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君はリア・ディゾンを覚えているか?

かつてグラビア界の黒船と呼ばれた美女がいた。僕は本や雑誌は顔よりも体目当てなタイプなので、ヤングジャンプもグラビアよりも中身のマンガが目当てで買う10代だった。

そんな青少年時代だったのでグラビアアイドルは全て同じような顔と体に見えていたが、リア・ディゾンがグラビアアイドルシーンを賑わせた挙句に結婚&妊娠発表でしばらく休む宣言をしたときの発言はなぜか未だに覚えている。

「待っていてください。頑張りますので。ポイしないでください。」

辞書によればポイ=気軽に無造作に捨て去る事。

入れ替わりの多い芸能界の中でもさらに消耗と淘汰のスピードが激しいグラビア界、その中での結婚&妊娠という事実上の引退宣言をしつつも、ファンを辞めないで欲しいという懇願である。

この発言は結構な数のメディアで取り上げられていたので、うっすらと覚えている人もいると思う。でも、この発言は人気商売の芸能人だけでなく、SNSで繋がりつつある僕らも他人事ではないのかもしれない。

一億総クリエーター・・・とまでは行かずとも、数千万人程度が自由にSNSで繋がって発信している現代では、彼女のような思いや不安を感じる人も多いのではないだろうか?そして、それはこれからもっと増えそうな気がしている。


有益さを売り続ける苦悩

僕の場合の話をしよう。僕はnoteをちゃんとやろうと思って書き始めた時に、数日めでバズを経験した。一気に数百個のスキがついて、PVは数万を超え、数社から出版の相談が舞い込んだ。

それ自体は嬉しい事なのだけれど、そうなると今度はバズをきっかけにフォローしてくれた人の期待は、必然的により役立つ続編の情報になっていく。

僕はわりと早い段階で、この消耗の螺旋を登り続けるのは無理だと悟った。

ノウハウは文字通りやり方の知識であり、経験で裏打ちされてこそ価値が出る。僕はここ12年の間の実務や、6年間のデザイン学生生活+αでそれなりの時間とお金を投資して知識と経験を得てきた。それをコネコネ練ってnoteのネタにするのだけれど、期待される速度でそのネタを出し続ければ数カ月で枯渇するだろう。

そんなわけで割と早期に見切りをつけて、デザインネタ、育児ネタ、夫婦ネタ、SNSやビジネス情報などの考察etc...と割と雑多に書くようにしている。そして、これは王道のSNSのビジネス利用方である役立つ情報を連発するスタンスからすると外れている。

えとみほさんも言うように、役立つ情報だけを連発すればフォロワーは増える。特化されたアカウントの方が認知されやすいし、フォローもしやすいし、フォローも外されにくい。

noteだってそうだろう。簡単にフォロワー数を増やすには、有益な情報をまとめてあげ続ければ良い。まぁ、noteの場合はもっと顔が見える感じや、温度感のある方が好まれると思うけれど。

ただ、それではフォロワーにとって無益になった場合にポイされてしまう。会ったこともない相手の期待にミスマッチな内容を出しただけで、こんな人だと思っていませんでしたと言われたりもするだろう。これはお互いにとって良いとは言えない。


関係性の構築はのんびりと

僕は今年に入って2ヶ月ほどSNSを完全に絶っていたのだけれど、戻ってきた時に多くの人からおかえりなさいと言ってもらえた。これは結構意外だったし嬉しかったのだけれど、セーフティネットとも言えるそういう関係性を作っていくのがこれからのSNS運用法の一つの指針になるんじゃないかと感じている。

要は井戸端会議のクラウド化にも近いし、長屋暮らしのネット版みたいな感じだ。

核家族化が思いっきり進んだ現在、都市生活において隣近所の人との距離感は想像以上に離れている。

僕のnoteは仕事だけでなく育児など私生活も含めて書いているので雑多になっているのだけれど、それを読んで付き合ってくれている人たちはもはや一種の心のご近所さん感覚である。

そう簡単にはポイされない。そんな関係をのんびりと増やしていくのが、個人の時代と言われているこれからのSNSの良い運用方法なんじゃないかと最近感じている。


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