【怒りの感情に囚われた人の行動】

X(旧Twitter)にこんなつぶやきがあった。

夫が「俺はもう怒らない。だから怒らせるような事はするな」と娘へ言ったので「何を言ってんの。夫の気持ちの問題なのになんで人のせいにしてるん」と笑ったら夫が「なんやねん」と言った。
その反応が意外だったので「えっ?もしかして本気で怒らせる周りが悪いと思ってるん?夫の心の問題なのに?もし、今でもそう考えてるなら今後が不安でしかない。本気?」と本気で心配したら夫が黙った。
夫がどう考えてるのかわからない。
一時的に昔の考え方が出てきてしまった可能性の方が高いとは思ってる。
まぁ、様子見だな。

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 「怒らせるような事はするな」という考えについて、投稿者の言ってた「自分の心の問題」という言葉にすべてが集約されていると思う。
ただ、この夫さんのようなタイプは「自分の心の問題」と言われても、心との向き合い方が上手くなかったと仮定した場合は、自分で対処することは難しいことなのかもしれない。
 自分の心の対処法について、
 誰にも教えてもらえなかったのかもしれない。
 誰にもフォローされてこなかったのかもしれない。

「心の問題」

つまり今回でいうと【怒りの感情】についてもう少し解像度を上げて伝えてあげると、”怒らせる周りが悪い”と考えてしまう負の連鎖が引き起こす思考回路(認知の歪み)にならずに済むかもしれない。
 【怒りの感情】がなぜ起きるのか、考え方というか心との向き合い方を変えるだけで、負の連鎖は避けられる。
自分の中に出てきた【怒りの感情】について、心との向き合い方と、感情の伝え方を間違えると問題は解決しない。

【怒り】は自分の心身を守る大切な感情。


【怒り】を適切に扱えないと、自分も周りも傷つけることになる。
20年あまり非行や発達課題、様々な事情を抱えたこども達や保護者、先生と関わって見えてきた【怒りの感情】に囚われてしまう人の2つの共通点と、もったいない対処法について思うことがある。

【怒りの感情に囚われた人の行動】

怒りの感情処理を他者に求める人について解像度を上げてみてみると、「やっていること」と「やっていないこと」はこんな感じ。
 ①「やっていること」☞怒りの感情をそのまま伝える
  怒っていることを、相手に伝わると思っている自分のやりやすい
  最大限の方法で伝える
 具体的に挙げると
   ・怒鳴る
   ・暴言を吐く
   ・殴る
   ・叩く
   ・物に当たる
   ・物を投げる     
   ・無視する
   ・威圧的な態度をとる 
   ・暴れる
   ・泣き叫ぶ等

 ②「やっていないこと」☞怒りが起こる前の”一次感情”へのフォロー
   先に記したとおり、怒りは自身を守る大切な感情だ。
   自分にとって理想とする姿や現実、思いからかけ離れたことをされたり言われたり目の当たりにすることで自分の心が傷ついたとき、人は自分の心身を守るために【怒り】という感情が出てくる。
その怒りが強ければ強いほど、その人の中での傷つき(不安、不快、恐怖、悔しさ、悲しみなど…)が大きかったと言えるのだろう。
【怒り】はその傷つきから生まれた二次感情に過ぎない。
だから、二次感情である【怒りの感情】を伝えるだけでは問題は解決しないのだ。
怒りをそのまま表現してしまう人がするべきことは、今やっていることを逆にすること。
「やっていること」☞「怒りの感情をそのままぶつける」という行動から、「傷ついた感情を伝えること」に変える。
「やっていないこと」☞怒りが起こる前の”一次感情”へのフォロー、つまり「傷ついた心にフォーカスを当てる」ことに変える。

そして、怒りをぶつけられた人がしてあげられることは、
傷ついた一次感情に寄り添うこと。
怒りの強さ、大きさは、「それぐらい深く傷ついたんだね」と認めてあげることだと思う。

