◆不動産仲介業とは。

色々な方が為になるnoteを書かれているので、私もたまには真面目なものを書いてみようという気持ちと、あまりにもうちの新人がポンコツで本気で憂いてしまい、少しでも知識の向上に役立てばという気持ちが半々です。

これから不動産業を目指そうかな、って学生さんや、中途入社を考える方の為になれば幸いです。※有料で申し訳ないですが、個人的なノウハウも記載しています。また引き続き自分の備忘録も兼ねて加筆していきます。

不動産屋さんには色々な業種があります。

私は組織の中で仲介業に従事しています。
上記で言えば実需の売買仲介業にあたり「自分が住むための家」を仲介をする人にあたります。
しかし、それ以外にも投資用物件を扱ったり、工場用地や倉庫など、扱う物件は多岐に渡ります。

その中でも売りやすい、買ってもらいやすい物件を並べるとエリアにもよりますが、

中古のファミリータイプマンション ➡️ 中古戸建 ➡️ 土地 ➡️ 投資用マンション ➡️ アパート ➡️ ビル の順番になります。
(いかに個人向けの営業かがわかりますね。)

中古で探しているけれどやっぱり新築がいいな、という方には新築戸建の紹介もしていますし、ハウスメーカーと打ち合わせをして土地を買ってもらい、注文住宅を建ててもらう、というケースもあります。

そしてごぐごく稀にサービス付き高齢者向け住宅にお金を払ってもらうこともあります。

不動産屋さんって儲かっている、というイメージを持っている人がいます。

純白のメルセデス、プール付きのマンション、最高の女とベッドでドン・ペリニヨン、日焼けしたツーブロックゴリラ...、というイメージがあるかも知れませんが私に関して言えばあっているのはツーブロックって所だけです。ゴリラでもありません。わりと私は骨よりです。間に入ってうん百万、さあぱーっと飲みにいこうか！みたいなイメージを持たれている方もいるかも知れませんが、そうでもないのです。非常に地味でコツコツと仕事をしなければならない業種だと私は考えています。

さて、どんなものを売るのか、買ってもらうのか、不動産屋は全員ゴリラなのかという話はこのくらいにして普段どんな仕事をしているのか…？
実務の話をしましょう。

【売却編】

あなたは入社して間もない新人です。

担当物件もありませんし、先輩から｢この物件やっていいよ｣なんて優しい言葉もかけられることはありません。そして物件が道に転がっていることもありません。

あなたは家を売りたいという誰かから媒介契約書を貰わない限り｢在庫0｣の状態なのです。
売り物がなければ商売は始まりません。さあ売り物件を見つけにいきましょう。

売り物件を見つける、といってもまず何をするのか？
一番シンプルな方法はチラシです。物理的にぶん殴るのが一番効きます。
不動産屋の話を読んでいると必ず出てくるのがこのチラシ。

通称「求むチラシ」です。

皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれない｢○○マンション限定！こんな条件の方が探しています！｣なんていもしないお客さんの内容が書かれたチラシや「弊社が直接買取ます！」など端っこにめちゃくちゃ細かい買取条件の書かれたチラシを物理的に投函していきます｡ 

いったいどれくらい撒くのでしょうか？

私が配属され担当したエリアは一棟500戸以上の大規模マンションから10戸程度のマンションまであり、その中でもチラシを入れたい重要マンション（出たら必ず売れる、高値で取引できる、グループ分譲など…）を総戸数で現すと大体4500戸ほどありました。

効率を考えるのであれば大規模マンションだけ撒いていればいいんですが、そういったマンションは売りに出れば必ず数字になるので誰もが狙っています。
（※過去に担当した物件が空家でポストの管理もしていましたが、毎日どこかの不動産屋のチラシが入っていました。
一週間で10数社分集まるのです。そんな競合マンションに新人のあなたがチラシを入れて反響が取れると思いますか？現実的ではありませんね。自分が何も出来ないゴミクズってことをもう少し自覚したほうがいいです。）

ですから大規模も小規模も関係なく、とにかく全てにチラシを入れるのです。 と言っても日中は管理人がおり堂々とチラシをまいているようであれば即注意、最悪警察です。大規模マンションに一緒にチラシを撒きにいった先輩がいなくなっていて、気がついたらパトカーに乗せられていたときの気分ったらもう。

ですのでまず担当エリアのどの物件に管理人がいて、かつ何時まで勤務しているのか。これくらいは配属されてすぐに覚えてしまいましょう。
（※私は右も左もわからなかったので
お菓子片手に｢どうもーこのエリア担当になったツーブロちゃんですっ！これ！お近づきにどうぞ！あ、実はいまこのマンション限定で僕のお客さんがお部屋探しているんですが…こういうチラシ入れてもいいですか？お願いします！｣と頼み込んで昼でも仲良くチラシをまけるマンションをいくつか作っていました。

24時間有人管理のマンションでも「これ、夜勤明けにどうぞ！ってお酒持っていって一緒に撒いてもらったりしました。大丈夫なのかこれ。）

やり方はどうあれ、管理人が帰った夜7時からチラシを撒く元気がありますか？私にはありませんでしたので〇曜日はこの地域に2000枚。〇曜日は小規模マンション1000枚、みたいな形で区切って週の目標8000枚。これを3ヶ月やりました。