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WOMAN Life Style & Career Interview|小池舞さん<前編>

女性の自分らしい生き方を応援するための、ライフスタイルとキャリアをテーマにしたインタビューブログ。
今回は、音で人を幸せにしたいという夢を叶えた舞さんにお話しを伺いました。音業界最大手の研究職で採用が決まり、入社後も自分がやりたいことを社内にコツコツと情報発信し、念願の研究チーム立上げにも成功しました。
第1子育休復帰後、周囲からは変わらず評価され、管理職候補として期待されていましたが、舞さん自身は両立生活に体も心も追い詰められて、心臓発作を起こしてしまいました。第二子妊娠で逃げるように産休をとることに。
第2子育休中に今までのやり方やこだわりが自分自身を追い詰めていたことに気付き、新しいスキルや知識を身につけ、今では充実した両立生活を送られています。
舞さんがどのように自分らしい生き方を見つけていったのか、ぜひご覧ください。研究チーム立上げまでの話を前編で、暗黒の両立生活から現在までの話を後編で紹介します。

舞さんの紹介

Q出身地
奈良県
Q幼少期のエピソード
挨拶が恥ずかしくて1ヵ月登園拒否(成長後、プレゼン大好き人間になる)
Q学生時代に熱中したこと
専門学校の非常勤講師(音の心理学)、白衣着用義務が嬉しかった

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音楽で人を幸せにしたいと思い高専で情報工学を専攻

ーー音楽で人を幸せにしたいという夢はどんなきっかけで持ったんですか?

小さい時から音楽があふれている家庭で育ちました。その環境もあって、音楽を聴くことも、演奏することも大好きでした。子どもながらにピアニストになるセンスはないなと感じていたので、演奏者以外で音楽に携われる道を選びたいと無意識に思っていたんだと思います。

音楽って情動に働きかけるパワーが強いんです。そこが私にとっては魅力です。例えば、テーマパークに行くと入館するところから音楽が流れていて、それだけで人をワクワクさせたり、楽しませたりすることができるんですよね。自分も音のパワーで人を幸せにしたいなと考えていました。

ーー情報工学を専攻された理由を教えてください。

私が小学生の頃、一般家庭にPCが普及してきた時代だったんです。楽器だけではなくて、PCを使って音楽や音の開発ができるんじゃないかと思い、情報工学を専攻することにしました。技術を身に付けて、音楽に携わっていこうと考えたんです。

ただ、情報工学を4年ほど学んで、クラスメイトが目指すものと自分のそれが違うことに違和感を感じ始めました。例えば、システムを工夫して、処理速度が速くなると、クラスメイトは喜んでいたんですが、私はその技術で使う人が速くなったと感じるのかがわからず、喜ぶことができませんでした。

音と心理学を学ぶため大学で心理学を専攻

ーー大学では心理学を専攻された理由を教えてください。

高専時代に抱えていたモヤモヤに共感してくれる先生が一人だけいたんです。その先生に心理学を専攻することを勧められ、自分でも音に関連した心理学を学びたいと思いました。音を聞いたときに人がどう感じるかを学び、今まで身につけた情報工学とも合わせていくことで、さらに技術を活用できると考えました。

実際に心理学を学び、モノの見方が大きく変化しました。情報工学の世界ではいかに客観的に完結に結論を導き出すかが重要とされてきましたが、心理学の世界では結果だけではなくその背景の洞察が重要とされていました。レポートをまとめるだけでも考え方が全く違いました。このころから、「工学×心理学」を組み合わせて、音を聞いたときに人がどう感じるかを数値化することができれば、音で人を幸せにすることが実現するのではないかと感じていました。

工学×心理学で音に関わる就活に大成功

ーー就職活動ではどんなことを大切にして活動されましたか?

職種は営業であったり、技術職であったり、こだわっていなかったのですが、「工学×心理学」という独自の強みを活かした仕事がしたい思っていました。音業界で最大手のメーカーから内定をもらうことができ、就活は大成功だったと思います。

内定時は営業職での採用だったのですが、「工学×心理学」の強みを直接活かせる技術職にももちろん興味がありました。入社後、技術職への転向も視野に入れていましたが、入社までに研究所に足を運び、職場見学をさせてもらったり、学会発表を見に来てほしいと研究所の方に呼びかけたりしました。そんなラブコールが研究所の上長に届き、初期配属は研究所になりました。同期はとてもびっくりしていました。

自分がやりたい研究テーマのチーム立上げに成功

ーー入社後、すぐにやりたかった研究テーマに取組みことができたんですか?

いくつか携わる仕事のうちの1つとして、自分がやりたかった「音を聞いたときに人がどう感じるかを数値化すること」をテーマにした研究に取り組む機会をもらうことはできました。ただ、当時は社内で「工学×心理学」の技術に興味を持ってくれる人がいなかったため、一人で進めており、研究の幅や奥行が広がらないと感じていました。

それでも、社内に向けて「工学×心理学」の技術の必要性を発信を続けました。そんな時、海外から帰国した先輩が興味を持ってくれたんです。先輩と二人で課外活動として研究を進めることになりました。二人になると研究の幅も深みもできましたが、それでも停滞感を感じていました。

ーー会社としてチーム立上げになるまでどんな活動をされたんですか?

まずは自分がやりたい仕事だけではなく、日々の業務も確実に実施し、成果を出しました。私は、今やるべきことをやらないと、新しくやりたいことはやれないと考えています。新しいことにチャレンジするときは、応援する側もリスクを背負うので、応援する側に「これまでこんな成果をだしてきたこの人ならきっとやってくれるだろう」と思ってもらえることって大事だと思うんです。そのために、日々の業務での信頼を積み重ねることを地道に続けました。

そして、自分が必要だと思っていること、やりたいと思っていることをコツコツと社内に向けて情報発信を続け、少しでも興味を持ってくれる人がいたら、ガッツリとアピールしていきました。日々種まきを続け、小さなチャンスを逃さないようにしていました。

そんな活動を続けているうちに、「工学×心理学」の技術の必要性に共感してくれる人が多くなり、会社としても無視できないほどの声になりました。会社として研究チームを立ち上げ、私もその一員になることができました。チーム発足後半年で産休に入ることになったので、復帰も早めにして、仕事をすることを楽しみにしていました。

ーーコツコツとした働きかけが功を奏し成功の連続だった舞さん。第一子復職後も”理想のワーママ像”を掲げ、一層仕事に邁進したものの、自分自身を追い詰めてしまった暗黒の両立生活の話<後編>もご覧ください。

舞さんが理想のワーママ像から解き放たれたきっかけの『育休スクラ』が気になる方はこちらをご覧ください。

インタビュアー自己紹介

池上朋子
育休スクラをはじめ女性のキャリアを応援するサービスのマネージャーをしています。2018年に結婚を機に浜松に移住し、NOKIOOに入社しました。2019年4月産休取得、2020年1月半育休半復帰、2020年5月フルタイムで復帰してます。1歳の息子を育てながら、子育てと仕事の両立生活を楽しんでいます。とにかく息子がかわいい。
Twitter|https://twitter.com/tomoko_ikegami