まごっと

長野県在住。発達障害(自閉症スペクトラム/アスペルガー症候群)当事者の女性です。診断済…

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長野県在住。発達障害(自閉症スペクトラム/アスペルガー症候群)当事者の女性です。診断済み。考えること、理解すること、説明することが好きです。

マガジン

  • 定型発達-発達障害者から見た「普通の」人たち

    発達障害 ( ASD/アスペルガー )当事者から見た普通の人達( 定型発達 )の不思議な特徴とその理由について書いていきます。随時追加。

  • 60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む

    ギリシャ以外は行きたい国がなくて60代になるまで海外旅行未経験だった私(ASD当事者)が、2週間のトルコ遺跡巡りツアーに参加した記録です。

  • 自分史のためのメモ-60代ASD女性の記憶と記録

    昭和30年代生まれで、40才代終わりに発達障害(ASD)の診断を受けた私。思えば色々な体験をしてきました。 折角なので自分史にまとめたいと思い、まずは思い出したことを順不同でnoteに書き出すことにしました。メモなので内容は正確ではありません。更新不定期。 地名・人名は仮称、年月日はずれていることがあります。

  • TRPGと発達障害

    TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)と発達障害との関わり、可能性について考えていきます。

  • 私と息子の発達障害

    この文章は2018年前半にある団体の会報に3回にわたって寄稿したものです。 自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の私とADHD・LDの息子の話です。

最近の記事

古代ギリシャを学んで江戸後期地方史に取り組むわけ

古代ギリシャ ギリシャ神話・古代ギリシャへの興味・関心は長い事持ってきたが、この10年ほど、NHKカルチャーセンターで藤村シシン先生の各種講座を受講して、改めて歴史を学ぶ面白さを感じるようになった。 学生時代までの「西洋史の源」という一元的な解釈から、より複雑で驚くほど魅力的、そして時に容赦のない残酷さにも目を向ける現代の解釈へと、古代ギリシャを見る眼がどんどん深まり広がっていく面白さ。 いつも次の講座が楽しみで仕方がない。 「受容史」という新たな視点 その中で、今

    • 2023年の私的ベストテン

      今年もあと1週間なので、今年起きた個人的なことを10個あげてみようと思う。こんなことを思う年は珍しい。それだけ今年は、つらいことが少なかったのかもしれない。 1.トルコ旅行 まずは人生初の海外旅行でトルコに2週間行ってきたことだろう。 この顛末はマガジン「60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む」にまとめてある。「初の海外でトルコ2週間ツアー」というのはそもそも珍しいことだし、私の人生にとっても大きな意味のある旅行だった。 2.コロナ感染 トルコ旅行前に7回目のワクチン

      • 2回の旅行と2回の発熱

        トルコ旅行 2023年9月22日~10月5日、2週間の日程でトルコツアーに参加した。私の初海外旅行であり、しかも遺跡見学を主としたハードなもので、途中の日程をいくつも飛ばして休みながら、何とか最後まで参加することができた。 正直、羽田に着いたときは疲労困憊していた。 帰国後のコロナ 帰国後2日目の夜、私は38.5℃の熱を出した。朝まで37~39度台を行ったり来たりしたので、まずは家族にコロナの抗体検査キットを買ってきてもらったが、陰性だった。 しかし熱が下がらず(翌日

        • 「定型発達」第20回-「定型発達」は無意識に団体行動ができる

          こちらのマガジンの記事は久々になります。いろいろ変わってしまっていると思いますが、ご容赦ください。 トルコツアーに参加して 別の記事(引用)に書いたように、初めての海外旅行(トルコ)で感じたたくさんのことの一つが「自分が団体行動に向いていない」ということでした。 その理由のいくつかはASD由来で、努力では解決が困難と思われました。 ツアーの一員としての行動 では、(定型発達と思われる)ほかの人たちはなぜスムーズに団体として行動できるのでしょう。 今回の参加者は一つのグ

        古代ギリシャを学んで江戸後期地方史に取り組むわけ

        マガジン

        • 定型発達-発達障害者から見た「普通の」人たち
          20本
        • 60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む
          24本
        • 自分史のためのメモ-60代ASD女性の記憶と記録
          8本
        • TRPGと発達障害
          9本
        • 私と息子の発達障害
          7本
        • 発達障害-当事者としての解説と皆さんへのお願い(講演資料)
          10本

