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為替と株価と相関係数

2024年4月11日(木)。日米首脳会談。韓国総選挙で与党敗北。

さて急激なドル高は一時153円を突破する勢い。きっかけは昨日発表のCPI(Consumer Price Index, 米消費者物価指数)。

CPIの上振れでドル全面高とともに株価下落。このようなケースを相関係数マイナス1、つまりお互いに負の相関の関係にあるといいます。

相関係数とはマイナス1からプラス1の間で、Aが上がればBも上がる関係にある場合プラス1に近く、逆の場合はマイナス1に近くなります。お互いにまったく関係ない場合は、相関係数ゼロとなります。

というわけで今日は、日本人から見た投資における相関関係について見ていきたいと思います。

ケース1は米国株に投資している場合。米国株そのものに加えて、円をドルに替えて米国株を購入しているという観点から米ドルにも投資していると言えます。

今回の場合、CPIで株価は下がります(資産価値は減る)が、同時にドル高に振れる(円建ての資産価値は増える)ことで相関係数マイナス1方向となりお互いに補完、つまり帳消し効果が発生します。

ちなみにドル円が150円から153円になるということは、2パーセント変動しているわけですが、株価で考えると2パーセントの下落(例えば40000円の日経平均が800円下がる)は、暴落とは言わないまでも相当大きなインパクトがあるわけで、150と153、小さいようで大きな変化です。

さて日本株の場合はどうでしょうか。
ケース2は日本人が日本円で日本株に投資する場合。相関関係なしと思いがちですが、ことはそう単純ではありません。

同じくCPIで考えてみます。傾向的に米国株が下落すると日本株も下落します(資産価値は減る)。実際、本日の日経平均はかなり下がっています。一方、CPIによるドル高つまり円安は直接的には日本株の円建て資産価値には影響しませんが、円安が物価上昇をもたらす、つまり今日1万円のものが1年後は1万1000円になる、という意味では円建ての資産価値は減るわけで、そういう意味では相関係数はプラス1に近い(CPIの上振れで株価そのものが下がるとともに円建て資産価値も下がる)ということができます。

ちなみに、投資はせずに日本円で貯金のみという場合(ケース3)。さすがに相関係数は出てきませんが、為替の影響同じくありで、物価上昇で相対的に資産価値(貯金の価値)が減ることになります。

ただし、例えばリーマンショック時のように、米株価下落とドル安が同時に起こる可能性もあるわけで、米株価と米ドルは絶対に相関係数マイナス1の関係にあるとは言えません。ただ、重要指標のひとつであるCPIを例にとって考えてみると上記のような考察もできる、ということです。

さて、私が資産を本格的に取り崩しにかかるのはまだだいぶ先の話だが、その頃為替はどうなっているでしょうか。投資に正解なしで為替もまた然りですが、いろいろ考えさせられる昨今の情勢ではあります。