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特別講義1 Accelerator Oscillator

はじめに

レビヤタンシステムはBill Williamsの2冊の書籍の内容に基づく。
Trading Chaos(初版)のエリオット波動
Trading Chaos(第2版)のAlligator、FractalsそしてAO である。

この2冊の間にNew Trading Dimensionsというタイトルの書籍があった。
「相場の達人ー常勝のカオス思考」という邦題で日本語に訳されている。
Alligator、Awesome Oscillator、Accelerator Oscillatorを初めて公開した点で
とても重要な書籍であるが、この書籍で解説されている手法はレビヤタには
組み入れていない。理由は、Trading Chaos(第2版)のトレード手法が
最終完成形であるとBill Williams自身が明言しているからに他ならない。

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とはいうものの、New Trading Dimensionsのトレード手法がいまでは
機能しないのかというと、決してそのようなことはない。むしろ、今でも
立派に通用する優秀な売買トレードシグナルばかりである。このうち
AOの売買シグナルのことは、以前以下の記事で解説した。
レビヤタンシステム 秘訣2 Awesome Oscillator
残り3タイプの売買シグナルについて特別講義という形で解説する。

5 Dimensions

New Trading Dimensionsというタイトルは、相場を読み解く鍵は
5つの”dimensions”(次元、側面、特質)にあるという内容に由来する。

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① Fractalsでカオス(新たな情報)を可視化する。
② Awesome Oscillator (AO)でモメンタム(勢い)を可視化する。
③ Accelerator Oscillator (AC)でスピード(加速・減速)を可視化する。
④ AO + ACでモメンタムのスピードを可視化する。
⑤ Balance Lineでカオス(新たな情報)の場所を可視化する。

これらすべての根底には、市場の潜在的な構造、いわゆる
the underlying structure of the market があり
Alligatorでそれを可視化する。とっても簡単に言ってしまえば
トレンドがあるかないか、アップトレンドかダウントレンドか
そのトレンドには勢いがあるのかないのかなどを可視化するのである。

特別講義1では、Accelerator Oscillator(AC)の売買シグナルを
特別講義2では、ゾーンシグナル を
特別講義3では、Balance Line の売買シグナルを解説する。

Accelerator Oscillator(AC)

MT4・MT5に標準搭載されている。それをデフォルト値で使う。
計算式は、MACDにおけるシグナル線に相当する。
AOの数値を5期間のSMAで計算し、それをヒストグラムで表示する。
MACDのシグナル線がそうであるように、ACのシグナルはAOに先行する。
シグナルが早いということは、当然ダマシも多くなるのがオシレーター系
指標の宿命である。適正なロット数と厳格な資金管理が求められる。

カオス(新たな情報)は、まず最初に出来高に変化をもたらす。
出来高の変化は、価格変化率(割合)を加速または減速させる。
変化率の加速・減速はモメンタム(勢い)の方向を変化させる。
モメンタムの方向が変化して、ようやく価格は動く。

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ローソク足のプライスアクションを重視するトレーダーは
値動きが全てであるかのように勘違いしていることが少なくないが
実際には価格が動くのは最後の最後なのである。
つまり、AO(モメンタム)は価格の動きを先読みする。
AC(価格変化率のスピード)はそれをさらに先読みする。

ACの買いシグナル

1.ヒストグラムがゼロラインより上(プラス圏)の場合

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① ヒストグラムが緑色から赤に転じる (a)
② 次のヒストグラムが緑色に復帰する (b)
③ 緑に復帰した次のヒストグラムも緑色で確定 (c)
⇒ ロングでエントリー

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2.ヒストグラムがゼロラインより下(マイナス圏)の場合

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① ヒストグラムが緑色から赤に転じる (a)
② 次のヒストグラムが緑色に復帰する (b)
③ 緑に復帰した次のヒストグラムが2本連続で緑色 (c & d)
⇒ ロングでエントリー

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3.ヒストグラムがゼロラインをクロスした場合

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マイナス圏で出現した買いシグナルの場合には、3本連続の緑色が必要だが
途中でマイナス圏からプラス圏へとゼロラインをクロスした場合に限って
連続する2本の緑のヒストグラムを有効な買いシグナルとする。
ここで注意すべきことは、AOの売買シグナルのときとは異なり
ACにおいては、ゼロラインのクロスそのものはシグナルとはならない。

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ACの売りシグナル

1.ヒストグラムがゼロラインより下(マイナス圏)の場合

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① ヒストグラムが赤色から緑に転じる (a)
② 次のヒストグラムが赤色に復帰する (b)
③ 赤に復帰した次のヒストグラムも赤色で確定 (c)
⇒ ショートでエントリー

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2.ヒストグラムがゼロラインより上(プラス圏)の場合

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① ヒストグラムが赤色から緑に転じる (a)
② 次のヒストグラムが赤色に復帰する (b)
③ 赤に復帰した次のヒストグラムが2本連続で赤色 (c & d)
⇒ ショートでエントリー

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3.ヒストグラムがゼロラインをクロスした場合
買いシグナルと同じ要領で考える。

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AC売買シグナルまとめ

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日経225先物の日足チャートを下に示す。
価格が下落し始める5日前に早くもACの売りシグナルが出現している。
「日経平均反落!」という見出しがこのとき早くも脳裏に浮かぶのだ。
AOを「明日のウォールストリート・ジャーナル」と呼んだBill Williamsが
ACは明後日のウォールストリート・ジャーナルを今日読むのに匹敵する
と言ったのはこのことである。

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ACの相場分析・環境認識

ACの使い途は、売買シグナルとそれを逆手に取った利確の目安のほかに
環境認識や相場の分析にも威力を発揮する。

① ACのヒストグラムがプラス圏(ゼロより上)で緑色
⇒ 買いが優勢で、なおかつ買いのスピードが加速している

② ACのヒストグラムがプラス圏(ゼロより上)で赤色
⇒ 買いが優勢ではあるが、買いのスピードは減速している

③ ACのヒストグラムがマイナス圏(ゼロより下)で赤色
⇒ 売りが優勢で、なおかつ売りのスピードが加速している

④ ACのヒストグラムがマイナス圏(ゼロより下)で緑色
⇒ 売りが優勢ではあるが、売りのスピードは減速している

日足、4時間足、1時間足など上位足のACを確認するすることで
マーケットの状況を知ることができるのである。

ACがゼロより上なら⇧ ゼロより下なら⇩
ACが緑色なら⇧ 赤色なら⇩ として

週足    ⇩ ⇩
日足    ⇧ ⇧
4時間足 ⇩ ⇧
1時間足 ⇧ ⇧

というようにMTF分析すればよい。

一目均衡表だとかボリンジャーバンドだとか七面倒くさい分析は不要。
ACのヒストグラムを1本見るだけで事足りる。

AOの応用的売買シグナル

これから紹介するのは、ACではなくAOのシグナルである。
また、New Trading DimensionsではなくTrading Chaos(第2版)に
”The Second Wise Man”という名称で解説されている手法だ。

ひと言でいうと、ACがゼロラインより下のときの買いシグナルと
ACがゼロラインより上のときの売りシグナルのルールをAOに応用する。

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これ単独で売買エントリーをするのではなく
The First Wise Man(レビヤタンシステムの上級エントリールール)で
トレンド転換逆張りエントリーをしたのちにThe Second Wise Manで
追加エントリーをするという風に用いる。そして、The Third Wise Man
(レビヤタンシステムの中級・初級エントリールール)でさらに増し玉
という流れである。

ちなみに、ここでいうWise Menは降誕劇でおなじみの東方の博士のことだ。

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