        記事

          トルコ旅行で知った「ギリシャ語」と「キリスト教」の関係

          ギリシャ語への疑問 古代ギリシャのことを知っていく中で、ずっと気にかかっていたことがあった。 古典(古代)ギリシャ語と現代ギリシャ語はそれほど大きく違わないと思う。でも、中世には「ギリシャ」という国はなかったし「ギリシャ人」もいなかった。 古代ギリシャは衰えてローマ帝国の一部となり、人々は「ローマ人」を名乗るようになった。近代ギリシャがオスマン・トルコから独立するのは19世紀初め。その間、「ギリシャ語を話すギリシャ人」はいなかったはずだ。 だれがどのような理由で、この言

          トルコ旅行で知った「ギリシャ語」と「キリスト教」の関係

          「団体行動の困難さ」に関するASDとしての考察

          トルコツアーに参加して これまでも私は団体行動が苦手だと感じていたが、トルコの遺跡を巡るツアーに参加して、つくづく「私は団体旅行に向いていない」と感じた。 私が迷子にならなかったのは、ひとえに親切な参加者の皆さんとガイドさんの助けによるものだ。 これまでの団体旅行 今まで複数(3人以上)で旅行したことがないわけではない。 そういう時、私はたいてい企画者であったりツアーコンダクター的な役割を自ら引き受けていることが多かった。事前に下調べをし、スケジュールを作り、皆を引っ

          「団体行動の困難さ」に関するASDとしての考察

          トルコ旅行で思ったこと

          足りないものだらけでも 2週間の旅行中、帰国後に感じたことはいろいろある。 その中でも多分最大のものは 「私にはいろいろと足りないものがある。体力、手際の良さ、判断力、英語力…。それでも、(周りに助けられて)何とかなった」という気持ち。 開き直りと言ってもいい。自分が不十分であること、みっともないことを認めて、それでも「もうダメだ」と思わない。 無理をしない。体が休みを欲していたら休む。 よく言えば自己肯定感が上がった。これが最大の収穫。 実際に行くことのよさ

          トルコ旅行で思ったこと

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(20)旅の終わり

          イスタンブール空港 イスタンブール空港は中心街からバスで1時間ほど。 東西を結ぶ実に巨大な空港である。 運転手さんとはここでお別れ。チップを渡したかったが、どうしたらいいかわからなかった。 着いたはいいが、私たちの乗る便はまだ表示されてすらいない。 そしてもちろんのことだが、日本語表示がない。 出国手続きなどなど とにかくスーツケースを預け、税関等の手続きを進める。自分が何に並んでいるのか、並んだ先で何をしなければいけないのか、疲れ切った頭では十分理解ができない。 機

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(20)旅の終わり

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(19)イスタンブール2

          小さな「大聖堂」 最終日の午前中をバスの中で過ごした私に、「ここはぜひ見ておきなさい」と先生が勧めてくださったのが、聖ゲオルギオス大聖堂。 ここはいわゆる「ギリシャ正教」の総本山のようなところだそうだ。 東ローマ帝国の首都コンスタンチノープル(=イスタンブール)に(ギリシャ)正教会の総本山が置かれて長く栄えたのち、この都市はオスマン・トルコの首都となった。 だが、オスマン・トルコはイスラム教を強制せず、正教会はこの地に総本山を置き続けた。規模は小さくなったが、いまだに各

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(19)イスタンブール2

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(18)イスタンブール1

          イスタンブールへ トルコ到着から11日目、10月3日にイスタンブールへ戻ってきた。到着した時は夜明け前で、外を見る暇もなくアンカラへと乗り継いでしまったが、上空から見た夜景の壮麗さは目に焼き付いている。 イスタンブールはマルマラ海と黒海をつなぐボスポラス海峡の東西に広がっている。かつてのトロイアよりもずっと強固な海峡の要塞であると同時に、アジア大陸とヨーロッパ大陸をつなぐ交通の要所でもある。 二千年の都 ギリシャの植民市ビザンティオン(ビザンチウム)として建設されたこ

