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Volume Profile 出来高プロファイル 実践的トレード手法1

Trading ViewのVolume Profile(出来高プロファイル)の概要については、以下のブログ記事をお読みいただきたい。私のブログではない。アフィリエイト地雷が散りばめられた他の人のブログで申し訳ないが、よくまとまってわかりやすい記事なので敢えて紹介する。うっかり地雷を踏まないようにくれぐれもご用心。この記事内に出来高プロファイルは有料版でしか使えないという記述があるが「固定期間出来高プロファイル」だけは無料版でも使える。有料版や証券会社に誘導するための記事でありブログだから、無料版では使えないなどと脅しているのだろう。

平たく言えば Volume Profile とは Market Profile の Trading View 版である。Market Profile ならよく知っていると膝を打つ人もいるだろう。Mr. Hiltonの”三種の神器”のひとつでもある。ちなみにあと2つは、オプション権利行使価格とVWAP。「Mr. Hiltonって誰?」という人はググろう。

Market Profile というのは、J. Peter Steidlmayer がシカゴの証券取引所と共同開発したテクニカル分析法。1980年代のことである。その当時は証券取引所ですら出来高データのリアルタイム更新はなかった。そこでプライスがどの価格帯に最も長く留まったかに注目して考案されたのが Market Profile である。その詳細は、Steidlmayer が「Markets and Market Logic」 (1986)と題する著書の中で明かした。

Market Profile が探ろうとしたのは「Money Zone」の在り処。近年は「Smart Money」という名称が一般的だ。平たく言うと、大口機関投資家がどの価格で買い集めたか、あるいは売り集めたかを探ろうというのである。

平たく言ってばかりだが、Market Profile は難解なので平たく言ってのけるしかないのだ。難解な Market Profile を最も平たく解説しているのは、James F.  Dalton だろう。Steidlmayer の協力者でもあった Daltonは、Market Profile のゴッドファーザーと称されている。残念ながら邦訳はない。

実は、Market Profile は著作権によってガチガチに保護されている。証券会社や取引所は高額な使用料を支払わなければそれを搭載することができない。Trading View が Market Profile ではなく Volume Profile を搭載するのも実は著作権絡みである。

では、著作権の問題で使えないから仕方なく Volume Profile かというとそうでもない。Volume Profile は元祖 Market Profile より格段に優秀だからだ。もちろん基となった概念いわばコロンブスの卵は Steidlmayer の功績だ。出来高データがなかったアナログな時代にこれを考えついたことに感服し敬意を払うにやぶさかではない。しかし、リアルタイムで出来高データがいとも簡単に得られるデジタル時代においては、Volume Profile のほうが正確かつ即時的だ。Market Profile はエクセルで作れる。Volume Profile はパソコンがなければ描けない。たとえるなら、一眼レフフィルムカメラとミラーレスカメラの差とでも言うべきか。

Market Profile
Volume Profile

小難しい前置きはこれにて終了。あとはひたすら実践的トレード手法についてのみ何回かに分けて書く。今回はまず1つ紹介する。

大口の機関投資家―彼らを「market maker」と呼び習わす―が大量のポジションを少量ずつ集めた場所(accumulation)をチャート上で特定する。横ばいのボックス圏を形成している場所が怪しい。しかし、すべての保ち合い局面が market maker の仕掛けどころではない。その直後に急騰または急落が見られた場所はその可能性が高くなる。上昇したのであれば大口が買ってきたと想定する。下落したなら大口が売りで攻めていると考える。その箇所に「固定期間出来高プロファイル」を適用する。先にも述べたが、無料版Trading Viewでも使うことができる。

適用するのは、価格の横ばい開始からその後の上昇(または下落)までの範囲だ。

POCの延長線上で価格が、止まる・反転するなどの反応をみせることが想定できる。価格が何らかのリアクションを取るという意味合いで、今まで上昇トレンドであったものがトレンド転換して下落に転じるといったことを意味しない。価格はPOCに引き寄せられそこに到達すると何らかの反発を見せる傾向があると言っているに過ぎない。その反発は、たとえば10ピップスや20ピップス程度のこともある。ゆえにVolume Profileのみでトレードするというよりは、他の手法と組み合わせて使うのがよい。私たちは、30分足の出来高プロファイルで待ち合わせ場所を特定したら、5分足や1分足のレビヤタンのエントリー条件に照らし合わせつつトレードを行う。

「右に延長」にチェックを入れておくと、チャートが形成されるにつれて、出来高プロファイルがリアルタイムで自動更新される。手書きだった時代はさぞ大変だったろう。

なお、MT4には正確な出来高情報がないので、出来高プロファイルは使えない。Market Profile で代用するしかない。Market Profile は手書き時代の方法だから、MT4でも十分使える。「医学的FX」というサイトでMT4用の Market Profile インジケーターが無料で配布されている。


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