小田嶋 Alex 太輔(EDGEof INNOVATION, CEO)

事業立ち上げの専門家として、数々のスタートアップや大企業の事業部立ち上げに従事。現在は…

小田嶋 Alex 太輔(EDGEof INNOVATION, CEO)

事業立ち上げの専門家として、数々のスタートアップや大企業の事業部立ち上げに従事。現在は、株式会社EDGEof INNOVATIONのCEOとして、日本のイノベーションエコシステムの国際化に邁進、20カ国以上の政府と様々な取り組みを進めている。J-Startup推薦委員。

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

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環境技術に注力する欧州の今

欧州と日本のスタートアップエコシステムの違いに関して聞かれることが多いのですが、その際によくお伝えしているのが、欧州はClimate Tech(再生可能エネルギーなど、地球温暖化の緩和に貢献する技術を核としたスタートアップ)の存在感が日本よりはるかに大きいということです。そんな欧州の現状を象徴するかのようなデータが先日発表されました。今年の1月から3月までの資金調達額Top10です。 データ出典: ボルボ傘下のPolestarが入っていることはちょっと疑問ですが、基本的に

    • 成長のための事業売却

      前回、COMEMO復活の第一弾として投稿した「VCのための上場」という言葉の記事はそれなりの反響があり、日経新聞さんにもダイジェストを掲載して頂きました。今回も、同じスタートアップのエグジットをテーマとしつつ、上場と対となるもう一つのエグジット方法、事業売却について書いてみようと思います。 エグジット手法の話をする場合、多くは事業売却ではなくM&Aという言葉を使うのですが、M&AとはMegers and Acquisitions(合併と買収)の略語で、本来は買収する側目線の

      • 「VCのための上場」という言葉

        数年ぶりに日経COMEMOを再開させて頂くことになりました。よろしくお願いいたします! さて、復帰第一弾ということで何の話を書こうかなと考えていたのですが、ある方との打ち合わせで出てきた「VCのための上場」という言葉に思うことがあり、それについて書いてみることにしました。実はこの言葉を聞くこと自体は初めてではありません。スタートアップ界隈にいる方であれば、何度か耳にしたことはあるのではと思います。 上場というのは、スタートアップにとっては大きな目標の一つです。大きなリスク

        • 無駄な時間って大事だなという話

          Zoom会議が味気ないなぁと思うのは、会議の後の余韻が無いからなのかもしれないとふと思った。 コロナ前は、会議室での話し合いが終わってエレベーターまで見送る途中だったりとか、本筋と全く関係の無い雑談をする数分ってのがあったと思うのだけど、そういう何気ない会話こそビジネス関係無しの「人と人」として接する瞬間になっていた。会食とかまで行かなくても、そういう数分の積み重ねで、少しずつ関係性が育まれていた面がある気がする。 でもZoomになると、打ち合わせが終わって終了ボタンを押

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          学生時代に「世間」に関して書いたテキストが出てきた

          誤って消してしまった昔作ったサイトのデータを探して、古~い外付けHDDの中を漁ってたら、学生時代(2000年くらい)に書いたテキストが出てきました。世の中的には、少しずつブロードバンドが普及し始めたくらいのタイミングで、だんだんとインターネットが世界を変えていくことが、私のような普通の人にも実感できるようになってきた頃です。インターネットが普及する世界においては、日本的な「世間」という社会構造の方が、西洋的な社会構造よりも適してるよねという話。20年後に読み直してみても、あな

          学生時代に「世間」に関して書いたテキストが出てきた

          EDGEofはフェーズ2へ移行します!

          コロナインパクト非常事態宣言が解除されて、渋谷には目に見えて人が戻ってきました。夜中もやっている居酒屋もチラホラ見かけます。開業直後の閉鎖になってしまったPARCOや駅ビルとかも、そろそろオープンしそうです。こうして、徐々に日常が戻ってくるような雰囲気もありますが、残念ながら完全に元に戻ることはないように思います。少なくとも、ワクチンが開発され、それが一般にまで出回り、集団免疫を獲得するまでの2年くらいは。 ほんと、ありとあらゆる分野で大きな変化が起こっていますが、特に影響

          EDGEofはフェーズ2へ移行します!

          問われるリーダーシップの意味

          [日本経済新聞] 休業手当100%国が補助、小規模企業向け雇用調整助成金 これほどまでに「遅きに失する」という言葉が合う話があるだろうか。 国全体に向けた施策を決めるのに時間がかかるのは分かる。だから、自治体と比べて動きが遅くなるのも当然。だから、実施するのに時間がかかることはしょうが無いと思える。 しかし、今の日本政府の問題はそこじゃない。リーダーシップとは本来、どこに向かうかを決めることではないのか。どうやって向かうとか、いつまでかかるとか、そこはリーダーが勝手に決

          問われるリーダーシップの意味

          このトンネルに出口はあるのか

          最近、虚構新聞が不要になるんじゃないかと思うくらい、嘘みたいな、嘘であってほしいような本当のニュースが多い。 新型コロナウイルスの影響で「オンライン始業式」に 三重・鈴鹿市|NNNニュース 何より恐ろしいと思うのは、この写真を見て何がおかしいのか分からないという感覚の人がたぶん自分が思っている以上に多いということ。 自分は歴史が好きで、幕末についても色々と読んだりして来たけれど、このままでは日本がダメだから幕府を倒して建て直さなくてはという気持ちは、どこか他人事だった気

