父と娘の秘密の道。ようちえんへの魔法の通学路の話。

4歳の長女は森のようちえんという、ちょっと変わったようちえんへ通っている。

そこでは毎日を森の中で過ごす。園舎はない。毎日、お弁当を持って森の中に集合して、森の中にお迎えに行く。

雨の日は長靴に上下のレインウェアを着込み泥にまみれて遊び、夏でも虫刺されと日焼けやケガの防止のために長袖長ズボンを着用。

それを2歳の時からやってきた。

一言でいうなら、毎日が遠足(雨天強行)でお弁当って感じだ。

雨の日であればドロドロの泥だけになるし、そもそも送り迎えはママチャリなので、雨の日は自転車をこぐ親も全身レインウェアだ。もちろん露出している顔は濡れる。暑いし寒いし濡れるしキツイ。洗濯は超しんどい。

それでもやっぱり娘はとっても楽しそうだし、園長さんはじめスタッフさんが愛情に溢れていて、ここの園に入れてあげられて本当に良かったと思っている。

さて、前置きが長くなったけれど、そんな娘の送り迎えは夫婦で交代で行っていて、たまに僕が送るときに娘と秘密の道と名付けた道を通っている。今日はそんな、父と娘の秘密の道の話をしよう。


行きたくない気持ちを変える魔法

僕は一時期、不登校になった事がある。まぁ父が死んでしまったとか色々あったのだけれど、端的に言えばそれは「だるい」っていう理由だった。

だから、娘が毎朝のように行くのがめんどくさいと言ってグズる気持ちはわかる。もちろん、気持ちはわかるがイラッとはする。

でもイライラしていても娘は泣きわめいて徹底抗戦に入るだけだ。そこで僕はひらめいて、娘の耳元でこうささやいた。

「お父さんだけが知っている、秘密の道があるんだ。」

この言葉は、子供心をガシッと掴んだようだ。

「なにそれ!いきたい!いきたーいっ!!」

娘は靴下も履かずに靴をはいて飛び出そうなる位にノリノリになった。

作戦成功だ。ただし、ささやいてはみたものの、実はそんな道知らねぇ。。。

完全におふざけで言ってみたら、思いのほか相手がノって来てしまった。ここで「そんな道はないでーす」とか言ったら、きっとひどい事になる。

僕はノリノリな娘をママチャリの後ろに乗せながら、開き直ってママチャリを走らせながら考えることにした。


秘密の道を見つけた

ママチャリをこぎながら、僕は娘を送る森のまわりの道を必死に思い出していた。

送り迎え以外に、調子のいい時(仕事が暇な時)にはランニングで森のまわりを走ったりしていたので、大体の道は把握している。

そういえば、森の裏側にずーっとまっすぐな道があったな、と思い出した。

あの木漏れ日に溢れるまっすぐな道は、まるで森のトンネルみたいだ。

よし、あの道を秘密の道っていうことにしよう。


そうして、いつもよりも少しだけ遠回りをして、秘密の道に入った。

「ここが秘密の道だよー!すごいまーっすぐで、奥の方が見えないよ!」

そう言ったら娘は大喜びで、終始ゴキゲンだった。


名前をつけることで変わること

その道の行き止まりは道が別れていて、少し行った先には池がある。たまたまその日は池に見たことのない水鳥が遊びにきていて、ママチャリを止めて娘としばらく鳥を眺めた。

ふと、娘が「また秘密の道でようちえん、いきたいんだよなぁ」とつぶやいた。

どうやら、とても気に入ったらしい。

それは、なんてことのない普通の道だ。

少しだけ人通りが少なくて、少しだけいつもの道よりまっすぐなだけ。

でも、その道は幼い娘にとっては魔法のような秘密の道になった。

こどもに限った話じゃない。なんてことのない出来事だって、名前をつけることで幸せを呼ぶこともできる。逆に、悪意を持って名付ければ、悪い方向に導くこともできるだろう。

秘密の道は、めんどくさい朝の支度を乗り越えて、到着すれば楽しいようちえんへ向かうことそのものをアトラクションにする魔法の言葉だ。


言葉は、魔法だ。

でも言葉は、呪いにもなる。


世界を知るために日々懸命に生きている娘に、楽しい魔法をかけてあげたい。

僕自身も、幼い魔法使いと一緒に過ごすことで、幸せな魔法を使う人でいたい。


最近は、ちょっと仕事が忙しくって、あまり送り迎えに行ってあげられていない。

来週くらいはちょっと頑張って、また秘密の道に一緒に行ってみようと思う。


※本日は投げ銭オマケ記事はお休みです。土日は読む人も減るので、おまけ記事はナシで思いついたネタを即興で書いたり、ゆるい家族ネタや趣味ネタでとりとめもなくだらけるパジャマスタイルいきます。


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