第18節 横浜F・マリノスvs大分トリニータ 2019.07.06(完全マリノス視点)

◼️ボール保持(前半)

大分はボール非保持5-3-2。基本的には前回対戦時と同じで、手薄な2列目は横スライドとWBの上がりで対応。

ゾーン3では、浮いたマリノスの中盤に対してはHVが上がるなどの対応も可能だが、ゾーン1〜2では32番前田が1人で2ボランチを監視せざるを得ない噛み合わせ。ビルドアップ時に喜田or天野がCB間に降りたり、(3バック化している状態で)マルコスがボランチの位置に降りると、32番前田も付いてくる。そうすると、マリノスは2ボランチなので片方のボランチが当然浮く。32番前田の両脇2人はSBに付く意識強め。

4-1-2-3で挑み(今回は4-2-1-3)、大分の横スライド+WBの上がりによりサイドで糞詰まっていた前回対戦時とは違い、アタッキングサードまでボールを運ぶことが比較的容易。糞詰まっても無理にショートパスを繋がず、裏を狙うロングパスを出すのも前回対戦時との違いか。これはWBに裏抜けを意識させ、最終ラインにピン留めする撒き餌効果もあったかと思う。

完璧に崩せたのは29分。
・喜田降り3バック化
・偽SBに釣り出されているHV
・マルコスがボランチの位置へ降りる
・32番前田を釣り出す
・大分を強制的に5-2-3化させる
・渓太を使いWBを釣り出す
・ティーラトンはWB裏へダイアゴナルラン
・HVはティーラトンに付いていく
・天野はガラ空きのハーフスペースへ侵入
・HVはターゲットを天野に変更
・ガラ空きのティーラトンへ

心の底から震えた。決まっていたら間違いなく今シーズンのベストゴール。今のマリノスはこれができる。

◼️ネガトラ(前半)

大分は広瀬の裏を狙うため左WBを使おうとするが、仲川の被カウンターを意識した素晴らしい守備と、和田ロールをそつなくこなし新境地を開いた広瀬rev1により幾度となく奪回に成功。WBは裏抜けを意識して最終ラインにピン留めされている為、トランジションの局面でフィジカル的にもポジショニング的にも仲川に勝てない、という要因もあったかもしれない。中央ではハマのガットゥーゾ(喜田)が何度もボールを奪取。今節も美しい喜田ターンを披露し、攻撃面でもハブとして機能している喜田は、最も替えが効かない選手の1人。

◼️ボール非保持(前半)

大分CBがボールを持つ・ショートパスで前方に運ぶことを許さない積極的プレス。第1プレスラインに人数をかけ、ハイラインでスペースを縦圧縮。最終ライン背後のスペースはパギrev1がカバーリング。飯倉チャレンジにならない絶妙なタイミングと距離感。相当練習したのでは?陣形も変幻自在。4-2-1-3、4-4-2、4-4-1-1、ときには4-1-4-1。相手の出方に合わせて臨機応変に動き、フレキシブルにプレスをかける。

◼️後半開始

32番前田の守備タスクを減らすためか、オナイウを0.5列下げて大分のボール非保持は5-3-1-1。ただしそうなるとマリノスのビルドアップ隊にプレッシャーがかからず、大分はCH3人でピッチの横幅をカバーしている状況は変わらないので、隙間を縦パスが通り抜ける。

◼️そして先制へ...

ここでマルコスに変え、己のタスクがワカッティングなエントレリネアス三好投入。高精度の縦パスが、ライン間で浮く三好めがけてズバズバ通る。大分はたまらずオナイウをサイドに下げ5-4-1に。しかし、オナイウのポジショニングが中途半端な為、サイドを有効的に使える。内に絞ってライン間で浮いている仲川に縦パスが通ったりと、このシステム変更でも大分の状況は大きく改善せず。そうこうしているうちに、エジガルが気合でゴールにボールをねじ込み先制。(本音を言うと、いつものエジガルならもっと早い段階で2点くらいは決められたよね?)

◼️締め

大分は行くしかないので3トップに。しかしここで、和田ロールを難なくこなす広瀬残しの3バックに対して、大分3トップがつけばアンカーポジションで誰かが浮いてしまう問題が再び浮上する。さすがにこの時間になると、前半ほどの横スライドの鋭さもなく、2列目脇も使える。マリノスは引き続き、天野の鋭いアーリークロスや絶妙なロブでチャンスを創出し続ける。そして危なげなく試合は終了。

◼️感想

これぞポジショナルプレー 。相手を能動的に動かすことができ、前回対戦からわずか4ヶ月で上回られた相手を上回ることができた。天野が抜け、扇原が怪我でどうなるかは分からないが、今のスカッドだと4-2-1-3がベストなのかもしれない。


To Be Continued
(浦和戦へつづく)

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