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【コラム】群れない群れ達

□ダンスのこれからには興味はない

ダンスがもっと日本でも文化として根付く為に何が出来るか?よりも、ダンスを続けて来た僕が今社会にどう根付くか?が大切。

25年ほどダンスを続けて来た中で、日本でダンスってのはやはり難しいのかなぁと思った事が幾度となくあった。
まぁだったら海外に行けばよいし、色々な事情で日本にいるのか、そもそもやはり日本が好きなのか人それぞれだと思うが、どちらにしても日本にいて日本で踊っているならば嘆いている暇はない。

たまたま僕の場合、ダンスを続けて来た僕がどのように社会にマッチするかに興味があり、そんな事を考えながら公演活動や、ワークショップ、時にはMCなんかをやっている。

公演の場合はやはりその時、その場に来て頂かなくてはいけないのでハードルは上がるのだが、そのハードルを下げる為に出来る事もいくつかある。

□劇場以外の場所に行き踊ってみる。
□丁寧に公演の説明をしてみる。
□映像で不特定多数の方に語りかけてみる。
□踊りを踊っていない友達に意見を聞いてみる。
□そもそもの公演期間を伸ばしてみる。

などなど色々やるし、もちろん苦でもない。
しかしどんな事より一番大切な事は、「この人なにやってるかわからないが、面白い人なんだ」と思ってもらう事なんですね。
公演が面白い。踊りが面白い。の前にこの人が面白い、
その面白い人がやっている公演を観に行く。
踊りを観に行く。
そこからがスタートである。

□身軽な瞬発力

やりたいと事も、やった方が良い事もまずは動いてみる事が大切だと思います。だから動きにくくなる組織や、誰かの何かを待たなくては進まない状況は好ましくない。

僕を面白がって下さる方が増えてくると、自分でも想像も出来ないオファーが来る事がある。
そんな案件に取り組んでいるうちに、またまたやりたい企画が出てくるもので、踊らないワークショップ。踊らない独演会。2ヶ月間、週に1度オリジナルの落語風脚本を家の近所のスペースで上演してみたり。
けして踊る事が嫌いな訳ではなく、僕の身体から踊りがなくなるはずもなく。だから安心してなんでも出来る。

そうしていると明かに出会う人達が変わってくる。出会う人が増える事で、自分はこの社会で何処にいて、何処に向かっているのかが見えてくることが多い。
自分の位置がわかってくると、今の活動をどんな風にデコレートして語りかけたら良いのかを考えやすくなり、ふりむいてくれる人が増えてくる事を感じられる。

□辛くならない活動

多くの人が興味を持ってくれる事を探すのではなく、自分が興味を持ち続けられる活動を、どのように多くの方の興味を惹き付ける事が出来るかの方法を探す事。


多くの人が求めている事を探して取り組んでみようとすると、それが本当に自分のやりたい事でないことがほとんど、技術的に自分に向いていない事もあるだろう。そんなストレスを抱えるよりは、自分がやりたい事、頑張れる事をどう説明するかを考え、戦略を練る作業にエネルギーを使う方が健康的である。

健康的な事はとにかく無理なく続ける事が出来る、結局ずっとやっている事がなにより強いのだ。
飽きない、やめない、辛くない。これが僕にとってはたまたまダンスであり、踊りであり、公演なのだから、みなさんいかがですか?こんな僕がこんな事やってますよ!を人により、場所により伝え方を変えて試行錯誤する事も楽しむ事が出来るのだ。

□救助を待たず、歩いて支援を待つ

アクションを起こす為に助けが必要だと言う暇に、アクションを起こしてみる。自力で全く出来ない事は助けられても結局出来ない。

まずは自分で歩いてみると、何処まで歩けるかがわかる。
大抵の場合寝て起きるとまた歩けるのだから、また先に歩けばよい。そのうち一緒に歩いてくれる人がパラパラ出て来て、少し楽しく歩けるようになり、気付けば1日で歩ける距離が増えたりするもんです。

長い距離を歩けるようになると、一人でそんなに歩けるのなら、ちょっと背中を押してさしあげるんでもう少し歩いてみませんか?と言ってくださる方が出てくる時がある。

背中をおしてくれ、手を引いてくれと騒ぐよりは、自分で歩いていながから出会う素敵なサポートにしっかり感謝して、並歩して頂く事で自分を見失わず、ちょっと贅沢な景色を見ながら愉快に進む事が出来る。昨日の自分から見ると「ちょっと贅沢な景色」は数年前の自分では想像のつかない「絶景」だったりするのは、楽しいものです。

□群れない群れ

たまたまダンスをやっているという共通項がある
だけであり、人それぞれ考えも目的も違う個人。
なので無理やり一緒に何かを盛り上げる意識は必要ない。

みんなでダンスの未来の為に歩こう!
というよりは、それぞれが自分の思うもの大切にして、それぞれが道を進む事が結局はダンスの未来に繋がるのかもしれない。
しかしそれは僕たちが意識するよりは、衛星から我々が歩く姿を見てくれているような方々が、あれはダンスの未来への道だ!とでも言って下されば良い事で、独自の道で、時には驚いて、時には喜んで、しっかりと落ち込んで、そんな僕たちの様を観ようと、今日も劇場に足を運んで下さる方がいる事はとても喜ばしく、誇るべき事なのだと思う。

高校生の僕に母が、とにかく学生服を来て友達とつるむな!
それは外から見ると「高校生達」と認識されるだけで、「熊谷拓明」ではなくなるからとても格好の悪いことなんだ、だからつるむな!
という極端な事を言っていたことを思い出す今日この頃です。

ダンス劇作家
熊谷拓明

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