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欲望のアンインストール

phaさんという人がいる。読み方は「ファ」らしい。らしい、というのは僕はこの人のことは噂程度でしか聞いたことがないからだ。プロニートというか、プロ無職というか、まぁとにかく働かないで食べていくの先駆者的存在だ。

で、この人が出した文庫版の「しないことリスト」という本を読んでいる。

実はまだ全部読み終わっていないのだけれど、読んでいてむくむくと思いついたことを備忘録的にメモしておこうと思う。

もともと、この本はAmazonとかで買ったわけではなく、誰かが褒めていたから手に取ったわけでもない。

今年の3月前後、思いっきりメンタルが落ち込んで仕事が手つかずな時に、それでも焦ってtoDoリストをひたすら毎日書き直すという堂々巡りをしていた頃。たまたま本屋で見かけて手に取った。

今思えば、あの頃はどうかしていた。この本の帯にある「人生の99%は あなたに必要が ないことだ」が響いたのかもしれない。


欲望のアンインストール

生きているといろいろな情報に出会う。そして、それらの情報は積み重なっていつの間にか自分の中で価値観に育っている。

価値観とは本来は自分の中でじっくりゆっくり丁寧に育てていくモノなんじゃないかと思うのだけれど、情報爆発の昨今ではスマホにいつの間にかゲームやアプリがダウンロードされているかのように、いつの間にか自分自身の中に新しい欲望がインストールされている気がしてならない。

マーケティング用語でインサイトという言葉がある。消費者自身も気づいていない隠れた心理=本当に欲しかったものはコレだった!を発掘する視点のことを言うのだけれど、これが行きすぎるとインサイトに見えて実は誰かが巧妙に作った欲望をインストールされているだけなんじゃないか?という思いが最近ある。

そして、その嫌な予感は割と当たっている気もする。

嫌な予感については「デジタル時代のウェルビーイングを考える」というnoteに書いたのでそっちを読んでほしい。

問題なのは、勝手に誰かの欲望をインストールされていることだ。

自分のスマホに見知らぬ広告アプリが入っていたり、ゲームアプリが入っていたらどうする?僕なら削除する。

日々生活していて時計を見るたびに人生の残り時間が知らされて「さぁそろそろご結婚を!」「ご出産は〇〇歳までがオススメ!」「住宅ローンを組むなら今です!」とか出てくるのは余計なお世話だ。

だから、こうした自分にフィットしていない欲望のアンインストールが必要だ。

phaさんの本は、そうした誰かから勝手にインストールされたであろう欲望を「それ必要なくない?」とチェックボックスを用意して削除できるようにするような内容だった。


自分が本当にほしいものは何なのか?

「本当に大事なものは、もうすでにあなたの中にある。」

これは、20代前半の学生たちに進路相談をされたときに僕が返している言葉だ。

自分の適性が見えず、かといって有名なデザイン事務所や広告代理店をやみくもに目指すことにも価値を見出せない、そんな迷える若者に進路相談をされると決まって僕はこう返している。

第一線で活躍する経営者やクリエイターの多くが内省や瞑想を大事にしている。インストールされた欲望に振り回されることなく、本当に欲しいものは何なのか?自分自身のインサイトに耳を傾ける時間を作ることが大事なのかもしれない。

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