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SNSにこどもの写真を載せるリスクを悩む

常々、ずっと悩んでいていまだにコレといった答えが出ていない。インターネット上、つまりはSNSなどにこどもの写真を載せるかどうかだ。

うちの場合は現状、僕も含めて妻も娘もある程度の顔出しはしている。別にアイドル目指しているワケじゃないので積極的に顔を出すことはないのだが、だからと言って隠してもいない。フリーランスで働く以上、顔出しはやっておいたほうがメリットも大きい。

以前にも友人の写真家さんの仕事で家族写真を撮ってもらって広告に使われた事があるし、そうした事で特に被害を被ったことは幸い一度もない。

とはいえ、だ。

基本的には世間に流れるニュースのほとんどはネガティブな方向になるようにバイアスがかかっているので、やっぱりリスクの部分は強調されて聞こえてくる。でも子供の写真には出すリスク、出さないリスクの両方があるように思える。

今日はちょっとその理由を考えてみたい。


こどもの写真は期間限定の最強のコンテンツの一つ

広告業界では見られやすいとされる写真コンテンツが三つある。

こども、ペット、女性(エロ)の三つだ。

何故そうなのかは色々な解釈があるが、とにかくこの三つはつい見てしまうし注意を惹きつけてしまうらしい。

実際、思わずクリックした事があるんじゃないだろうか?

例をあげればキリがないけれど、戦略ほぼ無しで素人が投稿してもある程度のいいねが付きやすい物でもあり、同時にみんな食傷気味で裏で炎上しやすいのもこの三つには多い。

とはいえ、ただ撮るだけでかわいいという反則的な魅力を子供が持っているのは期間限定だ。子供はあっという間に成長する。


彼氏カメラと親カメラ理論

僕は仕事柄、予算がない時や手配がつかない時は自分で撮影をすることがある。大体は店舗の内装写真だったり、完成品のプロダクトやモックアップ。

つまり、静物写真や風景写真は、それなりには撮れる。物には感情がないから、機材を揃えて、理論的な光のコントロールと構図を抑えれば、それっぽい感じまでは撮れてしまう。

そうした中で、やはりポートレートの撮影は非常に難しく感じていた。どうしてもモデルさんの硬さが抜けなかったりするし、人間は人間を観察する力が高いので、微妙なわざとらしさや緊張感まで一枚の写真から伝わってしまう。

今思えば、素人がカメラ構えて素人を撮っていればそりゃうまくいかねぇよ、というのが痛いほどわかるが、例外的に素人でもめちゃくちゃ良い写真が撮れる状況がある。

それが、彼氏が彼女の写真を撮るなどの恋人パターンと、親が子供の写真を撮る親子パターン。

この2つの状況、撮影者と被写体の関係性が写真に出る。それは世界にたった1枚しかない素敵なポートレートになるし、レンズ越しの撮影者に向けられたまなざしには関係性や安心感・信頼感が映り込む。

僕も多少の卑怯さは認識しつつ、娘を被写体に使った写真で写真コンテストで優勝した事がある。コンセプト作りや被写体選びも腕だといえばそれまでだが、かわいさや愛らしさで勝負できるのは数年間の期間限定の技なので使えるときに使ったほうが良さそうだ。

子供が産まれて日々あっという間に成長する中で、なるべくたくさん写真を撮っておいてあげたいな、と思う。

子供の写真は画像としての記録だけではなく、親子の関係性を伝える心のタイムカプセルのような役割があると感じたからだ。


色々なリスクも含めて、それでも伝えることには価値がある

そんなわけで、やはり子供の写真はずるいくらいに魅力的に撮れやすい。自分の写真の腕が上がったんじゃないかと誤解してしまうほどに。

でも、同時にこどもの写真はこどもの物だとも思う。

子供たちが大きくなる頃にはおそらくデジタルディバイド=情報格差は広がっているだろう。今ある肖像権やプライバシーの問題は、きっと形を変えている。

現時点ではインターネット上に出回った画像は二度と消せないから、載せるべきではないという意見もある。

デジタル誘拐と呼ばれる、他人の子供の写真をあたかも自分の子供や孫や親族のように載せてしまうという問題もある。こじれた承認欲求の問題なので、子供の写真はただ巻き込まれている被害者側ではあるが、写真を公開すればそういうリスクはある。

他にもキッズYoutuberの問題や子供の人権問題など、親のビジネスや自己満足にまだ判断力の未熟な子供を巻き込んで良いのか?という悩みは、娘たちが大きくなるまで尽きないだろう。


つまり、うちの娘たちは最高にかわいいのでめっちゃ見てほしい!!!という気持ちと、上記のリスクを考えて誰にも見せたくない・守りたい気持ちの両方がある。


僕は個人的には、自由なインターネットを支持したいし、インターネットのつながる力はポジティブに使えば世界の幸せの総量を増やせると思っている。

だから、SNS含めてもっとうちの子見てよ!ってなって欲しい。たしかに不妊の問題とか、離婚して別居中でこどもを見るのがツライって人もいるだろう。でも、それら全てに配慮していたら、何にも発表できない世の中になる。

幸せのシェアで誰かを傷つけるのは本意じゃないけど、見たくない人は見ないでくださいという単純な話でもない。ここら辺は、少しづつみんなに寛容さが浸透していくのを信じて待つしかない。


スタートからファンのいる子供と、そうじゃない隠れた子供

僕は別に娘をキッズタレントにしたい訳じゃない。でも、時代はこれからどんどん個の時代に向けて突き進んでいくだろうし、今ある芸能人のような一握りの人気者というスタイルは大きく変わると思っている。

その時、子供時代からインターネット上でオープンに活動をしている人と、そうではなく隠れた人とでは、大きな差がついてしまうんじゃないだろうか?

こんなことを言うと縁起でもないと妻に怒られそうだが、僕が事故にあったり病死したときに、幼い娘たちを支えてくれるような人たちとの関係性を築いておいてあげたいとも考えている。(これは僕が13歳で父親と死別している体験が大きい)

父親である僕の代わりはいないけれど、もしもの時に心に空いた穴を柔らかく埋めてくれるような、そんな関係性を作っておくのは親である僕の義務だと感じる。

その為には、秘匿するよりもオープンに色々な人を巻き込んで子育てをしていった方が良さそうだ。情報発信のやり方は考えるにしても、そう言うスタンスを見せてあげることが娘たちの将来に何か役立つんじゃないだろうか?


まだ、ちゃんとした答えは出せない。

でも、会った事もない他のnote作家さんたちの親子の姿を文章から想像して微笑ましく思う。会った事はなくとも、日常の風景を交換してみたいな、とも思う。

かわいいわが子の写真を載せたら自慢だとか親のエゴだと言われるのかもしれないけれど、僕はあなたの日常が知りたいし、僕ら親子の日常も知ってほしい。

もう少しだけ、世の中を信じてみようかな。

そんなスタンスで、家族の話も少しずつしていこう。だってね、しんどい事だってすっごく多いけれど、うちの娘たちの日々の成長、たまらなくかわいいんですよ。


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