まず最初に断っておくが、この干し方のわからないブラトップは僕のじゃない。妻のだ。

そんな書き出しで綴った洗濯モノ干し方問題への提言も早1年前になりつつある。あれから1年、残念ながら僕はちっとも進歩できていないらしい。

当初は干し方がわからなかった新生児用の服たちは、結局干し方がわからないまま娘たちが大きくなって、タンスの奥へと吸い込まれるように消えていった。

よだれやら何やらで謎のシミが残ったまま、2人の娘に愛用された使用済み肌着達。もはやメルカリでも値段はつかないだろう。

気づけば娘2人が森のようちえんへ通うようになり、洗濯物は倍増。たまに手伝えば8割くらいの洗濯物を干し直される、できない新人がそのまんま1年たって新卒のオブラートを失ったのが今の僕だ。

生乾きの臭いが許せないと憤る妻の舌打ちと、朝の忙しい中でせめてなにかできることを、そう思って120%善意でがんばった洗濯物が干し直される様にプレッシャーを感じる。その舌打ち、聞こえてるからな！

こう書くと僕が完全なるポンコツダメ夫であるように見えるだろうが、言い訳をさせて欲しい。

これでも20歳そこそこで家を出て1人暮らし歴だって長い。洗濯を干した回数はそれなりにある。

なにより、うちに転がり込むように妻と一緒になったわがやの洗濯機は、十数年前に新卒の初ボーナスで買ったビックカメラの展示品のままだ。

十数年前に買った三菱製の7Lというそこそこの容量の洗濯機は、なぜかちっとも壊れない。作り手である三菱はとっくに事業撤退しているのに。

10年選手なので臭いとカビがひどくなってからは数ヶ月に一回バラバラに分解して、お風呂場でカビキラーをかけてゴシゴシとカビを落としている。もちろんそれは僕の仕事だ。

今時、洗濯機のオーバーホールのできる夫がどれだけいるんだ？別に僕は三菱のサービスマンではない。ただのちょっとDIYが得意な36歳妻子持ちメタボ予備軍だ。

お父さんの仕事としては充分だろう？誰かに褒めて欲しい。

冬場に潜む厚手の靴下問題

以前、僕は靴下の干し方で妻から指導を受けている。靴下なんて普通に引っかければいいんだろ？そう思っていた僕に強烈な往復ビンタをかますかのごとく妻はこう言った。

「靴下を干すときはつま先を挟まないと、裾に洗濯バサミの痕が残る！！！」

そうだよ、確かにそう指導されたんだ。あれ以来、僕はずっと教えに忠実に爪先を挟んで干してきた。

なのに、なのにだ。今度は裾を上に干せという指導に変わったのだ。

何かの心変わりなのか、それとも上司にありがちな気まぐれなのか、、、そう思ってビビりながらお伺いを立てると、冬物の厚手の靴下は普通に干すと乾かないから裾を挟んでなるべく風に当てる、とのことだった。

そんなこともわからないのか？という妻の冷たい視線と、洗濯物を伸ばすために叩くパンパン！という乾いた音が響く。心なしか、叩く力がいつもより強い気がする。

あんな力で叩かれたら、繊維が伸びる前にノシイカのようにならないか心配だが、そんなことを言おうものなら次にノシイカになるのは僕だ。

洗濯物のシワではなく、心のシワを伸ばして欲しい

世の中のあまねくご婦人にお願いしたい。夫への洗濯の指導は、どうか気を長く持って、できない部下にも心優しく指導して欲しい。

今回のようなイレギュラーに春夏と秋冬でルールが変わるなら、ルール変更の通知を前もって知らせて欲しい。

特に僕のようなロジック寄りの人間には、なぜそうするのか？という根拠をちゃんと教えて欲しい。

「私の実家ではこうしてた。」というマイルールをそのまんま適用するのはやめて、ぜひ一度洗濯会議を開催して各国家の独自ルールのすり合わせもお願いしたい。

その上で、もう一つお願いがあります。

洗濯物のシワを伸ばすのではなく、まずはろくに手伝えず萎縮しているダメな夫の心のシワを伸ばしてください。

シワシワになるまで一緒にいようと誓ったのだから、頼むからその眉間のシワをまず伸ばして、一致団結協力して過酷な家事を乗りきっていきましょう。

・・・うまいことまとまったと思いつつ、書き進むにつれて断定口調がいつのまにかですます調に変わっているあたり、この弱腰な交渉は不調に終わる気がしてなりません。。。

いいからnote書いてないで手を動かして！洗濯干すか娘の着替えやるかどっちかくらいやってよ！

そんな妻のまっとうな主張が今日もまた耳に刺さる。僕がブラトップをまともに干せる日は来るのだろうか。。。

今回のサポートは全額、妻への上納金として、
四谷わかばのたい焼きを収めさせて頂きます。