禅とサーカス

『グレイテスト・ショーマン』を観た。
数日前に『スリー・ビルボード』を観た時に、チケットを買って上映まで一時間ほど時間が空いたので、「人は映画を見る前の1時間でどれだけ酒を飲めるのか?」というどこに向けてなのかよくわからない挑戦を自分に課して、結果、本編でそこそこ寝るという大失態を犯したので、今回は事前に酒を飲まずに、劇場で「映画泥棒が無料と知りながらネットに上がっているデータをダウンロードするあたり」から酒を飲み始めた。
かつて何の前情報も入れずに『レ・ミゼラブル』を観たときに「あぁ、ミュージカルだもんね。歌から始まるよね」から始まり、30分後「しばらく歌続くなぁ。いつから歌わないでセリフ言うんだろう」と観続けて、エンドロールで「あぁ、これ全部歌で構成されるパターンか」と気が付いて、結局あまり話が入ってこなかった。そのトラウマがあるので、『グレイテスト・ショーマン』も歌から始まった時に少し身構えた。どちらもヒュー・ジャックマン主役だし。
酒が入っていたからかもしれないが、開始5分で涙が出て出てしかたなかった。登場人物が歌わずにセリフを言い出したから安心したわけではない。あの舞台裏に立つ支配人の背中がまず泣ける。
これから舞台に立とうとする人の背中は覚悟と緊張と「すべりたくない」という気持ちが乗っかっている。そういう背中を見るのがたまらなく好きだ。舞台に立つ時によく袖でぼんやり観ているけれど、あの、お客さんには見えない景色は実はかなり贅沢なのかもしれない。
そういえば『スリー・ビルボード』でも『グレイテスト・ショーマン』でも小人が出てきたが、今ハリウッドでは小人ブームが来てるんだろうか。
F1がレースクイーンを廃止すると聞いて、昔、小人症の人が「今でいうコンプライアンスで小人プロレスがなくなって職を奪っていった人々は、その代わりに何もくれなかった」という話をしていたのを思い出した。その職を奪われたレースクイーンはポルノ女優かフーターズの店員になるのだろうか。
日本でもグラビアアイドルは随分減ったしなぁ。日本のAV女優がやけにかわいいAV女優が多いが、彼女たちはAKB &坂道系に領土を侵された雑誌グラビア国からの難民だと思う。
もしかしたら、「雇用」というのもこの作品のテーマなのかもしれない。私は違うと思う。
ともあれ、とにかく泣けて泣けて仕方がなかった。花粉が飛んでいたからかもしれない。『Never Enough』も泣けたが、『This is me』もたまらない。あの人類全肯定感。もはや禅の教えに近い気がする。「これでいいのだ」とか「そだねー」に次ぐ<三大肯定文句>としたい。厳密に言えば「そだねー」が「This is me」に次ぐのかもしれないけれど。
とにかく人は肯定されたくて生きている。「もっと罵ってください!」と女王様にお願いするM男くんも、厳密に言えば「もっと罵ってください!(と言うほど変態の自分を肯定してください!」ということだし。その業を肯定する女王様は現代社会における観音様だ。
今度からSMクラブの帰りには「観音様をお参りしてきた」と言おうと思う。少し粋だし。ただ、残念なことにSMクラブに行く性癖がないから、使うこともないと思う。でも、これも"This is me"だ。
1行目を書くのに「『グレイテストショー・マン』…違うな。『グレイテストマン・ショー』…もなんか。『ザ・グレート・ショーマン』…?『ザ・グレート・カブキ』…?」と正しいタイトルを思い出すまで色々考えて、結果ググって正しいタイトルを思い出した。それも"This is me"だ。
改めて読み返してみると、今回何を言いたかったのだろうか。
話があちこちに飛んでいて自分でも全くわからない。
それも"This is me"だろう。皆様におかれましては「そだねー」と思ってほしい。

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