1ヶ月近く滞在する復興・創生インターンに賃金は支払われたのか?

元記事はこちらを参照してください。

ここからは、1ヶ月以上被災地に滞在して、被災地の企業の経営課題の解決に共同で取り組む内容であるとされた「復興・創生インターン」において、学生に対して賃金が支払われたのかどうか、当該事業を復興庁から受託し運営していた株式会社パソナの担当者に確認した内容を伝えます。

※尚、以下の内容についての転載を固く禁じます。無断転載が認められた場合、相応の措置を講じさせて頂きます。

※引用に関しては、「https://twitter.com/rebreb_official」に対して、ダイレクトメッセージあるいはリプライにてお問い合わせください。

今回問い合わせた結果から分かるのは、以下の内容である。

・学生に対して賃金は支払われない(上記リンク先で示したように、相談可能ではあるが、学生には1日6時間以上、週4日以上事業所に通うことが求められている)

・宿泊費用はかからないようになっているが、食費など生活上必要になる費用については日当として渡される850円/日以上の部分は自費となる

・「あくまでもインターンなので、賃金を支払う必要はない」

つまり、「復興創生インターン」参加者は、1ヶ月程度企業の活動に参加しながら、賃金を受け取れない上に、実費による消費を現地でせざるを得ない状況に置かれるということである。

尤も、インターンにおいて賃金の支払いが発生するかどうかは、その内容に労働者性が認められるかどうかによる。その点は、長野労働局が示している以下の書類を参照して欲しい。

最初に示したリンク先で書いたように、「復興・創生インターン」はインターン先企業の課題解決に協力する内容であり、その利益はインターン先企業に発生する。

また、事業所に訪れる日数や時間に指定があり、その内容も見学や学習といえるかどうかは何とも言い難いものが多かった(この点は、「復興・創生インターン」のサイトが閉鎖されてしまったため確認が不可能になっている)。その意味で、労働者性が全く認められないかといえば怪しいと言わざるを得ない。

つまり、このメールにあるように、「インターンだから賃金の支払いは発生しない」というのは誤りである。現実問題、2017年には石巻市においてインターンシップに参加した学生に対して、最低賃金の支払いが求められる判決が出ている。賃金の必要性は、労働者性が認められるかどうかによって変わってくるのである。

国内の人材業界大手である株式会社パソナの従業員が、まさかそういった事情について知らないとは思わないが、もしも同様の回答を「復興・創生インターン」参加企業に対しても行っていたとすれば、明らかに誤った情報を伝えていたことになるように感じられる。また、それによって、認識の齟齬から労働者性が認められるような使役が行われていたとしても不思議ではない。

労働局の見解としては、結局の所、賃金の支給の是非については、参加者本人が労働基準監督署などに相談し、個別具体的な事案を鑑みて判断せざるを得ないとのことである。

ゆえに、学生側が明らかにおかしいと感じられるかどうか次第となってくる。逆をいえば、学生の無知や良心につけ込む形での運用もできなくはない。だからこそ、事業者側に厳格な運用が求められるのではないだろうか。

今後同様の事業が行われるのであれば、この点について真剣に議論され、客観的明白に適切な運用がなされることを祈るばかりである。

※「復興・創生インターン」は2018年度も行われているが、やはり無賃であることが窺える内容となっている。



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