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レビヤタンシステム 第4講 トレード手法

いよいよ実際のトレード手法について具体的に解説する。
もしまだという人がいれば、1~3講を先にお読みいただこう。
第1講 Awesome Oscillator
第2講 Alligator
第3講 Fractals

「レビヤタンシステム」と名付けたくらいだから
トレードルールは客観的かつ簡単明瞭である。
裁量要素はほぼほぼ除外してある。brevitas et facilitas。

通貨ペアを問わない。FX以外にCFD、株、先物、仮想通貨で通用する。
時間足にも縛りはない。1分から週足・月足まで全く同じように使える。

用意するもの

1. Fractal-Box-V5.1_.mq4
2. WyattsPivots.ex4

2の代わりに以前紹介した以下でもよいし
その他ピボットを表示するインジケーターならなんでもよい。
!3CA_FiboZone2.mq4
!3CA_Pivot2.mq4

以下は、MT4標準。「ビル・ウィリアムス」フォルダーに格納されている。
パラメーターはデフォルトのままで。
Awesome Oscillator
Alligator
Fractals

必要なインジケーターをネットで入手しMT4に導入したら、次に進む。
なお、インジケーターはすべて無料である。

チャート設定

ドル円 1時間足

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ポンド円 15分足

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因みに、ビル・ウィリアムズ本来の手法は、バーチャートを使った。

市場の構造 Market Structure

一般的な手法では、環境認識とか大局観というが
当手法においてはマーケットの構造を重視する。
それを可視化するものとして、ピボットを使う。
1日の値動きは、ピボットを枠組みとして展開する。

上のドル円1時間足チャートをご覧いただこう。
何の意図もなく任意に切り取ったのであるが
ピボット各ラインで反応を示しているのが見て取れる。
もちろん15分足チャートでもそのことはよくわかる。

日足が上昇トレンドだから、1時間足で買いのみを狙う、とか
1時間足のダウがこうだから、5分足では・・・というような環境認識を
レビヤタンでは重視しない。カオス理論とフラクタル幾何で
市場の構造とそれに規定された値動きを考える。
それには、ピボットのほかにフィボナッチとギャンを活用するのだが
それは上級のさらに上を行く上級編になるので、本講ではピボットのみ。
これなら初心者でも迷わない。100人が100人同じラインを見る。

市場の構造でもうひとつ考察するものがある。エリオット波動である。
とはいっても、アカデミックなエリオット波動論に関心はない。
トレードの現場で実戦的に稼げる波のカウントだけが重要だ。
そのためには、主観を排し客観的に波をカウントしなければならない。
ピボット同様、100人が100人同じ波をカウントするのでなければ使えない。
Awesome Oscillator と Alligator を使って客観的に波をカウントする。
もしまだ読んでいなければ、いますぐ以下をお読みいただこう。

ある人たちにとってエリオット波動論は宗教である。
原理主義者・根本主義者(Fundamentalist)から見れば
レビヤタンのエリオット波動カウントは”異端”であるかもしれない。
「村夫子、エリオットのなんたるかを知らず」と一喝されるやもしれぬ。
答えて云う。私はエリオット波動のなんたるかを知らない。なぜなら
マーケットがエリオット波動を知ってなどいないからである。
相場はカオス理論によって好き勝手に動く。エリオット波動に従って
動いているのではない。ダウ理論を遵守して動いているのでもない。
”真正”エリオット信者(gnesio-Elliottician)が、それは波動の
正しいカウントではないと言いがかりをつけるのであれば
私は「エリオット波動」と呼ぶことをやめよう。
ひとつのトレンドは概ね5つ前後の波で構成されるというのが
市場の構造である。これを最初に発見し体系化したエリオットさんに
敬意をひょうする意味で「エリオット波動」というのであって
呼び方など実はどうでもよい。レビヤタンシステムにおいては
Awesome Oscillatorで5つの波をカウントすることを知ればそれでよい。

環境認識ルール
1. 日のピボット(Daily Pivot Points)を見て1日の値動きを推論する。
   各ピボットラインの間隔は広いか?狭いか?
   上値目処は?下値目処は?価格が止まりそうなラインは?
   価格が上げ止まり、または、下げ止まり反転しそうなラインは?

