芸能人の「政治的発言」について、どう思いますか?

年末、タレントのローラさんが沖縄米軍基地の辺野古移設に関して、埋め立ての反対発言や署名活動を行ったことが、大きな話題となっています。この件について、「タレントは影響力が大きいから、政治的な発言は控えるべきだ」という意見もあります。

個人的にこの問題は、「情報を受け取る側」の問題ではないかと考えています。つまり、政治的な発言を、影響力の大きい方がしたとしても、受け取る側が自分で考え、判断できる力を身に着けてさえいれば、問題ないということです。

そして今回の件が「辺野古への移設問題」ではなく「タレントの政治的発言」に関して話題となっていることが、いまの私たちの「情報リテラシー」の弱さを表していると思います。

それでは、政治的な情報のリテラシーを養うためにはどうすればよいのでしょうか?そのヒントは学校教育にあると考えます。

日本の学校において、先生が生徒に政治的な発言をする際にはたくさんの制約があります。一方『「ドイツの政治教育と中立性」(視点・論点)』によると、ドイツでは「ボイステルバッハ・コンセンサス」の中で、次の3つの原則を掲げています。

第1は「圧倒の禁止の原則」です。「教員は生徒を期待される見解をもって圧倒し、生徒が自らの判断を獲得するのを妨げてはならない」とされていて、具体的には、教員には、自分と異なる意見の生徒を正当に評価することが求められています。
第2は「論争性の原則」です。これは「学問と政治の世界において議論があることは、授業においても議論があることとして扱う」という原則です。つまり対立する意見の両方を掲示するということです。
最後に「生徒志向の原則」です。具体的には「生徒が自らの関心・利害に基づいて効果的に政治に参加できるよう、必要な能力の獲得を促す」ということで、これは政治教育の目的を表しています。

「ドイツの政治教育と中立性」(視点・論点)
2016年05月20日 (金)
早稲田大学教授 近藤 孝弘
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/245497.html

今回のローラさんの発言で、この問題を知らなかった若者が1つニュースを知るきっかけにもなりました。学校の『身近な政治』から情報リテラシーを身に着けることで、より大きな政治的議論が誰でも自由に行われることが、民主主義の成熟のために必要です。

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