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誰か鰻重を食べさせて。


先輩方や尊敬している写真家さんの作品を思い返して、胸がギューっと痛くなる。失恋の辛さとは違う。例えるならピアノの発表会で自分の出番まで、他人の演奏する音を聴いてる時間、まさにあの感覚だ。しかも2時間とかじゃないそれを数ヶ月も聴かされる気持ちだ。余裕も持てない、緊張もできない。ただヒシヒシと自分の番が来るまで頭の中で自分が演奏する予定の楽譜を繰り返している。いや楽譜があるなら、まだマシかも知れない。

プレッシャーとかはもう感じていない。呆れられていると言い聞かせる。(その方が自分的に楽だったりするから)それでも自分自身に鞭打って人参をぶら下げて前に進んで行かなきゃいけない。自分に作品が完成させられるのだろうか。毎日のように写真を見返しては、何を残したいのかを見失う。
テーマとかじゃない。気持ちを見失う。だからこそ今出来ることをしていかなきゃならないのに、そのやるべき事が何なのか分からない。
とりあえず分かりやすい課題を出してくれた先生に従って本を漁るが、
読んでて楽しい気持ちになってしまう自分に萎える。楽しいもんじゃないだろう。本当に今必要なことはなんなんだ。

これだ!と思って手にはして見たものの、
簡単にするっと抜け落ちてしまう。鰻を片手で掴むより難しい。
誰かが勝手に捌いて、焼いて、タレにつけて、これ見よがしにツヤツヤなお米の上に乗せてくれて「さあどうぞお食べなさい」って目の前に出してくれたらいいのに。私はきっと餓死寸前の野良犬の如く喰らいつく。

したいこと、しなきゃいけないこと
時間がない。計画を立てなきゃいけない。
お金がない。稼がなきゃいけない。をひたすらに繰り返して悩んで
気づいたら外が嫌なぐらいに明るくなってる。
あぁ、今日も眠れなかった。昼間は不安が消えて眠くなる。
また一日無駄にした。あほかってんだ。

人に相談も出来ない。たかななさん(@takanana)ともお話ししたけど私は甘えるのが下手くそだから相談の仕方が分からない。結果甘えようとして自暴自棄の文章をひたすらに相手に送りつけて、甘いスイーツが欲しいのに苦いコーヒーを出されて嫌な顔をする。本当に自分勝手だ。きっと出来る人ならガムシロを入れて自分の好みへと変えてみせるのだろうけど、残念ながら私にはそこまでの力がない。

もう写真が何だかよく分からなくなってきた。
写真ってなに?写真家ってなに?

小さい頃に見つけた希望は大人になった今
淡くボケて消えそうになっている。
本当にこれが私のやりたいことだったのかな。
焦って生き急いで、近道ばっか模索して、
伝えたい事を考えるなと言われても
頭に浮かんでしまうのは周りの反応ばっかで。
自分の意見を他人に認めてもらいたい。
そうやって今まで生きすぎた。癖になってる。
私が靴を揃えて脱げないのと一緒で、自覚はあるのに直せない。

もうどうしたらいいのかすら分からない。
高校の頃の数学みたいに、
何が分からないのかすら分からないから
先生にも質問に行けなかった。
その点世界史は楽しかったな。何が違ったんだろう。
別に歴史に興味があったわけじゃないのに。
勉強してて興味を持つ事なんて今までになかった。他と何が違うんだろう。何が私をそうさせたんだろう。

あぁ、今日も一日が終わっていく。
そういえば今日は土用の丑の日だったね。
誰か鰻重を食べさせて、甘やかせてください。



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