2. 実際にエントリーする時間足のチャートを開く。
   現時点からローソク足100本~140本遡って観察する。
   この範囲内でもっとも高いAOのピークを暫定的に3波と認定する。
   ここを3波と仮定してエリオット波動的に今どの段階かを推論する。
   今下げているのは、上昇の3波完成後の4波形成中か?
   5波までカウントできるので、次に1波を作るまで待機しよう。
   などなど。

初級エントリールール

ネットからDLしていただいた「Fractal-Box」というインジケーターは
フラクタルの高値と安値にもとづいてボックスを描画する。
つまり、ボックスを上にブレイクすれば、直近高値を更新したことになる。
同様に、ボックスを下にブレイクするのは、直近安値が更新されたときだ。
試しに、ローソク足が見えなくなるほどボックスの色を濃くしてみよう。

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グリーンのローソク足がグレイのボックスからはみ出ているところが
ボックスをブレイクした箇所である。ボックスをブレイクしたときにだけ
エントリーしてさえいれば、しっかりと勝てていることに気づくであろう。
もっとも単純明快に説明してしまえば、これがフラクタルブレイク手法だ。

ロングのセットアップ
1. Alligatorの3本の線が揃って右肩上がり。
      つまり、ワニが上に口を開いている。

2. 点灯中のフラクタルをAlligatorの赤色ライン(ワニの歯)の上で
   ブレイク。

3. AOがマイナスからゼロをクロスしてプラス方向。
   または、プラス圏で緑色のヒストグラムが上昇傾向。

4. ボックスの上限から1 pip(+スプレッド)離してBuy Stopで注文。

ショートのセットアップ
1. Alligatorの3本の線が揃って右肩下がり。
      つまり、ワニが下に口を開いている。

2. 点灯中のフラクタルをAlligatorの赤色ライン(ワニの歯)の下で
      ブレイク。

3. AOがプラスからゼロをクロスしてマイナス方向。
   または、マイナス圏で赤色のヒストグラムが下降傾向。

4.   ボックスの下限から1 pip離してSell Stopで注文。

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注意事項
注文は常に予約注文 Pending Orderで執行する。
成り行きでエントリーしない。

MT4でいうところのBuy Stop / Sell Stopで注文を発注する。
「逆指値注文」とか「ストップ注文」と呼ばれるもの。
現レートよりも高いレートで買う。安いレートで売る。
一般的には「不利なレートで売買する」注文方法と説明されるが
レビヤタンシステムでは、フラクタルブレイクを確認してから
エントリーするので、この注文方法は必ず守るべきルールである。
ブレイクしなかった場合に負けトレードを間引くことができる。

損切り SL
SLは、エントリーしたボックスの反対側に置く。
トレンドの波に乗って保有する場合は、新しいボックスが形成されるたびに
SLの位置を移動して、トレーリングする。

利確 TP
損切りには絶対的なルールが存在するが、利確にはない。
各自の懐具合、性格、気質などに合わせて工夫するのがよい。
いくつか例をあげるのであれば

1. ワニが口を開けているあいだは保有し続け
  トレーリングストップで手仕舞いする。

2. ワニが口を開けているあいだは保有し続け
  緑色のライン(ワニの唇)の内側でローソク足が確定したら利確する。

3. ピボットのラインにエントリーと同時に利確注文を置いて放置する。

4. SLまでのピップス数の1.5倍の利益を確保したら手仕舞う。

損益比(SL : TP)は最低 1 : 1.5 を原則とする。
形成されたボックスが大きく、SL : TP = 1 : 1.5 が現実的でない場合は
エントリーを見合わせる。

短期と長期の時間軸の組み合わせは、1 : 5 が望ましい。
  1分足と5分足
  3分足と15分足
  5分足と30分足(25分足)
  15分足と1時間足(75分足)
  1時間足と4時間足(5時間師)
  4時間足と日足(20時間足)
  日足と週足

中級エントリールール

初級エントリールールがきちんと身についたら
もうひとつのエントリー手法を学ぶ。
初級を卒業して中級に進むのではなく、初級手法に加えて
中級手法を合わせて使うということである。中級手法では
初級よりも一歩手前でエントリーすることができる。

ロングのセットアップ
1. 眠っているワニを見つける。AOはゼロライン付近で小さくなっている。

2. ローソク足がAlligatorの緑ライン(ワニの唇)の上で確定したら
  その時点で形成されているボックスの上限より
  1 pip(+スプレッド)上にBuy Stopオーダーを置く。

