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第29節 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ 2019.10.19(完全マリノス視点)

第29節。勝てた。嬉しい。その感想。

■マリノスの"へそ"

湘南が、最近のマリノスが苦手とする4-4-2で守備をセットしてきたにも関わらず、いつになくスムーズにアタッキングサードまでボールを運べたのは、扇原のポジショニングによるところが大きかった。

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マリノスのフォーメーションの"へそ"であり、湘南の選手配置の"間"でもある位置(2トップの間+1列目と2列目の間)に扇原がポジショニングすることにより、GK+2CBとともに菱形を形成。ここまで苦労していた所謂「2トップの背中で2CHを消す」を無効化することに成功。長短問わず高精度な配球ができる扇原が"へそ"でボールを受け、前を向けることにより、チームに様々な好循環を生む。マルコスが頻繁に降りてくる必要は無くなったし、流動的かつ効果的なポジションチェンジが復活するなど、メリットしかなかった。また、食いつきのいい湘南左サイドの10番山田の動きを利用し、松原は内へ外へと大きく動き、仲川への直通ルートを作り出す。食いつきがいい上に戻りもイマイチなので、「左に寄せて仲川へ」という展開も数多く作れた。

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扇原だけではない。湘南の選手の"間"に立ったり、SBの移動を補完する動きだったり、ハーフスペースに顔を出したりと、喜田のポジショングも絶妙で、それも選手間のポジションチェンジにいい循環を生む要因となっていた。湘南の選手の「迷い」や守備の「ギャップ」を作り出していた。こうなると縦パスも通るようになる。夏の選手大移動以前の、絶好調時のマリノスのビルドアップが戻ってきつつある。

それでいて、アタッキングフットボールの肝である「勇猛果敢→即時奪回→勇猛果敢」の無限ループを可能にする為の「ボールロスト時のフィルター役」も忘れずにしっかりとこなす喜田と扇原。なんだよ、最高かよ。最近はこの2人だけに限らず、全員から即時奪回の意識と意地が明確に感じられる。だからこそ、密集してないサイドでロストしても奪いきることができたりするんだろう。なんだよ、超最高かよ。

■仲川輝人祭り

上述のように"へそ"を作り出すことにより好循環が生まれ、仲川輝人という"質的優位"を存分に活かせたことが、今節の勝因の一つだと考える。

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この表は、仲川輝人の90分あたりのボールタッチ・ドリブル数の試合別ランキング。今シーズン最多のボールタッチ数+ドリブル数。これを見ると、今節が2019年で一番仲川輝人を活かせていた試合であろうことが予測できる。仲川輝人祭りである。

そんな仲川輝人による先制点は、「今作のウイイレはこのへんからコンカ打てば入るよ」と言わんばかりの、まるでサッカーゲームのような論理的なゴールであり、もはや既視感しかない位置から狙ったシュートだ。これはもう「テルピエロゾーン」と呼んでしまっても差し支えないだろう。

This is 質的優位。
攻守に欠かせないこの男の軽傷は、まさに不幸中の幸いだ。

■13人目の選手

今のマリノスにとってのコーナーキックは、セットプレーではなくオンプレーの延長線上。早いリスタートができるにこしたことはない。その早いリスタートを手助けしたのが、今節のボールボーイの皆さん方だ。初っ端のコーナーキックの時こそ、エリキに急かされ慌ててボールを渡したものの、その後のボールボーイの皆さん方の機敏さには目を見張るものがあった。37分50秒あたりでは、湘南に(ゴールキックではないかという)抗議の隙すら与えなかった。こういう類の"圧"を相手に与えることができたのは大きい。当然フェアな範囲で、ホームならではの"圧"はどんどんかけていきたい。ボールボーイの皆さん方、本当にありがとう。

■最後に

ゆうしょうしたい


To Be Continued
(松本戦へつづく)



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