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(18)イスタンブール1

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(17)トロイアからイスタンブールへ

          門前の吟唱 トロイア遺跡には閉門時間があった。なかったらずっといたかったがもちろんそうはいかない。 そそくさと門を出たところで、吟遊詩人のSさんが「イリアス」の第1歌冒頭部に自作の曲をつけたものを歌ってくださった。本来なら遺跡内で、との思いは歌い手も聞き手もともに持っていたであろう。 旋律だけが夕暮れの中を流れていく。リズムはもちろん長短短をつなげていく英雄六脚律。ああ、だれか太鼓を持っていればいいのに、と思った。(もちろん本来は竪琴での弾き語りということだが、竪琴を空輸

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(17)トロイアからイスタンブールへ

          遺跡の村でふと思ったこと

          トルコ旅行中、たくさんの遺跡を見学した。観光地化しているところ、していないところ、さまざまだった。 その中で一つ、印象的だった場所がある。 このタイトル画像はアッソス遺跡のものだが、本当にここだったかどうか、記憶ははっきりしない。とにかく石畳の坂道が遺跡に向かって続いていて、その両側には家が並んでいた。 そして、暑い中、道端に露店を出している人たちがたくさんいた。 上るのに必死な私はどの店をのぞく余裕もなく、目の隅に入るものを眺める。 スカーフ、バッジ、ミニチュアの彫像

          遺跡の村でふと思ったこと

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(16)トロイア2

          トロイア遺跡 博物館からまっすぐ道を進んだ先にトロイア遺跡がある。 トロイアは紀元前3000年頃から紀元前12世紀ごろとされる「トロイア戦争」を経てローマ時代に至るまで、ずっと破壊されては再建されてきた都市だ。 ここには美しい円柱もなく神殿もない。ただただ、頑丈な城壁のみが残っている。 鋸歯状垂直オフセット この舌を噛みそうな言葉は、このトロイア遺跡の城壁の特徴で、映画「トロイ」でも描かれている。これはギリシャのミケーネ文明の技術で、紀元前18世紀から13,4世紀の

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(16)トロイア2

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(15)トロイア1

          昼食とランチョンマット そんなわけでトロイア遺跡近くのレストランで昼食を取ったの時には14時を回っていた。まあ、このツアーで昼食が遅くなるのは珍しくはないが、心はトロイアへと奔っている。 紙のランチョンマットが素敵な絵柄だったので、汚さないうちにと引き抜こうとしていたら、お店の方が新しいものをくれた。(撮影は後日自宅で) 昼食を取りながらランチョンマットの図柄について周りの人たちと話す。もうそれだけで楽しい。 トロイア博物館 この博物館は2018年にできたばかりで

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(15)トロイア1

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(14)野鼠神アポロン

          アッソスの宿 アッソス遺跡を見学した後、バスはさらに狭い道を下った。もうバスは通れないので、宿からの迎えの(6人乗りの山坂に強そうな)車に分乗するよう言われた。 どんなすごいところに連れていかれるのかと思ったが、海辺には何件かのホテルが並んで、閑静なリゾート地といった感じのところだった。 ホテル中央は吹き抜けで、車輪型のシャンデリアを下げ、壁にはケンタウルスとの戦闘のレリーフ、部屋の絵もアッソスの城壁を描いたものだった。 ホテルのテラスは海岸に張り出していて、食事はそ

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(14)野鼠神アポロン

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(13)アッソス

          イダの山裾 ベルガマに連泊した後、さらに160㎞北のアッソス遺跡へと向かう。 山が緑になってきている。乾燥した季節も終わりが近いのか、降水量の多い地域に入って来たのか、トルコの地理や気候に無知な私にはわからない。 一つだけわかっているのは、もうこの辺りはホメロスの「イリアス」に詠われた「イダ(イデ)の山裾」であるということ。 トロイアを攻めるギリシャ(アカイア)勢をに恐慌を引き起こす雷が、この山並みを覆う雲から落ちたのだ。 アッソスのアテナ神殿 私はこのアッソスと

          60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(13)アッソス