ラボクイズの良さを改めてだらだらと。

こちらは「クイズやるひとアドベントカレンダー Advent Calendar 2018(https://adventar.org/calendars/3138)」の12月8日用の記事ですが、もう過ぎようとしています(ごめん)。

こんばんは。おーちゃんといいます。もうすぐ44歳になる主婦です。
いや、主婦業もお母さん業もまじめにやってないので派遣ですにしとこう。
と言いながら、お仕事の合間にこれを書いてましたので結局仕事も真面目にやってないという(あかんがな)。クイズ歴でいうと、杉基イクラさんの「ナナマルサンバツ」という漫画でクイズに興味を持ちまして、クイズ作家・古川洋平さんが主催するラボクイズに参加したのがきっかけにどっぷりクイズにハマり続けて早3年が経とうとしています。

まず最初にお詫びを。書こうかなと思っていたテーマは「皆の者、もう少し軽率にクイズの練習会を開催するがよいぞ」という「何者だよオマエ」的なものだったのですが、書き進めていて何だかまとまらず、説教くさいし読んでて誰が楽しいのだという感じになってきたのでまた今度。
でもほんと、押し会は軽率に開くとよいと思います。

さて改めて書くもの何にしようとネタを考えてみたのですが、先日東京ミステリーサーカスにて開催された「自分のレベルでみんながたくさんクイズ杯3(通称「みんな杯」)に参加したこともあり、自分がホームとしているラボクイズの魅力を改めて語りたくなったので、駄文を書かせていただけたらと。

あくまで個人的な意見ですし、多少の上から目線もあるかもしれませんが、クリスマスだし年末年始だしそんな時期の無礼講ということで、お気に障ることがあっても、あーなんか言ってるぞということで流してくださるようよろしくお願いします。あと、「ここ違う」というのがあれば即修正しますので教えてくださいませ。

何がいいって、まず司会がいい
私が初めて参加したのは、前述の通りクイズ作家・古川洋平さんのクイズイベントだったのだが、古川さんの司会はとにかく初心者の人、初参加の人へのフォローが手厚い。たとえ誤答しても「いいですよ、どんどん押しましょうね。大丈夫です!」などとあのいい声で言われると、それだけで初参加の人は嬉しくなる。というか、なった。

言葉が丁寧で人を雑にいじることをせず、細かいフォローもちゃんと入れる。声がいいから聞き取りやすいというのもあるが、それだけでなく言葉がお客さんにわかりやすく届くように話すことを心がけていると思う。

そういうお客さんへのホスピタリティの高さみたいなものは初参加の時からずっと感じていて、「古川さんの司会のクイズイベントなら間違いなく面白いだろう」という信頼感みたいのが勝手にあったりする。

「正解には拍手、誤答を責めない」
ラボクイズの素晴らしさのひとつに、「正解には拍手、誤答を責めない」というのをイベントルールとして明文化したことがある。どんなに常連さんが多めのイベントであろうと、初参加の方がいる限りこの説明タイムを絶対にすっとばさない。

主催が音頭を取っているから、お客さんもそれに習う。正解にはきっちり拍手をし、誤答しても拍手と一緒に「どんまい、大丈夫」とお客さんも声をかける。おそらく最初からこうだったわけではないと思うが、古川さんをはじめスタッフの皆さんと参加者の皆さんで育ててきた素晴らしい文化だと思う。

この手の説明がないクイズイベントもある。そうなると、当然ながら客が自主的に拍手をしたりと言った動きが少なくなる。正直、同じ早押しクイズがメインのイベントなのに、これがあるのとないのでは雰囲気が全然違うものになるのだなぁと驚いた。

古川さんのタクトの振り方の巧さは他のクイズイベントに参加するとよくわかる。

スタッフの真摯さ
ラボクイズで出題される問題は、くすっと笑えるもの、ひらめきが問われるものなどがスパイス的に入れてあって非常に楽しいのだが、個人的に今年ハマったイベントのひとつに「かんたんクイズ」というのがある。

その名の通り、非常に「かんたんなクイズ」をひたすら出題されるのだが、クイズの問題がバカバカしく面白く、さらに簡単なはずなのに勝ち上がるのが非常に難しく、頭の回転とひらめきがちょっとばかり必要で、観ているだけでも楽しかった。笑いが多いのに形式としてはバラエティよりではなく、非常にまじめなクイズイベントだったのも印象深かった。

以前、クイズ法人カプリティオ所属作家の松崎さんが「かんたんクイズ」の作問しているグループLINE(もちろん内容は隠して)の内容のツイートされていたことがあった。作家陣がお客さんを楽しませるために知恵を絞っている様子が伺えて、こっそり心を打たれた。

なんでもそうだと思うが、クイズの企画やイベントの類の準備は地味な作業がほとんどで、主催やスタッフは時には悩みながらもコツコツと準備を重ねていく。クイズイベントはこういうスタッフに支えられてこそと改めて思うし、クイズを愛する若き作家さん達の未来に幸あれと願う。

あとは言うまでもなく、問い読みの良さがある。藤野さんの声の良さと読み方の上手さもあるのだけど、「ただ単に読んでいるだけじゃなく、読み方でプレイヤーにヒントが届くように読んでいる」というのが最近ようやくわかるようになってきた。

