私だが、こんなにもお笑いにハマったきっかけは、コマンダンテだったりする。

コマンダンテ、相席スタート、ニューヨークの３組で行われていた「スリーバイスリー ～３組のプロデュースライブ～」というコーナーライブがあった。
なぜこのライブを見始めたのかよく覚えてないのだけれど、おそらく私より先にお笑いの世界にハマっていた妹の影響だったと思う。
それぞれのコンビが企画を持ち寄って、トークやゲームをするというものだが、毎度神回と呼べるほどのめちゃくちゃ面白いライブで、私はこのライブ自体も出演者も大好きだった。
(気になる方はFANYチャンネルで見られるので是非。まじ面白いです。)

スリーバイスリーでコマンダンテのファンになった私は、過去の単独ライブを夢中で見漁った。

芸人さんの口からよく聞く”単独ライブ”って、こんなに面白いんだ。
こんなに沢山ネタをやるのに、どれも面白いって本当にすごい。
お笑いに詳しくなかった私には全てが新鮮で、その楽しさに更に夢中になっていった。

推しの過去が知りたいタイプのオタクなので、お二人が出演したライブ映像やラジオの音源を探したり、SNSを遡ったりもした。
ある時、石井さんのインスタを遡っていたら、こんな投稿に出会った。
それは、コマンダンテがytv漫才新人賞で優勝した時のものだった。

一生漫才しような。
この言葉を見た時、雷に打たれたような衝撃を受けた。

これまでの人生でハマってきた数々のアイドルたちも「ずっと一緒だよ！」って口では言ってくれる。

でも、アイドルグループって自分たちが主体となって組んでいることは少なくて、事務所の偉い人たちが選んだメンバーで活動していることが多い。
(だからこそ、全くの他人から日々の活動を経て絆が深まっていく過程を見られるのが醍醐味だったりするわけだが。)

でも、芸人さんは自分たちの意思で、自分が選んだ相手と組んでいる。
コンビを組むということは、芸人さんにとって、一生一緒に生きていく覚悟だということなんだと。
それがかなりの衝撃であり、コンビって魅力的だなと思ったことを今でも鮮明に覚えている。

他に好きな芸人さんが増えていって、最近はコマンダンテを一番に追うことは出来ていなかった。
それでも、年間900公演以上に出演していたコマンダンテは、他の推しとライブが被ることも多く、定期的に漫才を見て「やっぱり面白いな～」と思わせてくれた。

大宮セブンに加入したり、それぞれの活躍の場も増えたり、全国ツアーが決まっていたり。順風満帆だとばかり思っていた。

そんなコマンダンテが解散した。

突然のことすぎて頭が追いつかない。
解散発表を見てもこれが現実だと信じられない、信じたくない気持ちでいっぱいだった。
何の根拠もなく、いつかまたコマンダンテが見られる気がするとまで思っていた。

昨日、コマンダンテ公式チャンネルに、解散報告の動画がアップされた。

動画では解散の経緯や今の心境が語られているのだが、石井さんも安田さんも、とにかく沢山謝っていたのがつらかった。

そして、お二人が発する言葉以上に、お二人が纏う雰囲気が、別々の未来を見据えていることをこれでもかというほど強く感じさせる。もうコマンダンテというコンビを見ることはないんだと、ようやく私の頭が理解した気がした。

その瞬間、涙が止まらなかった。
コマンダンテ最推し！というわけではない私が、解散に関して何かを発信するのは何となく違うと思っていたけれど、そんなことどうでもよくなるほど、寂しくて悲しくてたまらなくなった。

だって、コマンダンテというコンビが、これからもこの世界にずっといることが当たり前だと思っていたから。
M-1の決勝で、その姿を見ることが楽しみだった。
もしM-1が残念な結果に終わったとしても、今年から始まったTHE SECONDで戦う姿を見られるの楽しみだな～とも思っていた。

今までみたいに、他の芸人さん目当てに見に行ったライブにもコマンダンテがいて、トリ辺りの順番で出てきて「やっぱり面白いな～」って思えると思っていた。

スリーバイスリー、また見たかった。メンバーみんな忙しくなって、スケジュール的に難しいかもって思ってたけど、それでもまた見たかった。

いつもYouTubeで見ていたトークダンテ。いつか生で見たい！なんて、ずっと後回しにしていたけれど、いつまでも”いつか”があるなんて思ってはいけないんだね。

ワガママすぎるって分かってるけど、一生漫才しているコマンダンテを見たかった。

コマンダンテがいなければ、毎日しんどくても嫌なことがあっても、お笑いを見て笑えている今の私はありません。
コマンダンテに出会えたから、私の人生はこんなにも豊かで楽しいものになりました。

だから、解散という結果になったこと、そんなに謝らないでほしい。
こちらこそ、もっと沢山応援できなくてごめんなさい。
今はまだ難しいかもしれないけれど、「今までありがとう。これから頑張ります。」って笑ってください。その方が、私は嬉しいです。

この解散を振り返って、これでよかったんだと思える日がいつか来ることと、石井さんと安田さんのこれからの幸せを心から願っています。
本当にありがとうございました。１５年間お疲れ様でした。