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建築模型作りと道具たち【プロの仕事の基本は道具と段取り】

本日は土曜日、もう桜も満開近いしすっかり春。

今日のアルバイトさんは現場作業ではなくSOHOの自宅兼事務所に呼んで模型作り。先日色々と測って回ったので、それをホワイトモデルという真っ白なモデルで一度立ち上げてボリューム感の検証。

4歳と1歳の娘たちが走り回っていて、妻も某グルメ誌へのレシピ寄稿でなにやら料理して撮影の準備中。労働環境としてはあまり集中できる感じじゃないけれど、まぁ慣れてもらうしかない。

僕が模型作りを初めて体験したのは桑沢入学後の1年生1学期の課題だった。見よう見まねで作った模型ながら、もともと手先も器用だったし気合いが違かったのでほぼ全ての課題で5段階評価の5にあたる秀をとっていた。

(白状すると、特待生の奨学金が欲しくて何としても秀をとりたかったのだ。それくらい私立の美術系学校ってのは学費がキツかった。他に課題の材料費もかかるし。)

とはいえ素人が独学で伸びるにも限度があるので、その後の1年生の冬に店舗設計事務所に模型製作のアルバイトに入って2年ほど修行する事にした。

その事務所の店舗模型はほとんどアルバイトさんで作っていたけど、たま〜に勝負物件の時にはプロの模型屋さんに頼んでいて、入り浸っていたので納品の現場によく出くわしていて、プロの模型屋さんの作る超絶技巧なまるでプリンターから出てきたような模型にいつも驚いていたっけ。

で、その模型屋さんもヤマシタさんと言い、同じ苗字なので仲良くなってよく模型製作のコツを教えてもらっていた。


プロの仕事の基本は道具と段取り

模型の匠が言うには、「道具」と「段取り」がほぼ全てとのこと。

道具は言うまでもなく、冒頭の写真のような定規にカッターといった物。

え?普通じゃないかって?

カッターに30度の鋭角刃を使うくらいはどこの学生もやっているけれど、そのカッターホルダーの先をペンチで潰してコンマ数ミリのブレを抑えたりはしているだろうか?

工業製品は製造上の理由でどうしてもクリアランスをとったりするので、カッターだって売っているままだとこの刃先のクリアランスがある。当然、そのコンマ数ミリは1/100の模型の世界では結構な差になる。

もちろんカッター以外の道具にしても各工程ごとにあった物を揃えていたし、全ての道具は使用前後にアルコールで拭いていた。

プロの模型屋さんの仕事には手垢も指紋もまるでついてなくて、魔法のようだった。

段取りも重要で、ほぼ全ての作業を一度書き出して逆算し、たりない資料や疑問点を設計者と細かくすり合わせていた。

多分、この道具と段取りの重要性って他のどの職業でも一緒なんだと思う。

アマチュアからプロになるためにはやはり道具を揃えて、段取りを組めるだけの経験を積む必要がある。道具にしても買って終わりではなく、目利きして使いこなすだけの技術がほしい。

そして、段取りの能力。これは持って生まれたもの感があるけれど、実のところはトレーニングで身につけることができる。段取りのトレーニングは僕もまだまだ修行中なので、今後そっちも試しながら話していこうかな。

さて、長くなったけど仕事に戻ろう。

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