【アンガーマネージメント】について思うこと

アンガーマネジメント(anger management)とは、怒りや苛立ちといった感情を適切に管理、コントロールすること。
1970年代にアメリカで生まれた「怒りの感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーンング」方法
ところで、【怒りの感情】について【アンガーマネージメント】を導入すれば問題解決できると安易に考えてしまう人がいる。あー残念。
【アンガーマネージメント】が悪いと言っているわけではなく、アンガーマネージメントをただの”対処療法”で終わらせているのは良くない、もったいないと伝えたい。
アンガーマネージメントで【怒り】が静まったとしても、それは感情の起伏が落ち着いただけの状態であり根本的問題解決にはならず、また同じようなことが起これば怒りが出てくる。
怒りが起こる環境を改善できない状況にある時、その怒りの根本にある感情の扱い方、つまりの寄り添い方が変わっていれば、【怒り】は湧き起らないかもしれないが、そのフォローがない場合は同じことを繰り返すうちに「俺を怒らせるようなことをするな」という認知の歪みが出てくるのかもしれない。

アンガーマネージメントについてググってみたらこんな記事が出てきた

アンガーマネジメントの簡単な方法は?

  1. 怒り原因になるものから離れる 怒り原因になるものから離れて6秒間過ごす方法だ。 ...

  2. ことを考える ...

  3. 何かに没頭する ...

  4. 何もかも「自分が正しい」という考え方をしない ...

  5. 他者考えを一旦受け入れる ...

  6. 新しい体験や経験を増やす ...

  7. 特定テーマを避けて話す ...

  8. 特定ワードを使わずに話す

ざっくりいうと、こんな感じがアンガーマネージメントの方法らしい。
この方法だけだと、一次感情にフォーカスが当たってないことは一目瞭然。
だからこそ、ガーッと沸き起こった怒りをアンガーマネージメントで鎮めた後に一次感情へのフォローが大切なのだ。

【感情の持続時間】
怒りのピークは6~8秒
持続時間は2時間

27種類の感情のうち、悲しみは最も持続

 ベルギーにあるルーヴェン大学のフィリップ・ヴァーダイン教授とサスキア・ラブリセン教授が【感情の持続時間】とその影響を研究した結果、27種類の感情の内、羞恥、驚き、恐怖、嫌悪、退屈、感動、苛立ち、安心といった感情がすぐに消え去ってしまうのに対して、悲しみは最も持続する感情であることが判明した。
 悲しみが収まるまでには平均して120時間(5日間)もかかるのに対して、嫌悪や羞恥といった感情は30分程度で消えてしまう。
 また憎しみは60時間、喜びは35時間ほど持続する。

【怒り】の根底に【強い悲しみ】があったとしたらな、強い怒りが出てくることに対してこちら側が怒りで返しても意味がない。
【怒り】の感情を向けられたら、そのまま受け取るのはしんどい。
ただ、【怒り】は二次感情であること、そして大切なのは一次感情に寄り添うことと意識することで、コミュニケーションにおける負の連鎖は避けられるかもしれない。

【怒りの感情】の向き合い方~他者任せはダメ。でも、他者の支えは必要~
心に抱えた問題は、最終的には自分で向き合うことが解決につながっていくと思う。
例えば怒りの根底にあるものが悲しみだった場合、他人任せにしたところで悲しみは癒えない。
自分で向き合わないと解決しないからだ。
ただ、悲しみに一人で向き合うのはしんどい。
だから、誰かの支えは必要。
「苦しい、辛い」と聞いてほしい存在がいるのなら、人は次の一歩を進むことができると思う。
「苦しい、辛い」と言える存在がいるのなら、それはきっと幸せなことなんだ。
自分から胸の内を語るのは難しい。
だからこそ、私は胸の内を語ってもらえる人になりたいと思っている。

【学校では教えてくれない授業】


今回書いたような話を、こども達に出前授業(特にいじめ防止授業)で伝えています。
・心ってなに?
・心の中の様々な感情
・心の安全基地
など。
興味のある方はご連絡ください。



読んでいただきありがとうございました。
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