見出し画像

こどもは夫妻の負債なのか?

僕らの住んでいる日本という国が少子高齢化でヤバいというのは、それこそもう20年前くらいから耳にしてきた気がする。

どれくらいヤバイかは総務省あたりの資料を見てもらった方がいいから、知らない人はこちらをどうぞ。

まぁ、要するに人口減&高齢化で国の全産業が沈んでいって、社会保障は吹き飛び、インフラ整備はお金も人手も追いつかず、荒廃した北斗の拳の世紀末ヒャッハー!な未来になる確率が高いらしい。

いや、もうなりつつあるのか。。。45歳以上はリストラ候補という実質的な雇用の流動化宣言+年金70歳以降(65歳で受け取ると減額)というシステム変更は、教育ローンに住宅ローンと縛られている働き盛りでこどもが大学進学くらいの世帯を直撃する。

まぁ、これらは先送りの限界がきたってだけで、20〜30年前の僕らが小学生の頃からわかっていたことだった。どの政党も手は打てなかったけどね。

で、これをどうこうする解決策は今更ながらもやっぱり子育てしかなくて、2人が結婚したら3人以上の子供を作って育てなきゃ人口は増えない。しかも増えても労働力として戦力になるのは早くても20年以上先だ。

しかーし!現代日本の東京砂漠で夫婦2人が育児やるのはかなりの無理ゲー感がある。いや、地方だって苦しいはず。合理的に考えるならば、養育費と教育費とマミートラックetcで使える可処分所得は激減し、看病や保護のために可処分時間も激減する。

1人のこどもを育て上げるのには金も時間も手間もかかる。それを3人。これができる夫婦が過労死大国の日本にどれくらいいるのだろうか?


子育ては億ション並の贅沢品

うちも現在、すこぶる健康でエネルギーありあまり僕ら夫婦の体力を根こそぎ奪っていくモンスター級のムスメが2人いる。望んで授かった子供たちだから控えめに言って天使なんだけれど、まぁまぁな確率で悪魔にもなるから恐ろしい。

実際に育児をやって当事者になり思うのは、想像以上に難易度高いなっていうことだ。思っていた以上に金と時間と元気をガッツリと持っていかれる。

もちろんいいことだってたくさんある。なんだかんだでかわいいし、初めて歩き出した時、喋り出した時、小さな手を握って握り返されたり、夜中に寝ぼけたまんま抱きついてきたりする。僕にとって大きな生きがいの一つであるのは間違いない。

それでも、だ。それでも結構な割合で、すごく大きなハンデだと感じてしまう時がある。特に幼年期で義務教育前の0-6歳がハードモードで、兄弟姉妹が生まれて多子育児になると足し算ではなくかけ算で難易度が跳ね上がる。

駆け出しフリーランスから丸5年生き延びて中堅になりつつある現在、世帯収入的には平均値より若干上くらいな感じだ。決して余裕があるわけじゃない。それも、夫婦二人とも健康で、かつ健康なジジババにたまに頼める子守が機能するという前提で回っているから、大人のだれかが欠ければたちまち立ちいかなくなる。

しかもこの状態ですら、世の中の育児世帯の中ではかなり恵まれた状態だ。実家が遠くて頼れない人や、夫婦どちらかがハードワーカーでワンオペで複数人の育児や、場合によっては育児+両親介護が重なっているさらにハードモードの人だっている。

これをまともにこなすには、お金と時間と人手が全て一定水準以上ないと厳しい。気合いと根性で回すにはだいぶ体力と精神力を持っていかれるし、元手(人と金と時間)をがっつりと持った状態で挑める=シッターや家事外注を使いまくれるならいざ知らず、難易度的には高級タワーマンションを即金で買えるくらいの難易度に感じる。


国とは人→こどもは国の宝

僕らはみんな誰かの子供だ。これは頑然とした事実で、否定しようがないはずだ。つまり、だれかが育児を担ってきてくれたから僕らはここにいる。

だからと言って子供を産まないのは非国民とかそういう意味じゃない。選択できる自由は必要だし、出産と育児を強制するような野蛮な振る舞いは許されてはいけない。

その上で、もうちょいハードルを下げて、未来の担い手たるこども達を産んで育てようとしているチャレンジャーな人たちには、もうすこし手厚い支援なりインセンティブなりが必要だろうと感じている。(僕らはもらえる時期を過ぎちゃうけど、それでもこの後の人たちが同じ苦労をするのは避けたい)

2ch創始者のひろゆきさんの「今年中に子どもを産んだら1人につき1000万円支給します」はやや乱暴な提言ではあるけれど、あながち悪くは無い気もする。現金じゃなくて教育バウチャー(利用先を制限した金券)みたいなものなら親がギャンブルで溶かしたり人身売買したりも防げそうにも思う。

こうした議論はもっと活発にしていかなければいけないが、じゃあ果たして議論した先に法案が立案されて審議されて可決まで行くのか?

 でも、年金を減らして、そのぶんの社会保障費を子どもに向ける法案をつくっても、通るはずがありません。結局、高齢者が政治家を決めて政治家が政策を決めるので、ルール自体がもう高齢者好みのルールになってしまいます。

それをよしとして国民が投票しているわけなので、結局、国民の総意としての現状なのかなと思います。

日本が少子化に陥ることは数十年前から分かっていたのに国は対策をしてきませんでしたし、これからもしないだろうから、少子化はさらに深刻化すると思います。

この予想は「ハズレるほうがいい」と感情では思うんですが、おそらくハズレないですよね。

上記のインタビューでも語られているように、僕もこの予想はハズレない気がしている。少なくとも、あと10年は無理だろう。

  

ほとんどの親が、わが子の幸せを願っているはずだ。

世代間対立を煽ることなく、未来のために自分への保障をこども達に向ける勇気ある大人が、未来のこども達の親となる意思のある大人が一人でも増えることを祈っている。

でも、祈るばかりでムスメ達に沈みゆく船を渡すわけにもいかないから、自分のビジネスと教育と生活ともろもろは常に考えていかなきゃな。

いただいたサポートでnote内のクリエーターさんを応援!毎月末イチオシの新人さんを勝手に表彰&1000円サポート中🎉 あとはサポートでお酒や甘味で妻や娘のゴキゲンをとります。 twitterは @OFFRECO1 Instagramは @offreco_designfarm