起業家と支援家の違い

ベンチャー支援家から起業家になって、いろんな人から「何が違う?」って聞かれる。起業家からも客観的なポジションから主観的なポジションになった時の変化も聞かれるが、それ以上に支援家の仲間から

「自分たちも起業家のつもりで、起業家目線でやっているが、起業家は『起業家にならないと分からんよ』って言うけど本当そう思う?」

と聞かれる。

自分は前職トーマツベンチャーサポートという監査法人の社内ベンチャーで毎日5社くらいのベンチャー企業を訪問しながら数百のベンチャーの支援をしてきた。彼らの夢をビジネスの回るようにし、実現化に加速させる仕事はエキサイティングで、喜ばれて、天職だと思うくらい結果も付いてきた。この会社の運命をちょっと変えたなと思う会社も沢山ある。誰よりも現場感持ってやってるつもりだったし、「起業家の方が向いてますよ」ってよく言われる方だった。起業家以上に起業家であれと思っていた。


実際起業家になってみてどうだったか。

(とてつもなくヒヨコ起業家なので、ステップ1段階で気付いたこととして)


・・・これはえらい違うわ


仕事に対する真剣さとかそういう物は関係ない。立場と環境の違いはこれでもかというほど違う。事業に対して本気で考えてるかの問題じゃない。

支援家は事業の成功のために言いたいことを正しいことをそのまま言える。

起業家は自分で「あっ、ちょっとここダメだな。。。」って自信なく思ってるプレゼンでも堂々と持って行って、しっかり何度もいろんな角度からダメ出しされる。自分でも分かっていてもだ。

とにかく叩かれる。あの手この手でうまくいかない理由とか、問題点、もしくはろくに思考してない見当違いな提案を受けまくる。

ただ、少しでも事業にうまく生かせるヒントになるかもしれないし、そもそも不機嫌になってチャンスを失ってる場合じゃない。「そんな簡単にうまくいく案だったらそもそもすでに世の中にあるわ〜い!!!」とツッコミたい言葉は「なるほどですね〜!」という言葉を引き換えに発してぐっと飲みこむ。貪欲に、謙虚に振る舞う。そして投資家や支援家の「刺さったな♪」ってドヤ顔を手土産にお返しする。

こらぁマインドには差が出るなと思った。

あと環境の整ってなさが半端ない。社内新規事業の人たちもめちゃくちゃ羨ましい。とにかく、どこからか、オフィスが降ってきてほしい、優秀な助っ人が降ってきてほしい、ブランドもお金も降ってきてほしい、、、わけだが恐ろしいほどに何もなく。手元にあるのは、光るのかよくわからないなんかの原石と友情か興味で周りにいてくれる友人だけである。

ただここまでは、支援家の時に想像のついてる範囲だった。

起業家になって痛感したことが一つ。

自分の事業になると強烈に視野が狭くなる。

他人の事業なら、俯瞰的に判断して、細かいところまでいろんな指摘ができるのに、ここまでかというほど、自分の視野が狭くなるのを感じる。おそらくプロダクト以外に考えることが多すぎるから考えが甘い部分が出たりしてる。いろんな方面から指摘してくれる方々の意見を聞いて、「え、人の事業なら絶対ツッコむのに!」って思うようなことが多々。相談や壁打ち相手、俯瞰的に指摘できる人のありがたさを痛感するとともに、旧職場での自分の仕事の価値を再確認した。

今でも他のベンチャー企業のアドバイスをたまにしながら、人にはかなり辛口に詰めつつ、毎度わが身を振り返る日々になっている。

先日とあるベンチャーの相談に

「いや〜ちゃんと世にサービス出してるだけでもエライよ!」

って言ったら

「え?めちゃくちゃ甘口になりましたね」

ってびっくりされた。

むしろ支援家は起業家の立場も気にせずにズケズケいうことが支援家として大事なことかもなと感じた。いろいろアドバイスしてくれる人、ダメ出ししてくれる人を大事にしよう。積極的に話をしようと思った。

頻繁に傷つくけど。。。

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緒方憲太郎(Voicy代表)

音声とテクノロジーのベンチャーVoicyの代表。起業家・投資家・公認会計士・ビジネスデザイナー 大阪で公認会計士→地球2周放浪→NYで公認会計士→ベンチャー支援→Voicy起業 道に迷ったらオモロい方。世の中にハッピーな付加価値を増やします https://voicy.jp/

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