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#181 ヤル気って大事ですか?ヤル気の誤解を考える

今日はですね、「やる気」というキーワードを取り上げてみたいなって思います。
「やる気」、結構日常使われるキーワードだと思うのですけれども、この言葉を聞いて、皆さんどんなことを連想したり想起しますかね?
職場だと、「やる気があるかないか」って割と話題になったり、ともすれば「やる気の低下」ということが問題になったりしますよね。
先週オンラインスクール育休スクラでも、メンバーとこの「やる気」についてちょっとした話題にもなったので、今日は「やる気」これって本当に大事ですか?これを取り上げてみたいなって思います。

ヤル気って大事ですか?ヤル気の誤解を考える

何から考えていこうかというところなのですけれども、いくつか着眼点をあげてみたいと思います。
そもそも「やる気」ってなんでしたっけ?
いわゆる動機みたいな言われ方をすることがありますよね。
動機が意欲でありやる気であるって感じですかね。
意欲というのは、内側から湧き起こる意欲と、あと外側から誘因される意欲があって、内側から起こる意欲がいわゆる内発的動機ですよね。
知識が身につくとか、いろんな人に出会えるとか、自分に向けて湧き出る時と、一方で、誰かの役に立てるとか、社会に貢献できるという感じで、外側に向いている動機もあると思います。くれぐれもこれはどっちが優れていて、どっちが優れていないというわけではなくて、単純な分類で多くの人がこの2つをミックスして持っているんじゃないかなって思います。
これに対して、外側から誘因される意欲というのは、年収が上がるとか、昇進できるとか、それをやらないと叱られちゃう、こんなことも外側から誘因される意欲になりますよね。
こういったものをまとめて「やる気」と総称しているのかなって思います。

次に、「やる気がある」ということと、スキルや知識がある、これってイコールではないですよね。
やる気があるかないかということと、スキルや知識や経験があるかないかはイコールではない。
ただ、割と一緒くたに受け止められちゃうケースもあるかなって思います。やる気がある、だから知識やスキルがある、みたいな感じですかね。
ただ一方で、やる気があると持っているスキルや知識をより発揮できるようになる。これは割とイコールで成り立つような気がします。

ヤル気がないから成果が出ないという思い込み

次に考えてみると、じゃあ一番大事なことは何かということですね。
やる気があること、これはあるに越したことはないけれども、やる気があること自体が一番大事かというと、実はそうじゃないですよね。
特に職場やチームにおいては。
チームにおいて一番大事なのは何かいうと、その人、もしくは自分がチームの成果に貢献できている。
こっちの方が、実はやる気があるかないかよりも大事なんですよね。
ということは、やる気があるということと、チームの成果に貢献できているということは、イコールで成り立つかというと、必ずしもイコールではないですよね。
やる気があろうがなかろうが、チームと成果に貢献できる人はできるし、やる気があっても明後日の方向にから回っちゃうと、チームの成果に貢献できないということになっちゃう。

こんなふうに考えていくと、しばしばこんな問題ってよく職場で話されませんか。
成果が出てないな。成果に貢献できていない人がいるな。そうだ、やる気がないからだ。
こんなトーンですかね。
要は、成果が出ていないことをまとめてやる気のせいにして、やる気を引き出さないといけないという議論がされちゃうケース。
これってあるあるかもしれないですけれども、これの何が問題かというと、やる気のせいだと「やる気犯人説」でまとめちゃうと、実は本当の問題に気付けなくなっちゃうことってありますよね。

やる気があるように見えないのはなぜか?というところでいくと、もしかしたら人と人との関係性かもしれないし、そもそも業務プロセス自体が非効率で、頑張ってもなかなか成果が出しにくい状況にあるのかもしれないですし、仕事のアサインの仕方に課題があって、例えば強みが活かせてないのか、経験やスキルに役割がフィットしていないのか、それとも目指すべき目標や成果が曖昧なのか、こういうこともあると思いますし、情報不足で目的が理解されてないとか、背景が伝わっていないとか、そもそも期待を感じていないみたいな情報が不足していて成果が出せないということもあると思います。
なので、やる気問題で蓋をしちゃうと、ちょっと危険な兆候が出ることもあるんじゃないかなって思います。

