人から話を聞くことは、自分の世界をひろげるただひとつの方法である。


人が生まれてからなくなってしまうまでの、たかだか100年くらいの時間は、ふりかえってみると本当にみじかい。

過ごしている最中はうんざりするほど長く感じる時間もあった気がするけど、30年ちかく生きてきて(つまり、もう1/3くらいが終わってしまったことになる)そういうことを考えるたびに、のこりの時間、それも健康でいられるあいだに、自分はどれだけのものごとを知って・どれだけの場所に行って・なにをそのあとにのこせるんだろうかと不安になってしまう。

人ひとりが知れること・行ける場所・のこせるものなんていうのは、どれだけがんばったとしても、たいした量じゃないのである。


「人から話を聞くこと」というのは、「人ひとりが知れること・行ける場所・のこしたもの」をすこしずつ分けてもらうことだ。ひとりの100年くらいじゃたいしたことなくても、1000人からすこしずつ分けてもらえると、ひとりじゃ届かなかったところまで手を伸ばせるかもしれない。自分が思いもよらなかったところに、こころから打ち込めるようなことことが見つかるかもしれない。

「分けてもらう」という意味では、本を読むことや、雑誌やインターネットで記事を読むことなんかも「人から話を聞くこと」になるだろう。

いろんな人たちがその人生をかけて学んだことを、僕たちは数百円で読むことができるし・そうして私たちが学ぶことで、これまでにだれかがまちがえてしまった道を、こんどはまちがえずに進むことができるのである。


「人から話を聞くこと」、それからおなじように「人に話すこと」。それも、これまでに交わることのなかった円の中にいる人と、話をしてみること。そういう場所をつくりたくて、お話をうかがいたい人をお呼びしてテーブルをかこめるようなイベントをはじめることにしました。

第一回目の4月26日にお呼びしたのは、ファッションブランド「sneeuw」のデザイナーである雪浦聖子さんです。

ちいさなあつまりですので、お店に来られたことのない方なんかは不安になってしまうかもしれませんが、できるだけリラックスした雰囲気になるよう、進めさせていただきます。

あたらしい環境にとびこむことも多い時期ですが、週をおりかえす夜に、あたらしい人と話す時間をつくってみてはいかがでしょうか?




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