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折れたボルトの摘出 完結編

 敢え無くプランBに移ることになったのだが、そもそもこのキャリパーが使い物になるかまずその判断が先だろう。今までのプランAはちょっとやって取れたらラッキーという程度のもの。プランBは時間を要するし後戻りはできない、それなら先にやることがあるというわけだ。それはピストンとボディの状態の確認だ。

 通常、キャリパーピストンを抜くときにはブレーキフルード通路にエアガンで圧縮空気を送り押し出すのだが、長期間放置されたそれはびくともしない。ブリーダーボルトの固着具合を踏まえてピストンが再使用できるものではないだろうと判断しそれを抜く方法を考える。

 ピストンの形状を踏まえるとこの方法が有効だと考え、治具、プーラーを作る。そしてピストンの中心に穴を開けねじを切りボルトを入れる。この時使ったボルトサイズは1/2-20。門型のプーラーを介してボルトを締め込んでいけばピストンが持ち上がってくるはずだ。キャリパー全体を暖めピストン周辺にラスペネをふんだんに吹きかけボルトを締め込んでいく。しかしなかなかピストンが動かない、かなり強固に固着しているようだ。だめなら次のプランだと思いピストンのスレッドが飛ぶのが先か、ピストンが動くのが先か、とにかく締め込んでいく。それでも動かない。ならばと、かなりのトルクが掛かったところで手を止め放置してみることに。それから暫くしてボルトを触るとさらに締め込むことができた。つまりピストンが動いたというわけだ。

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