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置き引きとスリの話@マレーシア

結論から言うと、私は置き引きやスリ被害には遭っていない。
その要因の一つとして、
「こういう状況のとき被害に遭った」という知識を
事前に得ていたことが挙げられる。

私が旅先でこんなトラブルがあったと書き記すのも
誰かがこれを読むことによって
同じような被害に遭わなければいいという思いがある。

どうか各自、知識を知恵に変え
安全に楽しく旅をしてほしい。


1.置き引き@パーティー会場

こんな私でもパーティーに呼ばれることがあるのだ。
面倒くせぇ行きたくねぇと思いつつも
諸々のしがらみから参加をお断りできないことがある。

マレーシアでとあるパーティーに招待されたときも
断るという選択肢がないも同然の状況だった。

会場は某ホテルのボールルーム。
円卓がいくつもあって、指定席に着席スタイル。
よかった。
近隣の人と適当な話をしていればいいパターンだ。

私のテンションとは反比例し宴もたけなわ
パーティーのお開きの時間となった。
私はさっさとこの場を撤収したかったのだが
どうやらそれは許されなかった。

いっしょに写真を撮りましょうと
会場は記念写真タイムと化した。
みんな自分のドレスアップした姿を
SNSで全世界に発信したいらしい。

日本人をさらに上回る勢いで
海外勢はSNSでの自分さらしが大好きだ。
私はよくわからない人々に求められるがまま
作り笑顔で写真に収まっていった。

私は別に特別天然記念物でもないのだが、
ひっきりなしに写真撮影のお声がかかった。
多分ひとり者で寂しかろうと気遣われたのだろう。
余計なお世話だ。

会場のドアはもう開いている。
会場の片づけは始まっている。
なのにこの撮影タイムは終わらない。
帰りたい 帰れない あなたの胸に

そんなときに事件は起きたのだ。
みんな写真撮影に夢中だった。
中には自分の荷物を自席に置いたまま場を離れ
写真撮影に臨む人も少なくなかった。

そして会場のドアは空いている。
多くのスタッフが出入りして片付けをしている。
パーティー参加者も全員顔見知りではない。
つまり、赤の他人が会場に簡単に入ることができる状態。

犯人もそのような会場を熟知しているのだろう。
それなりに盛装すれば怪しまれないということを。
後の監視カメラの解析によると、
男女ペアでの犯行だったとのこと。

なるほど一人が見張り役兼目隠し役となって
もう一人が置き引きの実行犯か。
そして盛装した男女ペアは
会場のあちらこちらにいるわけで。

ここから学ぶことは、貴重品は肌身離すなということ。
日本にいるとスマホをテーブルに置いてから席を立つことで
この席はスマホの持ち主が占有していると見なされ
誰もその場にいなくてもノータッチなのだが
海外でそれをやったらスマホが盗まれるだけだ。


2.スリ@エスカレーター

エスカレーターがあればこの犯罪は
どこでも起こりうる可能性はある。
のだが、google mapで確認したら
そのエスカレーターはまだ存在しているようなので
具体的な場所も一応書いておく。

クアラルンプールのミッドバレー駅の改札を出て
すぐ隣にあるショッピングモールに続く
通路につながるエスカレーター。


その日、私はその上りエスカレーターを使用した。
その先にあるモールに買い物に行くためだ。
エスカレーターはそこそこ混雑していて
人々が次々に乗っていった。

ふと私の前を見ると、何かが起こっている。
どうやら、誰かが上りエスカレーターの降り口、
つまり上まで上がりきって
エスカレーターを降りた直後のところで
立ち止まったらしい。

すると後ろにはすぐエスカレーターで運ばれる人がいて
立ち止まった人と軽く衝突してしまう。
それでも先頭の立ち止まった人はどかなかったようだ。

後ろからは次から次へとエスカレーターで
人がどんどん運ばれてくる。
なのに先頭が立ち止まったままどかない。

どんどん前へ前へと人がぶつかっていく。
なんかもうもみくちゃ。
局地的な東京の通勤ラッシュの再現状態。

スリのグループの犯行だ。
ターゲットの人をグループでサンドイッチにして
もみくちゃにしている間に財布を抜き取るやつ。

私はそのやり方を事前に聞いたことがあった。
だから。
自分のポケットに手を突っ込み財布をガードしながら
上りエスカレーターを後ずさりをして
あのもみくちゃにぶつからないようにした。

しばらくすると、もみくちゃは解消された。
そしてエスカレーターを上り終えた何人かが
またすぐに下りエスカレーターで下り始めた。

普通はしない行動だ。
上に用事があるからエスカレーターで上がるのに、
上がった途端に5~6人が下り始めるのだ。
スリのグループが犯行を終えた証拠だろう。

推測だが彼らの顔立ち、髪型、体格、服装、メイク
などからフィリピン人グループによる犯行と思われる。

ここから学ぶことは、エスカレーターは気を付けろ
ということだけではない。
私はターゲットにされた人をよく覚えていないのだが、
多分、両手に荷物を持っているとか、
トートバッグのような閉まらないカバンを持っているとか
そんな状態を狙われたのではないかと思う。

別件だが、私の知人家族がヨーロッパを旅していたとき
ベビーカーを電車に乗せようとするときがあったそうだ。
知人夫婦は荷物をたくさん持っているような状況で
ベビーカーには幼児が寝ていた。

その場にいた現地の人がベビーカーを電車に乗せるのを
手伝ってくれたそう。
ホームと電車の間には段差があるのでベビーカーは大変なのだ。
ヨーロッパは親切な人が多い。
最後はホームで手を振って電車の中の知人家族を見送ってくれたと。

数分後に気づいたと。
なんで彼らは同じホームにいたのにこの電車に乗らなかったのかと。
そしてパスポートが入った小さなバッグが手元にないことも。

これらのことから、荷物が多すぎて注意散漫になるような状況が
スリ被害を招いてしまう一つの要因だと言うことができる。

海外に到着し、時差ボケ寝不足でフラフラ、そして大荷物
というときほど荷物の管理に注意したいものだ。



ま、被害を防ぐなら敵のやり方を知れという話です。
ジャカルタのバスに乗ったとき
地元民はみんなリュックを腹側にしていた。
なるほど普段から自衛しているわけだ。
日本は平和だ。




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