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FSCのLCC化の話in2023

省略すると何がなんだかわからない話だ。

FSC→ Full service carrier(格安じゃない航空会社)
LCC→ Low cost carrier(格安航空会社)

LCCはとにかく運賃を安く、
その安さでとりあえずアイキャッチ。
安さで客を呼び込んでからの、

預け入れ荷物は有料だYO
事前座席指定は有料だYO
機内食はもちろん水も有料だYO
航空券購入に際して謎の事務手数料かかるYO
遅れても欠航しても責任もたないYO

といった怒涛の展開が待っている。これがLCC。

一方でFSCはそのあたりのサービスは太っ腹だ。
イレギュラー時の対応も手厚い。
ただ運賃が高い。それがFSC。

2023年、海外に行くためにいくつか航空券を購入した。
私はパックの団体旅行は好きではないので
自分で航空券を買って旅行に行くのだが、
その際は各航空会社のスケジュールや料金を重視して
どの航空券を買うか決めている。

そんな比較作業の中、気づいたことがある。
太っ腹なはずのFSCが、一部LCC化してきているのだ。

預け入れ荷物の有料化

LCCの台頭が早かった欧米ではコロナ前から
FSCでも格安運賃を購入すると、預け入れ荷物が
有料になるということは知っていた。

2023年、エティハド航空というアブダビ(アラブ首長国連邦)に
本拠地を置くFSCのエコノミー航空券を格安で見つけたのだが
よくよく見ると、預け入れ荷物があると別途加算とのこと。
7kgまでの機内持ち込み手荷物は無料なのだが、
私の荷物の総重量はそれでは無理そうだった。

エティハドの場合、LCCと同じように
航空券購入時に預け入れ荷物の料金を払うと割安。
搭乗当日にその分を払うと割高システム。

エティハド同様にマレーシア航空の国内線格安運賃でも
やはり預け入れ荷物がある場合は別途加算システムだった。

JALやANAはもちろん、スカイマークやエアドゥといった
日系のLCCではない航空会社では
預け入れ荷物は規定内の重さであれば無料だが
いずれはピーチやジェットスターといったLCCのように
有料となってしまうのだろうか。

事前座席指定の有料化の拡大

窓か通路かどっちの席がいいかと聞かれたら、
私は迷わず通路をチョイス。
思い立ったが吉日。すぐトイレに行けるからだ。
LCCは事前の座席指定が有料となるのが当然だが
FSCは無料で指定できる。はずなのだが…

2023年、数年ぶりにFSCのエコノミークラスの国際線航空券を購入し
事前に座席指定をしようとしたのだが、気づいたことがある。

フィリピン航空では、通路側席は事前に無料指定できなかった。
全ての通路側席が有料で指定するシステムになっていた。
窓側席や中央席なら無料で指定できるのだが。

エアインディアでは、機体後方の席しか無料指定できなかった。
A320という単通路機のため、当然機体前方のほうが
乗り降り時の動きが短くラクなのだが
前方どころか中央の翼のあたりもすべて有料指定だった。

シンガポール航空では、非常口席などの足元広めな席は
有料で事前指定ができますよシステムに加え、
機内前方の数列分の座席までも有料で指定となっていた。

コロナ前からなんとなく目にするようになってきた
FSCの事前座席指定の有料化は、どんどん拡大傾向にある。
航空会社も収益を少しでも上げようと必死なのだ。

予約クラスや、マイレージプログラムのランクによっては
事前座席指定料が免除されることもあるので
気になる人は各社ホームページをチェック。
JALとANAでも横並びではなく料金や免除規定が違うぞ。

格安すぎてマイレージ積算不可

上記でさらっと触れた予約クラス。
予約クラスに関してはこの記事で少し触れている↓

私が2023年に購入したエアインディアのエコノミークラスの
予約クラスはSであった。

エアインディアのSクラスの場合、
ユナイテッド航空のマイレージプログラムには積算できるが、
私が持っているANAマイレージクラブには積算不可。
安すぎるからだと思われる。

先述した預け入れ荷物有料のマレーシア航空の格安運賃。
予約クラスを確認すると、Oクラスであった。
私が持っているJALマイレージバンクには積算不可。
安すぎるからだと思われる。

航空会社職員が自社便や提携他社便に乗るときは
当日ギリギリまで空席待ちスタンバイ、でも
空席あったら無料とか無料同然の価格で乗れたりする
福利厚生があるらしいのだが、これもマイレージ積算不可。

私が購入したエアインディアやマレーシア航空のチケットは
きっと福利厚生チケットに毛が生えた程度の運賃なのだろう。
航空会社もそんな大安売りのたたき売りチケットに
マイレージなど付与できないぐらいカツカツなのだ。

ビジネスクラスでもラウンジ使用不可

中東のFSCは各本拠地空港の自社ラウンジの豪華さも競っている。
私は以前カタール航空のファーストクラスに乗ったことがあるのだが
旧ドーハ空港のカタール航空ファースト客専用ラウンジ内には
ジャグジーバスやサウナがあって、そこには巨大なかき氷?に
シャンパンの瓶が刺さって冷え冷えという
わかりやすいリッチさが演出されていた。
せっかくだからジャグジーでシャンパン飲んだよ。

そんな中東系FSCのご自慢のラウンジ。
ビジネスクラスの中でも比較的安い運賃だと、
ラウンジ使用不可という条件になってしまう。
エミレーツもカタールもラウンジが使えなかったら
ビジネスクラスの魅力半減のような気がするのは私だけか。

トップ画像のケーキ屋さんのショーケースは
ドバイのエミレーツ航空ラウンジ内でで撮影したもの。
もちろん無料で好きなだけ取り放題システム。
そして欲張って取りすぎて腹いっぱいになり
その後の機内食が全然食べられないあるある。

バイキングは一種のエンタメのようなものだと思うので
会場が殺気立っていなければ見るだけでも楽しい。
だからビジネス乗るのにラウンジ使えないのは残念。



ま、FSCはけっこう経営が厳しいんじゃないか、という話です。
ANAのマイレージ上級会員はコロナのちょっと前ぐらいまで
国際線エコノミークラスの予約であっても
チェックイン時に空席があればプレミアムエコノミーの席に
差額を払うことなくアップグレードできた(先着順)のだが
そのサービスは残念ながら廃止された。
もっと昔、日系航空会社の国内線では全乗客に
お茶菓子が出されていたのを若者は知らないだろ。


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