3. AOはゼロ付近またはゼロをクロスしたばかりであることを確認する。

4. AOの山と谷を使ってエリオット波動をカウントし3波と5波を狙う。

ショートのセットアップ
1. 眠っているワニを見つける。AOはゼロライン付近で小さくなっている。

2. ローソク足がAlligatorの緑ライン(ワニの唇)の下で確定したら
  その時点で形成されているボックスの下限より1 pip下に
  Sell Stopオーダーを置く。

3. AOはゼロ付近またはゼロをクロスしたばかりであることを確認する。

4. AOの山と谷を使ってエリオット波動をカウントし3波と5波を狙う。

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この方法を使うと、3波開始直前または直後にエントリーできる。
エリオット波動で一番おいしいといわれる3波を丸ごと頂戴する。
さらに、AOを観察してその後の波をカウントすれば
5波までを追いかけつつ随時エントリーすることが可能だ。
3波完成で一度利確し5波の上昇に合わせてもう一度エントリーか
半分利確して半分は保有し4波完成後に増しぎょくするというのでもよい。

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注意事項
SLとTPに関しては、初級エントリールールのそれに準じる。

加えて、エリオット波動カウントをTPの目安にする。

中級エントリールールでエントリーしたのち
初級エントリールールの条件を満たせば、追加でエントリーしてもよい。
しかし増しぎょくするには絶対条件がひとつある。それは
資金管理とリスク管理のルールを自分で明確に持っているということだ。
資金管理とリスク管理のルールがない人は、追加エントリーは見合わせる。

上級エントリールール

初級手法と中級手法が使いこなせるまでに至ったら
さらなるエントリーチャンスと収益拡大を目指して
さらにもうひとつの手法を習得する。
初級と中級はフラクタルブレイク手法であるが
上級ではトレンドの反転を見抜いて逆張りで仕掛ける。
中級手法よりさらに早い段階でエントリーする。

セットアップ
1. 価格が口を開けたワニから角度を伴って乖離している。

2. 価格がピボットの抵抗線・支持線にぶつかって止まる。

3. AOがプラス圏なら緑から赤に、マイナス圏では赤から緑に転じる。

4. 上昇トレンドが続いたときには、ショートでエントリー。
  下降トレンドが続いたときには、ロングでエントリー。

ロングエントリーが決定したローソク足の高値より
1  pip + スプレッド分上の位置に逆指値注文(Buy Stop)を入れる。
初級・中級エントリーとは異なり、フラクタルブレイクを待たずに
エントリーする。

ショートエントリーが決定したローソク足の安値より
1  pip 下の位置に逆指値注文(Sell Stop)を入れる。
初級・中級エントリーとは異なり、フラクタルブレイクを待たずに
エントリーする。

レジスタンスとサポートは、ラインではなくゾーンとして認識する。

以下はセットアップとはしないが、逆張りの根拠を裏付ける。
① 転換・反転を示唆するローソク足
   トンカチ・カラカサ(Pin Bar)
   十字線、同時線(Doji)
   含み線(Engulfing Bar)
   はらみ線(Inside Bar) など

② 価格とAOのあいだにダイバージェンス (Divergence)が出現
③ 株・先物においては、出来高の増加

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損切り SL
エントリーした足の直近のフラクタルから少し離した位置に置く。

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注意事項
初級・中級手法は、トレンドフォローの順張りトレードなので
ワニに向かってエントリーすることはない。
上級手法では、ワニの口の中に向かって逆張りでエントリーする。
その分リスクが大きいことを認識しておかなければならない。

自分なりの資金管理とリスク管理のルールを持っているトレーダーは
分割エントリーと分割決済を取り入れることを勧める。
上級手法で全体の1/4をエントリーする。
中級手法で全体の1/2をエントリーする。
初級手法で全体の1/4をエントリーする。
などなど。

上級エントリー後にエリオット波動が発動した場合は
1波の初動から5波までの推進波を丸ごと利益に変えることが可能だ。

以上3つのエントリーの仕方をワニの状態に焦点を当てて解説すれば
初級手法では、目覚めて口を開けたワニを探す。
中級手法では、口を閉じて眠っているワニを探す。
上級手法では、口を限界まで大きく開ききったワニを探す。

言わずもがな、投資は自己責任で。


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