成果が出るからヤル気が出る

さらにもうちょっと考えていくと、いつやる気になるのか?問題ですよね。
「やる気が出るメカニズム」ですけれども、順番ってどうなってるのかな?という話ですが、やる気があるから成果が出るのか、実はそうではなくて、成果が出るからやる気になる、こっちの方が私たちの経験上も実態に即しているんじゃないかなって思います。
やる気があるから成果が出るのではなくて、成果が出せるからやる気になっていくっていうメカニズムですよね。
成果と言っちゃうと、壮大な偉業を成し遂げたみたいなイメージがあるかもしれないですけれども、もっともっと小さなことですよね。
やってみたらできたとか、昨日の自分よりもちょっと成長した感覚が持てているとか、頑張ったことが顧客や仲間の役に立てた。
こういう成果が出ることで、やる気になっていく。
こういう順番ですよね、実態は。

つれづれに話しましたけれども、私たちはこの「やる気」というものをどう考えたらいいのかな?ということを私なりに整理してみました。
若手やメンバーにやる気を出してほしいなって思う立場の仲間の声を聞くことが多いんですけれども、その場合っていうのは、「やる気そのものを引き出そうとする」これだと間違った打ち手になっちゃいそうですよね。
それよりも、「相手がチームに貢献できるようにする」こっちの方が最優先打ち手だし、効果にもつながるのかなって思います。
チームの成果に貢献できるようにするというと、まず相手を理解して、どんな価値観なのかなとか、今のスキルや経験値ってどのぐらいあるのかな?何を知っていて、何を知らないのかな?こういったことを理解して教えるということかもしれないし、きちんと役割を設計する。往々にして、何を頑張ればいいのか分からない、なぜその仕事をしているのか理解できない、こういうことって結構起こりがちなので、「これを頑張るとチームに貢献できるよ」、以前「期待役割」という放送もしましたけれども、こういったことを明確にしていって、取り組んで成果が出て、評価もされて喜ばれて、結果やる気が内側から引き出されていく。
こっちの方がチームにとっても良いし、持続性があるなって思います。
#61 リモートワークでも自律的に仕事を進められる仕組み大公開~期待役割の明確化~)

成果が出ないのはヤル気がないせいではない

この「やる気」、もし自分自身が、やる気でないなーとか、出さないといけないのにって思う当事者だったらなんですけれども、やる気を出してからやるというこの順番をちょっと変えた方がいいかもしれないですね。
チームの成果だとか、自分の役割を明確にして、そこに集中してみる
これがまず先なのかなって思います。
もちろん、それだけで解決しないケースも多々あると思うんですけれども、いろんなケースを見てみて、実は半分はここに集中できずにいろんな方に意識が分散しちゃっているケースが多いのかなって思います。
チームの成果とか自分の役割が分からないと、やっぱりモヤモヤしちゃいますし、曖昧で頑張りどころが分からなかったり、一方で期待されてないって感じちゃったり、自分なりには頑張ったんだけど、それが実は明後日の方向で頑張っても評価されなかったり、自分が活かされているとか役に立てていると思えない、こういったことが、実は下にいろいろ含まれて、結果やる気が出ない、モチベーションがあがらないということも起こりがちなのかなと思います。

ということで、今日は「やる気」というものをつれづれに考えてみる回だったんですけれども、「やる気がないから成果が出ないんだ」みたいな思い込みって、割と私自身も含めて職場の中に強固な概念としてあるような気がしますけれども、自分とメンバーのやる気を理解してうまく付き合うことができると、仕事がもしかしたらもっと楽しくなるかもしれないなと思った次第です。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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