          このトンネルに出口はあるのか

          コロナよりインフルより怖い、メタウィルス

          どこでバズった(炎上した)のか分からないのですが、2月末に書いた「インフルエンザの方が1万倍も怖いはずなのに…みんな一回落ち着こう」という記事が未だに週2万アクセスくらいあります。ググってみると、色々なところでお叱りの言葉をお受けしているようで、コメントを拝見すると、確かに説明が足りてなかったところとか、読者の方と私の基本前提の違いを意識できていないところとかに気付かされ、改めて不特定多数に向けて情報発信する難しさを実感しました。 記事を書いてから3週間ほど経ち、その間にも

          コロナよりインフルより怖い、メタウィルス

          パンデミック宣言は、みんなが冷静さを取り戻すきっかけにすらなり得る

          ついにWHOがパンデミック宣言をしましたね。これからますます群衆ヒステリーに拍車がかかるのかと思うと暗鬱とした気持ちになってきます。 公式にパンデミックが宣言された今だからこそ提言したいのは、コロナに関しては感染しない努力を全員がするよりも、「感染したら危険な人」にだけは感染させない努力に切り替えることです。それこそが、事態を好転させるきっかけになるのではと思います。 これだけ症状が出ない人が多い病気なので、いつの間にか自分が感染している可能性は十分あります。それは逆に言

          パンデミック宣言は、みんなが冷静さを取り戻すきっかけにすらなり得る

          インフルエンザの方が1万倍も怖いはずなのに…みんな一回落ち着こう[追記あり]

          この記事は2020年2月29日に、当時の情報を元に書いたものです。現時点において、コロナとインフルエンザはそもそも比較すべきものではなく、個人への影響よりも社会全体への影響という観点においてコロナの方が深刻なダメージをもたらすことは明らかです。 自分の記事はふだん大したアクセスが無いのですが、この記事だけはいまだに相当なアクセスがあり、この内容をこのまま残すと、自体の悪化に拍車をかけてしまう恐れがあるため削除しようと思ったのですが、それでは「ここに書かれていることは間違いで

          インフルエンザの方が1万倍も怖いはずなのに…みんな一回落ち着こう[追記あり]

          リスクよりも責任を恐れる日本人:正しい失敗を許容する社会へ

          スタートアップ界隈、しかも海外と接点が多いと、「日本人はリスクを取りたがらない」という話をよく聞きます。何事にしても決めるのに時間がかかるし、革新を求める割には前例の無いことは躊躇する。確かに、他国と比べて、リスク回避の傾向が強いように見えるかもしれません。ただ私は、日本人は別にリスクを嫌う国民だとは思っていまん。むしろ、日本に住んでいる人達というのは、世界的に見てもかなりのリスクテイカーだと思います。実例をあげてみましょう。 日本人は世界トップクラスのリスクテイカーまず何

          リスクよりも責任を恐れる日本人:正しい失敗を許容する社会へ

          私はなぜAppleが好きじゃないのか

          突然ですが、私はApple製品を一切使っていません。パソコンはSurface、スマホとスマートウォッチはGalaxyで、ワイヤレスイヤホンもスマホにオマケで付いてきたGalaxy Budsです。Galaxy製品がやたら多いですが、特別Samsungが好きなわけではなく、Android陣営では一番使いやすいと思っているからです。 私も、iPhoneが日本に入ってきた時にiPhone 3GSを買い、6SくらいまではiPhoneユーザーでした。パソコンもMacbookでしたし、一

          私はなぜAppleが好きじゃないのか

          CES2020 雑感

          年初にラスベガスで開催されたCES 2020に関して、登壇をお願いされていた報告会も一通り終わったので、感じたことや今後の展望に関してまとめてみようと思います。 その前に、私のCESへの関わり方についてですが、2年連続でJ-Startupパビリオンのプロデュースチームの一員として関わらせてもらっています。 私のミッションとしては、イベント中に色々な投資家やメディアなどをパビリオンに誘導することがメインだったので、ベガスにいる間は会場を歩き回って色んな国の視察団体やメディア

          英語を学ぶべき理由、実はそうでもない理由

          ちょっと前に、日本の英語力の低さに関してFacebookで下記のような投稿したことがありました。 いつも、日本の英語力の低さは危機的と言ってますが、単にすごい低いよという意味ではなく、低すぎて「国として危機的な状況」なんですよね。しかし、英語が分からない、というか英語を遮断する人が圧倒的多数で、その人達は海外の生の情報に触れることが無い。だから、日本がどれだけ遅れ始めているか実感が沸かない。 それでも日本はコンテンツとして優れたものが「まだ」多く残っていて、熱烈なファンが

          英語を学ぶべき理由、実はそうでもない理由

          データが導く正解とは

          COMEMOの方で意見を募集しているということだったので、「データが導く『正解』を信じますか」という質問について考えてみたら、信じるとか信じないの前に、「データが導く正解って何だ?」というところで思考が深みにはまってしまいました。。。 運転を例に考えてみましょう。自動運転ではなく普通の運転です。これは、周りの車や歩行者、道の状態、天候や車のスピード、目的地までの距離、約束の時間や自分の疲れ具合などなど、ものすごい量のデータを脳が絶えず処理しながら、今すべき動き(ハンドルを切