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消えゆく百貨店の屋上遊園地だが、やれることはまだまだあるはず。

こんにちは
イデアレコードの左川です。

朝日新聞DIGITALに『消えゆくデパートの屋上遊園地 「集客装置」今では全国で5カ所に』という記事があった。先日ちょうど夫馬信一さんの「百貨店の戦後史 全国老舗デパートの黄金時代」を読んだこともあって、興味をそそられた。
※記事の詳細については下記のリンクを見てもらえれば幸いである。

全国で「屋上遊園地」が残る百貨店は「松坂屋 高槻店」「松坂屋 名古屋店」「大和 香林坊店」「いよてつ高島屋」「浜屋百貨店」の5店舗だけだそうだ。ちょうど墓参りで石川県にいたということもあり、「大和 香林坊店」へ行ってみることにした。


「大和 香林坊店」の様子

まず訪れたのは月曜日の午後ということもあってか、百貨店自体に人が少ないのが印象的であった。食事を済ませてから屋上に行ってみたが、人がいない。いや、まったくいないというわけではないのだが、奥のベンチでおしゃべりをしている老人とスタッフを除くと自分たちだけであった。

汽車は止まったままであった
カートも止まったままであった
全体的に哀しげな雰囲気がある
憧れのパンダに初めて乗れた
わたあめマシンとか懐かしい機械がたくさん

「大和 香林坊店」へ行って考えたこと

この手の遊び場は「井の頭自然文化園」にもあったりするが、それなりに子供がたくさん遊んでいる。百貨店自体に人が少ないので、必然的に屋上遊園地もガラガラとなっている。記事では松坂屋高槻店の屋上遊園地「スカイランド」では土曜日で10組以上の子ども連れの姿があったというが、平日はそんなものなのかもしれない。だが、同時に「大和 香林坊店」に土日でもそれだけの人が来るとは到底思えないのも事実である。

子供が少ない原因を考えてみると

  • 遊び場が増えた今、わざわざ百貨店の屋上にまで足を運ぶモチベーションがない。

  • 百貨店自体に客が減っており、特に小さな子供が訪れる機会自体が減っている。

  • 「屋上遊園地」に設置されている遊具自体が古くなってしまっており、本当に小さい子供しか楽しめなくなってきている。

といった感じではないだろうか。

だが、スタッフは常時待機しており、「お金を入れたけど遊具が動かない」といった相談も丁寧に対応してくれるのは百貨店ならではのサービスレベルだと思う。うちの娘も来たら楽しく遊びまわってはいるので、集客の課題が大きいだろう。そんなわけで自分が販促担当者だったら、下記のような企画をやってみたいと考えたりする。

時間制の遊び放題にする
1ゲーム100円or200円という同じ土俵で他と戦うのではなく、いっそのこと遊び放題にした方がファンが増えると思う。特に近隣のファミリー世帯を囲えるはず。

託児所 兼 遊園地にする
百貨店でゆっくり買い物をしたい親御さんは多いはず。であれば、子供を面倒みてくれる託児所があって、遊園地付であれば子供も喜んで行くだろう。百貨店での売り上げも上がって一石二鳥になるかもしれない。

こども食堂 兼 遊園地にする
屋上はビヤホールやBBQなどの飲食スペースにしてしまう百貨店が多いが、子供向けという軸を変えないのであれば、こども食堂がぴったりである。直接的な売上にはつながりにくいが、多くのファミリー世帯とのエンゲージメントは高まるはず。

何もしないと屋上遊園地はそのまま消えていってしまうだろう。
だが、きっと生き残る術はあるはず。

遊具から流れるアンパンマンマーチを聴きながら、そんなことを考えた次第である。


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