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日野のリノベーション 竣工

団地の小さな一室のリノベーション工事が完了しました。
昨日は午前中に竣工写真撮影、午後に引渡しを行いました。

決して広い空間ではないですが、部屋を細かく仕切らずに大きなワンルーム空間をベースとして、天井高さを抑えた寝室や収納のボリュームを配しています。
天井面は真っ白で、広さを感じさせるよう壁は作らず全体が見渡せるように、居住空間は土間床に合わせた落ち着きのあるグレーの色味で統一しました。
各部屋は入れ子形状という特徴を持ち、全体のボリュームと部分のボリュームを対比的に感じさせることで、住まう人に実際以上の広がりを感じさせる空間になったと思います。

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団地マニアの下里カメラマンいわく、水廻りや個室の仕切り方に特徴があり、元々は戦後間もなくの団地の初期型である「51C型」と呼ばれる形態の間取りであったとのこと。戦後の住宅不足と個室重視の西洋的な暮らし方が求められた時代で、時代に合った合理的な住まいを大量生産するためのかたちを色々と模索した結果に定着したひとつのスタイルだったのでしょうか。
いま現在設計する住宅でも、全体の計画に対して無理をしてでも個室を求められるケースはまだまだ多いですが、住宅全体の雰囲気やつながりを感じられるような気持ちよさを崩してまで個室に執着するというのは、なんだかもったいない気がしています。

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当分の間は売りに出さず、オーナーである不動産屋さんの息子さんが、近くの大学に通う間に一人で住むとのこと。
なんとも羨ましい話です。

撮影していただいた写真がまとまったらホームページ等にアップする予定ですので、そちらもご覧いただけますと幸いです。

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