主語と主題

主語・主題とは

主語とは

述語の動作主(状態主、属性主、感情・感覚主)
格助詞「が」を取り、主語になることが多い

子ども お母さんに 花を あげた。
主語   授受の相手 対象 述語

主題とは

「花」を主題化(topicに)すると

 子どもが お母さんに あげた
(花についていうと〜)

【自己紹介(主題は「私」)】
私は 山田です。
私は 日本人です。
私は 教師です。

【事件の捜査現場】
刑事「犯人誰なんだ。」(主題=犯人)
→「犯人私です。」(主題=犯人)

→「私犯人です。」(主題はない)
転移陰題※述語の部分に主題が潜んでいる。

→「私犯人です。」(主題=私)
急に主題が「私」になるため不自然。

「お前がやったんだろ!お前が犯人だな?」
→「私は犯人です。」

有題文と無題文

格助詞「が」

主語、述語の動作主(状態主、属性主、感情・感覚主)→無題文を作る。中立叙述(感情は入らない)

取り立て助詞「は」

主題を表す。取り立てて主題にする→有題文を作る。

無題文

日曜日に 新宿で 私が 太郎と 映画を 見た。
→無題文(主題がない)、描写現象文(事実をありのままに)、状況陰題

有題文

日曜日には〜見た。
新宿では〜見た。
私は〜見た。
太郎とは〜見た。
映画は〜見た。
→有題文(主題がある)

※格助詞「が」と「を」は「は」を付けると消える。

無題文⇔有題文

太郎がケーキを食べた。⇔ケーキ太郎が食べた。
図書館で飲食が禁止されている。⇔図書館では飲食が禁止されている。
図書館で飲食が禁止されている。⇔飲食図書館で禁止されている。(図書館では飲食は禁止されている。)
昨日より今日の方が寒い。⇔昨日よりは今日の方が寒い。
ここから富士山が見える。⇔ここから富士山が見える。
飛行機で北海道まで行ける。⇔飛行機で北海道までは行ける。

有主語文・無主語文

主題があるかどうか→有題文、無題文
主語があるかどうか→有主語文、無主語文

太郎がケーキを食べた。(無題文、有主語文)
ケーキは太郎が食べた。(有題文、有主語文)

地震だ。(無題文、無主語文)
いい天気ですね。(無題文、無主語文)
雨が降っている(無題文、有主語文)

これは本です。(有題文、有主語文)
主語「これが」が主題化して「これは」となっている※説がある

主語の省略

【一人称と二人称】
「もう荷物を送りましたか?」(もうあなたは荷物を~)
「はい、もう送りました。」(はい、私はもう~)

【不特定主語】
お酒を飲んだら運転してはいけない。

【うなぎ文】
「ぼくはうなぎだ」(注文するとき)
※「ぼくは」=主題
主語「ぼくが」が主題化して「ぼくは」となっているわけではない

「ガ」と「ハ」

格助詞「ガ」

①主語
②対象:目的語を表す

私にはまだ子供がいない。(所有)
私は花子が好きだ。(感情)
私はこれが欲しい。(感情)
※「好き」と「欲しい」は頻出

(私に)富士山が見える。(知覚)
(私は)英語がわからない。(能力)

↓経験主(能力主)は「二格」が主題化される。

私には富士山が見える
私には英語がわからない。

取り立て助詞「は」

①主題を表す(取り立てて主題にする)
②対比

佐藤「山田さん、明日いっしょに映画を見に行かない?」
山田「ごめん、明日は面接があるからだめなんだ。明後日は大丈夫だよ。」
※①主題の意味も含まれる

「山田さんち、お姉さんは大人しいけど、妹さんは元気だね。」

新情報・旧情報

新情報は主題にできない

昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。(新情報)
おじいさんは芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。(旧情報)

川でおばあさんがふと顔を上げると、川の上流から大きな桃が流れてきました。(新情報)
桃はとてもおいしそうでした。(旧情報)

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