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スパニッシュチェア/ボーエモーエンセン(Borge Mogensen)/フレデリシア(Fredericia)

ボーエモーエンセンがスペインを旅した時に闘牛士が乗っている馬をみて暴れ牛の角から身を守るあの強靭な革の鎧に衝撃を受け、美術館に展示されていた王室の椅子を「あの革の鎧で仕立ててみたい」こんな発想から生まれたスパニッシュチェア、彼の好物だった葉巻とウイスキーが楽しめるようにと両腕をサイドテーブルのようにしつらえた。こんなストーリーを聞いただけでダンディーな男は魅了されるだろう。
大判で分厚くキズの無い上質な革は3000枚の中から10枚ほどしか取れないプレミアム素材、お値段の理由はここにもある。あのエルメスやルイヴィトンだって入手をためらう革、まさに大人の男のための椅子。
昭和40年生まれの僕もこの年齢になってやっとこの椅子の魅力がわかるようになった。今僕が一番おすすめするダディーズチェア。lastには僕が3か月ほど試したスパニッシュチェアが展示されている。アームの木も革も座った瞬間から生活の痕跡が刻まれて行く、またそれがたまらないのです。朽ちて行くのではなく育つのです。
3か月ほど座った感想です。まずはコンパクトで仮に3人掛けのソファにL字で合わせても圧迫感がない。シートの高さも低めでドカッと座っても僕の大きな尻と100kg近い体重をすんなりと受け止めてくれる。「ギュギュっと」強靭な革がきしむ音!ウレタンの「ふかっと」した椅子では無く板座の硬い椅子とも違う絶妙な座り心地。ひじ掛けもたっぷりとしているので立ち上がりも楽。まさにいつまでも座っていたくなる父の椅子。飲めないけどウイスキーグラスを片手にクラシック音楽に浸りたくなる。

幅の大きなアームは葉巻とウィスキーを楽しむため
ステッチがきれい!まるで馬の鞍のよう
おそらく僕が「生涯選びたい椅子」ベスト3に入る


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