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店舗とはVMDそのものなんじゃないか説

店舗デザインに限らず、小売の世界にちょっといるとVMDという言葉は聞いたことある人が多いはず。MDは商品そのもの、VMDはMDのディスプレイや演出方法、他にもSKUとかHASとかTCとか、リテール・ロジスティクス系のお仕事では謎単語が多いですね。

で、ちょっと前にハヤカワ五味さんも書かれていたVMD。

これって小売の世界では数十年前にアメリカ発で広まった概念なのですが、VMD=ヴィジュアル・マーチャン・ダイジングの略称で、端的に言えば商品の視覚的演出デザインって事。

でね、VMDはディスプレイの話でVPとIPとPPがあって〜・・・

っていうのは、まぁ本読めばわかるし、そもそも数十年前の理論でぶっちゃけると古くてそのまんまだと使いづらい。ググれば色々出てくるので調べてください。

売り場にいれば、商品の並べ方や店頭ディスプレイが変わると売上にダイレクトに影響したりする。

そうなると店頭演出大事!ってなって、演出にバイトさんが何時間もかけ始めたりするのですが(人件費!!)もっと広い視点で見直してみれないかな、と思うんです。

VMDってお客さんがお店を探して見つけて入店して買い物して、帰ってショッパー=袋を開けるまで、なんならその後にショッパーが他の使われ方したり、靴箱がモノ入れになったりする所まで含んでのVMDとブランディングだろうと。

それこそレジでお金を払う時のキャッシュトレーとか、試着室での脱衣カゴやハンガーやミラーとか、ちょっと借りたトイレの雰囲気とか、そういう細かい部分が意外と効いてくるんです。


お店の視覚デザインの基本のキ

物販とか飲食とか関係なく、店舗デザインをするときに基本になるのは「入店して購買するまでにどう見えるか」です。

まずはいわゆるVP=ヴィジュアル・プレゼンテーション。遠目でどう見えるかを意識した陳列や演出ですね。遠くから歩きながらスマフォでお店の写真か動画を撮って、どこの位置にどう演出すると効果的かを検証したりします。

あとはIP=アイテム・プレゼンテーション、いわゆる商品陳列。ここにPP=ポイント・プレゼンテーションでメリハリをつけて〜・・・みたいなのをVMD教室とかで教えてくれたりしますが、ぶっちゃけ現場で創意工夫している売り子さんはみんな自然にやってます。

要はどうしたら買いやすい?目について気になる?っていうのを意識して調整すればいいんです。

ちなみに僕らはそこらへんのプロです。その気になれば悪用もできる=過剰に魅力を煽って売りやすくするのもできちゃうので、商品やサービス自体に共感して自分がお客さんになれる仕事しかやりたくないと独立以降は思っています。


XP=体験へのプレゼンを追加する

さて、ここまで読んでお気づきかもですが、従来のVMDってWEBでも完結できるんですよね。むしろWEBの方が商品比較もしやすいし、カラバリも在庫も豊富だし、おまけに店員の人件費も店舗の場所代もいらない。

それでもリアル店舗で今やる意味ってのを考えると、VMDへの取り組み方ってもっと色々あっていいと思うんですよ。

従来のVP、IP、PPだけじゃなくて。+αでXP=エクスペリエンス・プレゼンテーション(体験価値の提案)っていう視点でみれば、店舗も大きな商品棚だし、商品の売買をしているようで実際にお客さんが買っているのは体験とか情報とか価値観(共感)だったりするんですよね。


店舗デザインもそうなのだけれど、油断するとすぐにあの手この手でどう売りつけるかに走りがち。

売上は大事なのだけれど、ヴィジュアルばかりに目を取られてデザインで売りつけるようなマネをしないように気をつけねば、ですね。


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