たまに藤野さんは「問読みはプレイヤーとの対話」という話をされるが、実際、そのメッセージをきちんと理解できた人が勝ち上がっていく傾向にあると思う。

自分はといえば、客席にいる時は「あーなるほど。今のは確かにここを強調した読み方してるな。だから答えがこっちに行くのか」というのがなんとかわかるようになったのだけど、解答席にいるとやっぱり舞い上がってしまって聞き取る力がだいぶ落ちてしまう。というかそもそもないのかもしれない。「落ち着いて問題を聞く」というのが自分には本当にハードルが高く、少しでもそれができるよう努力をしたいところだが、さて年末はどうなることやら。

余談だが、クイズ屋さんは声がいい方が多くて個人的に嬉しい。

常連さんも、ご新規さんも
どんなに楽しいイベントでも客が常連だけで固まってしまうと、そこから先の発展は見込めない。イベントというのは生ものだから、お客の新陳代謝がある程度ないと、続いていかないように思う。

だから古川さんの、「常連も大事にするけど、初参加の方・初心者の方を特に大事にする」という姿勢は、イベンターとして非常に優秀だと思う。

4年前に初めて道玄坂のヒミツキチラボで行われた「はじめてのクイズ」。年に何回かのペースで行われている「早押しクイズをはじめてやる方」を対象にしたラボクイズのイベントのひとつだが、これに当時1期生として参加した方が今も参加している。それと同時に、今年7月に行われた同イベントの13期生の方々も新しく他のラボクイズのイベントに参加し始めている。

さらりと書いたが、古参と新規の客がバランス良く参加しているというのは、なかなかに凄いことなのではなかろうか。

「みんな杯」の素晴らしさ
クイズプレイヤーには、どう言い訳してもレベルの差は存在する。勝ち負けは時の運だけど、それでもやっぱりあるものはあるのだ。
強いと言われているプレイヤーでもこの世の全ての問題をわかることはないし、クイズをやっていなくてもその人にしかわからない知識というのもある。けれど、早押しクイズにおいては普段からたくさんやっている人の方が有利なのは間違いない。

なのでいわゆる「クイズが本当にはじめての方」や「普段そんなにクイズをやってないけど気楽に楽しみたい方」、そして「普段から結構クイズを真剣にやっている方」が一緒のクイズイベントに参加して、それでいてみんなが「楽しかった!」という感想になるのは、多少ハンデをつけたからといって難しいものがあるよなぁ…と思っていたのだけれど、「みんな杯」は、そういう「参加者みんなを楽しませる」を体現してしまったイベントでなのである。

ルールはシンプルで、48人のお客をくじ引きでチーム分けをして7○3×を行い、勝ち抜け順にA、B、C…とグループを8組に分け、そのグループの中でまた7○3×を行うというもの。ただ、下位の組ほど勝ち抜け人数を多くして、できるだけたくさん押せるようなルールになっている。さらに、問題が流れそうになると、すかさず古川さんが問題をもう一回繰り返して伝えることもあった。

「上位の組にはそんなヒントみたいなことやらないのにずるい」とか、妙な平等論を唱える人も出てきそうだが、そういうことではない。初心者の組ほど、「ボタンを押して正解するという早押しクイズの楽しさを体験してもらう」という姿勢が見えるのが、本当にいいなと思ったのだ。

ところで、このイベントは過去に使われた問題を使用している。だからと言って、例えばラボブック(ラボクイズの過去の問題を収録した問題集)を読み込んでいる人が有利かと言えば、絶対というわけではないというところにこのイベントの面白さがある。

過去に出たものとは絶妙に問題文が変わっているものもあり、それがいつどこで来るかはわからない。いわゆる「○○という問題文なら答えは大抵コレに落ちることが多いよね」といわれている既出問題でもだ。

(当たり前だが)クイズの問題文として無理があるだろうというものを出すことはなく、結局のところ「問題をよく聞いて押す」「確定ポイントを引き付ける」「それでも勝負に行くべきところでは行く」などなど、クイズの基本を大事にしなければならないイベントになっていると思う。

ところで直近の「みんな杯3」はチケット発売1時間ちょっとで2days(96席)完売になり、買えなかったという方の話もちらほら聞く。ぜひまた開催して欲しいイベントのひとつである。

そんなこんなで
古川さんもだし、問読みの藤野さんもそうだし、カプリティオの皆様も非常にお忙しそうなのだけど、ラボクイズのイベントにおいては手を抜いている印象はなく、今年も面白いイベントが多かったなぁという印象だ。

クイズイベントは「準備に比べて儲からない」というのはなんとなく素人でもわかるので、いつまでも楽しいこのイベントに参加できる状況が続きますようにと祈るくらいしかできない。

私はあまり人に対して何かを勧めることはしないのだけど、もし早押しクイズにちょっとでも興味がある方は、軽率に新宿のTMCで開催されている古川さんのクイズイベントに遊びに来てはいかがでしょう。

私がクイズを始めた頃に比べて、今はいろいろな所で気軽にクイズの初心者が参加できる場所が増えたのがほんとに嬉しいので、来年もこんな感じでありますようにという感想をつぶやいて筆を置く。あ、もう1時だ。