生き延びられるとはとても思えなかった。私は彼らに無残に殺されるのを待っていたが、奇跡的に生き残ったのだ。しかし、あの土曜日に起きたことは、私の人生をまるきり変えてしまった。あの恐ろしい経験から、一体どうしたら立ち直れるだろう。壊れ、押しつぶされ、バラバラになりそうな心を保つだけで精一杯だ。

土曜日、午前7時。私は寝室で眠っていた。そこはセーフルームでもあった。ロケット弾とその爆風で部屋が吹き飛ばされるように感じた。私は生まれてからずっとネティヴ・ハアサラに住んでいるので、国境の治安の緊張に関しては、ひとつふたつは経験している。しかし、これほどの勢いでロケットが打ち込まれることは未だかつてなかった。

妹はパニック発作を起こし、私は冷静でいようと努めた。「私は強い、この事態を乗り越えられる。一番安全なセーフルームにいる」と自分に言い聞かせた。妹に精神安定のための薬を飲ませ、もう大丈夫だと思った。

その数分後、銃声が聞こえた。部屋は静まり返り、私たちは信じられないという表情で互いに顔を見合わせた。銃声？なぜ銃声が聞こえるの？そんなはずはない。私は自分に言い聞かせた。「テロリストがいるなんてありえない」と。そして、思い込んだ通りに、銃声は聞こえなかったと心から信じた。

それまでは、自分自身をコントロールできていた。おそらくこれは、テログループの幹部が殺された先日の軍事作戦に対する彼らの報復なのだろう。いつものことだ、と。
その数分後、私は母の携帯電話を持ってきて、私たちが住むキブツのWhatsappグループを開くと、次のようなメッセージが届いていた。「テロリストが家に来て、ドアを開けようとしている。早く助けて。彼らは緑のスカーフを頭に巻き、武器を持っています」

その瞬間から、私はホラー映画の中に放り込まれた。私は生まれて初めてパニック発作を起こした。自分の体をコントロールできなくなり、狂ったように震え、息ができなくなり、今日死ぬかもしれないという考えが頭を駆け巡った。計画していた全てのことはどうなるんだろう？愛する人たちは？私の家族は？どうしてこんな結末になってしまったの？？

私たちは無力で、身を守る術もなく、ただテロリストに襲われるのを待つしかなかった。ナイフを握りしめたが、それがなんの役にも立たないことはわかっていた。テロリストは悪意と武器を持っていたし、私たちは恐怖に怯え、唯一の武器はナイフだけだった。それは結果がすでに決まっている戦いだった。

私たちはセーフルームに何時間も座り、テロリストたちに殺されるのをじっと待った。ドアの前に冷蔵庫を置き、もうひとつのドアの前に肘掛け椅子を置いた。私は母の携帯電話を取り、さらにメッセージを読んだ。
「庭から変な音がする」
「アラビア語で話す声が聞こえる。早く助けにきて！」
「テロリストが私たちの家に入ってきた！！」
近所に住む人たちからだった。あと数分で、この世界の私の物語は終わるのだと覚悟した。

両親は完全にショックを受けていて、Whatsappのメッセージをただ茫然と眺めていた。まるでそれで救われるかのように。妹が「テロリストに殺されるよりはロケット弾があたって死ぬ方がましだ」と言って指揮を執り、私たちはセーフルームを出て隠れることにした。妹のカリンと私は、ロケットが激しく降り注ぐ中、地面に横たわって隠れた。両手で頭を覆い、祈った。

近所中から銃声が聞こえ、テロリストたちは私たちのキブツを皆殺しにしようとしているのだと理解した。愛するキブツは血を流し、私は無力だった。私の人生で想像しうる最悪のシナリオが現実に起こってしまった。

午後5時半頃、私たちのもとに、キブツを脱出するという連絡が届いた。その時点でもまだ、テロリストたちは自由にキブツを歩き回っていた。私たちは5分間で、できる限りの荷物をまとめ、車で逃げることにした。
荷造りをしている間に、親友のネタが殺されたことを知った。心から愛するネタ…彼はガールフレンドとアパートにいたところ、手榴弾を投げ込まれ、火に包まれたそうだ。そしてアパートから脱出したところを、何度も何度も撃たれたという。最悪の悪夢の中で、こんなことが起こるなんて想像もできなかった。「今のこの困難、そしてネタの死と、どう立ち向かえばいいの？」かろうじて涙を流すだけの自分にも、すごく腹が立った。

なんとか自分を奮い起こし、車へと向かった。しかし、駐車場に着いた途端、ほんの数メートル先から機関銃の銃声が聞こえた。私はパニックになって両親に言った。「お願い、お願い！家に帰ろう！銃撃戦がここで起きてる！」父の返事はこうだった。「車に乗れ！できるだけ早く走るんだ！」どちらにしても死ぬのだから、せめて逃げるべきだという父の判断だった。

キブツを脱出するわずか2分のドライブは、永遠にも感じられた。テロリストたちが周囲を闊歩していることを知りながら、私は祈った。今振り返れば、通り過ぎた家々には多くの死体があったのだ。私があの時聞いた銃声は、テロリストが隣人たちを殺める音だったのだ。
運転中、カリンと私は幹線道路のど真ん中に放置されたたくさんの車を見た。ドアも窓も開いていて、中には誰もいなかった。道路は火で埋め尽くされ、消火活動をする人もいなかった。
ガソリンスタンドに立ち寄ったとき、頭上にロケット弾が見えたので、私は駅構内のシェルターに一目散に駆け込んだ。4度目のパニック発作が始まった。地面に倒れ込んだ私を、見ず知らずの人が抱きしめてくれた。「お願いです、私を抱きしめてください…私の友人が殺されてしまったの…」彼女は涙を流し、私は我を忘れた。

ネタニヤにたどり着いた時、（現在、ここでは友人のシールの家族が、私たちを受け入れてくれている）私はショックと無気力状態で、涙を止めることができなかった。何百人もの知り合いからのメッセージに返信する気持ちにもなれず、一体何が起こったのか、その深刻さもまだ理解できなかった。
2日後、目を覚ますと、もう一人の友人が殺されていたことを知った。彼は兄弟のような存在で、親友であり、私が知る中で最も特別な人だった。

今でも、これがすべて夢だったと言ってくれる人を待っている。現実ではなかったのだと。きっと嘘だろうとわかっていても「彼は生きている」という言葉を待っている。私は傷つき、心は壊れ、感情がなくなってしまった。セラピーを受け始めたけど、これからどうやって生きていけばいいのかわからない。私の人生は、完全に二つに引き裂かれてしまった。2023年10月7日以前と、それ以後に。

セリーヌ・B