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点火タイミングの設定方法

 点火タイミング(点火時期)というワードをご存じだろうか?本日はあまり理解されていない点火タイミングとその設定方法を解説しようと思う。

 内燃機関におけるガソリンエンジンは燃焼室で圧縮された混合気(霧状のガソリンと空気)を燃焼させて動力を得るものである。この混合気を燃焼させる際にスパークプラグに火花を飛ばせて点火し燃焼が始まる。点火タイミング(点火時期)とはその名の通り、どのタイミングで点火するかということで、点火するタイミングは4サイクルガソリンエンジンの4サイクル(4行程)のうちの圧縮工程である。

 圧縮工程はピストンが上昇することにより燃焼室内の混合気が圧縮されていき、その圧力はピストン上死点(Top Dead Center)で最大となる。理想は圧力MAXのTDCで点火し瞬時に燃焼が完了することだが、実際は燃焼完了まである一定の時間を要するためTDCで点火することはない。燃焼室中央付近に設置されたスパークプラグで点火し燃焼が始まる。その点火源からまだ燃焼が始まっていない混合気(未燃混合気)に火炎伝播することで燃焼が進行し末端混合気まで燃焼して完了する。この一連の流れには一定の時間を要するため、エンジンの燃焼効率を最大化させるためにTDCよりも早いタイミングで点火する必要がある。そのタイミングを表す単位に角度(°)を用い、その角度はクランクシャフトの位置を表す。”点火タイミングはBTDC20°”などとよく見かけると思うが、クランクシャフトの角度にして上死点前(Before Top Dead Center)から20°の位置という意味である。

 燃焼完了に要する時間を見越して早いタイミングで点火する点火タイミングはそのエンジン特性や運転条件などにより異なり、メイカーによってクランクシャフトやエンジンプーリーなどに点火タイミング設定用の印が設けてあり、それを元に点火タイミングを設定する。

 ハーレーダビッドソンの場合はフライホイールに点火タイミングやTDCのマークが施されクランクケースに設けられたビューホールからそれを確認する。

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