心の根っこ

会社の新規事業研修の卒業式が終わって早々、娘の卒園式がありました。

私は幼稚園が大好きで送迎のたびにとても癒されているので、娘の卒園とともに私も卒園となったらメンタルが死ぬ恐れがあるのですが、幸いなことに弟がまだ2年通う予定なので、まだまだ幼稚園を堪能したいと思います。

私は自分自身の現役時代含め、特に卒業式というものに対する感慨がない人間だったので、娘の卒園式も号泣する保護者の皆様に囲まれながら涙は流さずでした。むしろ卒業式って清々しい気持ちです、未来に向けた一歩目だからね。

でも、泣いてしまったのが、園で働く先生達が涙を流しながら進行してくださってるのを見た時です。娘は小規模保育園からの転園だったので2回目の卒業式なのですが、前の園でも今回の園でも、先生方が園児との別れを悲しんで涙を見せてくださいました。

先生達はこれまで数え切れないくらいの子どもの面倒を見ているはずで、これからもたくさんの子どもの面倒を見るはずなのに、それでも泣いてしまというのは、ちゃんと一人の人間として接してくださったからだと感じます。愛情が大切な幼児という時期に、たくさんの愛情に支えられて過ごしてきたんだなと思うと、こんなにありがたいことはありません。

そんなことを考えていたら、園長先生からの祝辞の中に、こんな内容がありました。

-----
この幼稚園では、みんなの心の根っこを育てることを一番大切に考えていました。根っこというのは、木の一番大切なところです。木が大きくなって、葉っぱが落ちたり、枝が折れたりすることがあっても、根っこがしっかりしていれば、その木はまた大きく成長することが出来ます。これから先、嬉しいことだけじゃなく、悲しいこともたくさんあると思います。そんな時は、自分の木の根っこを信じてみてください。それでも辛い時は、いつでも幼稚園に遊びに来てくださいね。先生達も、お父さんお母さんも、周りの大人達はみんな、あなた達の味方です。
-----

難しい内容だから、もしかしたら子ども達はわからないかもしれないな。でも、園長先生の話を聴きながら、私はきっと、今はもう私が覚えていないこんな話を、私の幼少期に愛情を込めて伝えてくれていた大人がたくさんいたんだろうと考えました。私の心の根っこを、みんなが一生懸命に育ててくれたんだろうなということ。園の先生達の顔も思い出せないけれど、その人達の愛情が今も自分の心を支えてくれているのかもしれないと思ったら、すごく感謝の気持ちでいっぱいになりましたし、自分のことをもっと信じてあげないとだめなんだろうなということを思いました。


子どもを育てていると、今はもう思い出せない子ども時代の自分をもう一度やり直しているような、自分自身が一人で生きてきたわけではないのだと思い返すような、不思議な時間がたまに訪れます。

私が生かされてきたのだから、私も誰かを生かしたいなぁと思います。私にとっての子育ては、そんな時間です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?