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次世代AIデバイスが模索する「新しい体」、求められる「互換性」【Off Topic Ep202】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は「#202 スマートグラスにピン型デバイス、盛り上がるAIウェアラブルの普及に必要な視点を考える」から、次世代AIウェアラブルデバイスの現状、AIファーストのデバイスが普及するために必要なことを考えていく。つい先日にはApple Vision Proも発売されたばかり。2024年以降のAIウェアラブルデバイスは、どのような方向へ向かっていくのだろうか?


再び勃興するウェアラブルデバイス戦争

次世代ウェアラブルデバイスの開発は、大手を含むさまざまな企業によって再び加速している。Metaがレイバンと開発したスマートグラス「Ray-Ban Meta Smart Glasses」やGoogleの新たな大規模言語モデル(LLM)「Gemini」を搭載したAndroidデバイスなどが、昨年末に次々と発表されたことは記憶に新しい。2月2日に「Apple Vision Pro」を発売したばかりのAppleも、同製品やAirPods、Apple WatchにSiriを搭載することが予定されている。また、OpenAIとSnapchatの開発元であるスナップによるスマートグラス、AmazonのマルチモーダルAI「Titan」を搭載したデバイスも噂されており、さらにはサム・アルトマンとジョニー・アイブ、孫正義がタッグを組んでの「AI版iPhone」開発も囁かれている。そして大手企業のみならず、Humaneのウェアラブルデバイス「Ai Pin」や、同日に発表されたネックレス型のAIペンダント「Tab」と「Rewind」など、スタートアップからもAI搭載型の次世代ウェアラブルデバイスも登場している。

WAV Group

なぜ、次世代ウェアラブルデバイスの開発が一手に再加速しているのか。マルチモーダルAIの進歩との連動ももちろんありつつ、宮武は、AIの発展がすすむなかで、ハードウェアによってその可能性が限定されてしまう局面に入ったからではないかと推察する。既存デバイスに単にAIを実装するだけではもはや十分ではないという課題に各プレイヤーたちが直面しているからこそ、AIにフィットする新しい体(ハードウェア)を求める動きが表面化しているといえる。

ユーティリティーがタブーを超える?

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