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レビヤタンシステム 秘訣 6 Alligator & Fractals

Alligatorの計算式

AlligatorがSmoothed Moving Averageなのは先刻ご承知のとおりである。
そして各線を先行させていることもすでにご存知であろう。
しかしローソク足の終値に基づいて計算されるという点に関しては
少なからぬ誤解と混乱が見受けられる。国内海外問わずYouTubeやブログを
見る限りAlligatorの計算式は「Median Price」としているものばかりだ。

たとえば、Gogojungleの記事にはこう書いてある。

Aliigatorは計算のベースとなる価格にMedian Price(高値と安値の平均値)を適用した平滑移動平均線(SMMA)3本から構成されています。

メタトレーダー公式説明でも「Median Price=中央値」と明記してあり
実際にMT4搭載のAlligatorはデフォルトで「Median Price」になっている。
さいわい、この設定は「Close=終値」に変更することが可能だ。

MT4だけではない。Trading ViewのAlligatorも間違っている。こちらは
パラメーターで変更できない。Pineを書き換えるしかないので面倒だ。
余談だが、Trading Viewのフィボナッチも誤っている。何年も前から
多くのユーザーが指摘し要望しているが、修正する気が全くないらしい。
さらに余談だが、MT4の場合はMACDとIchimoku(一目)が誤っている。

Bill Williamsが開発したAwesome Oscillatorは「Median Price」で計算する。
おそらくは、これに引きづられてAlligatorも「Median」という勘違いが
広く定着してしまったのであろう。Bill Williamsの3冊の著作および
Home Study Courseという教材のどこにもAlligatorは「median」とは
書いていない。

Bill Williamsの娘にして後継者・継承者たるJustineは、セミナー参加者の
質問に「closing price(終値)」とはっきり回答している。

参考までに、終値ベースのAlligatorと中央値ベースのAlligatorの誤差を示しておく。実戦に致命的な支障を来すほど大きな差ではない。

Purple Line

Twitterに投稿しているチャートには、Alligatorの3本ラインの他に
もう1本のラインが表示してある。DMなどで質問をいただくたびに
個別に返答してきたが、noteには記載していなかった。このラインの正体は
34 Smoothed MAを21先行させたものである。価格は当然「終値」ベース。
これは、ひとつ上の時間足のAlligatorの歯(Red Line)に相当する。そして
このラインは、Bill Williamsにはない。レビヤタンシステムのオリジナルだ。

MTFでAlligatorを描画するインジケーターを無料で探すこともできるのだが
上位足の赤ラインだけを下位足チャートに表示しておけば実戦的には充分。
「秘訣 5」で書いたように、フラクタルをヒットしたときに確認すべきはそれがRed Lineの上で起きたか、下で発生したかであった。

初級と中級エントリーでPurple Lineは活躍する。ことに、1分足や5分足で
トレードするときには無視できない。使い方はいたってシンプル。
Purple Lineへ向かったエントリーはしない。あるいは極めて慎重に行う。
エントリーする方向は、常にPurple Lineから遠ざかる方向ということだ。

1時間足4時間足日足とトレードする時間軸が長期になるに従って
Purple Lineの効果は薄くなるように感じる。21先行させていることと
関連しているのかもしれない。正確な検証データに基づいてではなく
経験則で言うのだが、長期足の場合はPurple Lineの代わりに
200 EMA(SMAでもOK)がいいように思える。各自ご検証を。

トレンド転換を逆張りで狙う上級エントリーでは、Purple Lineを
それほど気にしなくてよい。多くの場合Purple Lineに向かっていく
エントリーになるからだ。初級中級では、ワニの口中やPurple Lineに
立ち向かうようなトレードは控える。しかし上級は逆張りなので敢えて
ワニの大きく開いた口の中やPurple Lineを目指してエントリーするのだ。

これ以外では、Purple Lineは通常の長期MAであるかのように扱えばいい。
長期トレンドの方向の判断や、抵抗や支持として機能する局面では
押し目買い、戻り売りのポイントとして考えることができる。

ローソク足が最安値(底)または最高値(天井)をつけたら
Purple Lineの先端にトレンドラインを引いてみる。一目均衡表を
学んだことがあれば、先行スパン2(26本先行させた雲)の応用と
理解していただけばよい。

便利な無料インジケーター

HT FX (MT4・MT5で快適トレード)というサイトは、独自に開発した
インジケーターを無料で提供している。どれも使い勝手がいい。
その中からレビヤタンシステムで使うと効果的なものを紹介する。
これらはレビヤタンシステムの構成要素ではない。いわば便利ツール。
お好みで補助的に使用するとよい。また、使用方法やレビヤタンとの
組み合わせ方などを自分で検証して工夫することをお勧めする。
繰り返すが、あくまで環境認識の補助としての用途に限定する。
これらのインジケーターをエントリー判断に使うことはしない。

複数通貨ペアのMA傾きを一覧表示するツール

期間 8、MA種別 Smoothed、適用価格 Close price あるいは
期間 21、MA種別 Simple、適用価格 Close price 
この設定で、ワニの歯(Red Line)の傾きを判定することができるだろう。
上昇または下降トレンド中の通貨ペアを探す用途にも使えるが、むしろ
傾きがない状態の通貨ペアと時間足を見つけたい。あくまで擬似的で
簡易的な方法ではあるが、ワニが眠っている状態を探したいのだ。

上の画像を例にとると、EURJPYの1分足から30分足は傾きがなく横ばいだ。
一方1時間足と4時間足は上昇傾向にある。下位足のワニが目覚めて起きたら
上方向に口を開く可能性が大きいのではないかと考察するのである。

GBPAUDは、5分足から4時間足までワニが眠そうだと見て取れる。
そして、4時間より上位の足では下落傾向を示している。

HT_Currency_Rank

複数の時間足における通貨ペアの強さや方向性を表示するツール。

レビヤタンシステムで使用する場合はパラメーターを次のように設定する。

あるいは、計算周期(MAモード)を「55」、MA計算方式を「Simple」に。
ワニの顎(Blue Line)を基準に通貨ペアの強さや方向性を表示する。
あくまでも擬似的・近似値的にではあるが、一応の参考となるだろう。
ワニの顎(Blue Line)はいま見ているチャートの時間軸における
Balance Lineだった事を思い起こしていただきたい。カオス(新しい情報)
が何もない状況においてはBalance Lineはフラット(横ばい)となる。
つまり、Balance Lineの傾きと方向を見れば、買い売りどちらのカオス
(新たな情報)がマーケットに投入されているのかを知ることができる。

このインジケーターの面白い点は、「Fractals」という機能があることだ。
フラクタルが高値更新を継続していれば、上昇傾向。
安値を切り下げ続ければ、下降傾向にあると判定する。
これはレビヤタンシステムの環境認識において重宝するだろう。

上位足のFractalsを利用したZigZag描画ツール

いま見ているチャート上に、指定した上位足のフラクタルの山と谷を
ZigZagで描画するというインジケーターである。設定は自由に変更できる。
15分足に1時間足を表示するのでも、5分足に30分足や1時間足を表示でも。

このように上位足レベルでの買い目線売り目線がわかりやすくて迷わない。
また、上位足レベルでのフラクタルブレイクも参考にすることができる。

フラクタルはその性質上、直近のフラクタルが確定するには最低2本の
ローソク足を要する。1時間足でいえば、2時間後ということだ。上位足の
フラクタルを参照するときは、このことを忘れてはならない。

【追記】
Trading Viewには以下のインジケーターを。








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