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読書感想「グレーの空と虹の塔」

新潟市生まれ新潟市育ちの、生粋の新潟っ子の私が書店で目に留まった一冊
「グレーの空と虹の塔」著:藤田雅史
『虹の塔』って、新潟人なら誰でも知ってて懐かしい、
あの万代バスセンターのレインボータワーだよね!?
即、本屋さんのレジに持っていきました!

物語は2001年から始まります。
主人公(の一部)が高校生だから、アラフィフの私より10歳年下くらい。
でもこの女子高校生たちって既視感あり!
信濃川に近い高校に通う帰宅部で、放課後はやすらぎ堤から古町、万代をふらふらする仲良し四人組って、私の姉貴そのもの!
いつの時代にも身近にこんな人いるよねーという親近感もった主人公たち。

「新潟美少女図鑑」20周年記念事業の小説だけあって、主役はみんな女性。
登場する男性は、軟弱かチャラ男、マザコン……
新潟男子のひとりとして言い訳すると
よく「新潟は杉と男子は育たない」と言われます。
新潟平野は信濃川が土砂を運んで作った砂丘地帯なので、杉は育たず松林。城下町ではなくて港町商業の町なので、男は軟弱なんです。

そしてこの作品のもう一つの主役が「新潟市」です。新潟っ子の私が全部知っている場所、お店、名所。地元民でもこれ以上は思い浮かびません。
そして街の変遷。
新しくできる大型ショッピングモール。
惜しまれて閉店する百貨店。
昔デートしたあの公園。酔っぱらってケンカしたあの飲み屋……
みんなの新潟市20年がダイジェストで再生されます。

この20年を振り返るのに避けられない「大震災」「コロナ禍」も
主人公たちの日常生活の中に描かれます。

「グレーの空と虹の塔」ご当地小説の決定版!
新潟で青春を過ごした市民必読の一冊、ぜひおすすめです!

電子書籍も販売開始されました。

懐かしすぎて、作中時系列の新潟市関連年表を作ってみました!

作中関連年表

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