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第7節 横浜F・マリノスvs 名古屋グランパス 2019.04.13(完全マリノス視点)

スタメンはこちら。

◼️名古屋の積極的プレス

①名古屋は2トップ+2SHで積極的プレス
 それにより2列目~最終ライン間にスペース
②絞らないSB、プレス回避のため幅を取るCB
③喜田+IHのうち、1人が最終ラインに降りる
 (降りないパターンもあり)
④喜田+IH+広瀬のうち、1~2人がライン間へ
⑤SBが幅を取る為、WGが中に入る頻度が高い
 (特に仲川)

名古屋は人数をかけた積極的プレスで、ライン間を間延びさせてでもマリノスのビルドアップを阻害する目的。昨年のマリノスが大の苦手としていた嵌め方だ。マリノスの最終ラインは、GKも含め放っておいたら平然と縦パスを入れられる能力を持っているので、当然といえば当然の対策。

「人数をかけた積極的プレスを如何にかいくぐり、名古屋がリスクを侵しているスペースを如何に使えるか」という命題に対しマリノスは、ビルドアップ時の選手配置を少し変えた。浦和戦でも見られたプレス回避のためのCB幅取りに加え、SBがあまり中に絞らない。そしてIHがアンカー~最終ラインまで降りる配置でのビルドアップ。偽SBではなくマジSB。正真正銘のマジSBは中に絞らないので名古屋SHも開き気味になり、中にボールが入りやすい。このやり方がうまくいき、マリノスはセンター経由で相手ゴールから30mのところまではボールを運べた。

◼️エントレリネアス

エントレリネアスとは、スペイン語で「ライン間」を意味する言葉だそうで、ここでのプレーが非常に重要なためスペインでは言語化されている模様。

難しいので正直よく分かっていない。三好がライン間で受けるための動きや受けてからのプレーが得意なのは何となく分かる。

積極的プレスをかいくぐり、広大なライン間で浮いた広瀬へ。
(もはやこれをライン間と表現していいのかは分からない)

名古屋の守備は、もはや4-2-4?

2列目の背後からすっとライン間に降りて受けるエントレリネアス三好。

シミッチは首振り時に天野(+仲川)の存在を確認。

縦パス警戒でエントレリネアス三好に寄せられないシミッチと、ライン間でフリーで受けられるエントレリネアス三好。良い駆け引き。

エントレリネアス三好、ライン間で浮くの図。

降りた天野→中に入りライン間で浮く渓太へ。

得点シーン。縦パス製造機(畠中)→広大なスペースで、これでもかというほど浮いているエントレリネアス三好へ。

カチコミじゃあああああ

縦パス製造機(畠中)を信じて、ライン間からチャンネル(CB-SB間)へ走り出す広瀬。

4人に囲まれ、昨年ならボールロストしているようなシーン。最終ラインに降りた天野と、絶妙なポジショニングでパスコースを確保する喜田で打開。

チアゴからライン間で浮く喜田へ。圧倒的首振りと絶妙なポジショニング、ターンやフリックを駆使し攻撃方向へボールを供給。守備でも持ち前の奪取力を発揮し、この日も攻守のターミナルとなった喜田。まるで日本一乗り入れ鉄道事業者の多い横浜駅のよう。ハマの横浜駅。

エントレリネアス三好もハマの横浜駅には負けていない。アンカーポジションへすっと降りてライン間で受ける。

縦パス製造機(畠中)が名古屋2列目のギャップを見逃さず、頭上を超えるロブパスでエントレリネアス三好にボールをお届けしたシーン。蹴れるポジショナルプレー的な?

ハマの横浜駅の圧倒的フリックで、乗り換えにかかる時間はほぼゼロ。

チアゴ→ライン間で浮くエントレリネアス三好はターンで2列目も突破。

2CB+喜田と扇原の4人でファーストプレスを打開、ライン間に張る4人(SB+IH)へのお届けを試みる。オラわくわくしてくる配置。アタッキングフットボール。

■足りなかったもの

人数をかけた積極的プレスの打開やライン間で受けるポジショニングは十分できているし、ボールを受けるときの体の向きやターンでのライン突破もできている。最終ラインから縦パスも入れられる。ウイングのスピードを活かしチャンネル(CB-SB間)を通すパスも機を見て出せている。名古屋相手に、ゴールまで残り30mのところまではボールを運べている。

モダンサッカーの教科書に「残り30mまでボールを運ぶのが監督の仕事で、あとは攻撃陣のクオリティと創造性で解決ってペップが言ってた」と書いてあった。残り30mからのクオリティと創造性の差が、名古屋のシュート数・決定機の数との差ではないかと感じた。怪我人も多い中、少し厳しいことを言うけど、最近のJリーグで優勝できるチームって多分そんなクオリティと創造性を兼ね備えているチーム。

■マリノス守備の穴

名古屋のみならず最近対戦するチームは4-4-2が多く、2トップに対しマリノスは2CB(単純に当てるならマンツー)なので、SBがスライドし相手2トップに対しCB+SBの3人で対応、相手SHに対しては主にウイングでカバーし、見た目5バックっぽくなることもある。名古屋にそのスライドの隙を突かれたシーンは少なくなかった。

松原は長谷川へスライド、左SB吉田がフリー。

名古屋がボールを戻してサイドを変える際に吉田が中に入り松原をピン留め、フリーの和泉へ→決定機。

松原がスライドしてジョーへ。その裏を仲川がカバーしきれず決定機。この先もこの辺りは狙われるかもしれない。ただ仲川は攻守ともにタスクが多く、あまり責める気にはなれない。

これは松原が釣り出された裏へ長谷川がダイアゴナルラン、ジョーと畠中がタイマンの状況を作られてしまったシーン。名古屋って良い攻めするなあと思ったシーン。

これは名古屋ってエグいなあと思ったシーン。

■最後に

我が家に眠る長谷川アーリアジャスールのユニフォームとタオルマフラーをご覧ください。

札幌戦は勝とう。

To Be Continued
(札幌戦へつづく)

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