軽蔑という言葉について、いいイメージを持っている人はほとんどいないんじゃないだろうか？

【 軽蔑 （けいべつ）】
相手の人格・能力などを劣ったものと考えて、まともに相手にしないこと。いやしいもの、劣ったものなどとみなして、ばかにすること。
さげすむこと。
（例）軽蔑に値する振る舞い

要するに、軽くないがしろにするという事だ。

この時の「軽く」がポイントである。大した執着は持っていないし、別に自身の矜持を傷つけられたりしたわけでもなく、最初っから思いっきり下に見ているわけである。

え？この構造って色々なところで見かけないか？

SNSだったら数多あるクソリプ＝遠くから匿名だったり捨てアカウントで石を投げる行為なんかはまさに軽蔑的なアクションだし、いじめにおける無視とかハブとか、実生活でもエリート意識やうっすらとした選民思想が芽を出すと自然とこういう気持ちは「軽く」滲み出ているだろう。

そして軽蔑のベツの文字は蔑＝ないがしろ、と読む。

これは「無きが代（なきがしろ）」がイ音便化された語らしく、要するに代が無い＝「代用の必要すら無いに等しい」という意味だ。つまり、おまえなんかに興味ないねという事だ。

くだり坂の先にあるもの

えてして人生は波のごとくとは言ったもので、アップダウンは避けられない。体調にしても、金銭面にしても、気分にしても。

自分で自分を軽蔑するような時もあれば、くだり坂で下がっていく中で周囲から軽蔑されているように感じる時もあるだろう。

で、下がっている時は当の本人も周りが全部上に見えたりするので、焦ったり、ますます落ち込んだりする。

実際、僕は今年の1月末から原因不明の不調で2ヶ月ほどSNSから離れていた。実生活もモヤモヤに包まれていて、仕事もろくに手につかず、苦しい2ヶ月を過ごした。

その間はまるで沼の中にズブズブと自分が沈んでいくような感覚で、沈むほどに地上にいるみんなが輝いてみえた。

下から見ると地上も天上も同じように見えるし、光が降り注いでみんな輝いて見える。相対的な位置関係の問題なのに、そんなことを客観的に考える余裕など溺れるものには存在しない。

軽蔑されているように感じたら

人生はアップダウンの連続だから、どんな沼にも底がある。だから、上がっていき羨望のまなざしを受けている時よりも、下った先の沼の底にこそチャンスがある。

自分ではもうダメかもしれないと思うような時、軽蔑されているように感じる時こそ、その先には上り坂がやってくる兆しなんだろう。

そうは言ってもがんばれない時だってある。どう考えても無理ゲーで、死なないように生き延びて逃げ続ける撤退戦な状態もある。育児に介護に自分の病気や体調不良、八方塞がりでそもそものチャンスを掴む手が空いていない時もあるだろう。

そういう時は、沼の底ですこし静かに休むのもいいんじゃないかと思う。

溺れる時はもがくほどに余計溺れると言われるように、一度全身の力を抜いてからもがき方を決めた方が結果的にはうまくいくことも多いから。

軽蔑されているように感じる時、その目線の正体は本当はそこにいたかった自分自身のイメージだったりする。

上にいるはずだった自分からの目線を気にするよりも、まずは足元と目の前を見よう。

それからゆっくり昇り始めれば、救いの手を差し伸べてくれている人は意外にたくさんいてくれるから。

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この記事は、【リレー企画】と題してそれぞれが他のメンバーから出されたお題で書いています。僕のテーマは遠山さんからいただきました。

遠山さん見つけたの去年の7月なんですよね。当初はヤベェヤツがいる！と思いました。この直後に遠山さんは全クリエーターを励ます名作で大きくバズって、 #非公式noteグルメ部 などちょこちょこお会いするメンバーになりました。

今回、僕が2ヶ月音信不通後に復帰した時にちょうどこのリレーコラム企画をやっていて混ぜていただきました。本当は復帰作のつもりでしたが、しばらく書いてはけしを繰り返してやっと公開できました。

他のメンバーのコラムもグッとくるの多いのでぜひどうぞ。

リレー企画
第一走者：lay toyama_遠山怜/ 作家のエージェント
テーマ：ともだち
【リレー企画】優しい人はおそい

第二走者：サカエ コウ。
テーマ：殺人
【リレー企画】ならば私は、あなたを殺したい。

第三走者：竹鼻良文/ TAKEHANAKE
テーマ：恋愛とは
【リレー企画】3人の同性に同時に惚れた瞬間（公開終了）

第四走者：吉玉サキ
テーマ：許し
【リレー企画】サキちゃんが許してくれない

第五走者：少年B
テーマ：真面目に考えると
【リレー企画】わたしがnoteを書く理由