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九月九日・クラクフ・ヴィスワ川を歩く

ポーランドに来て4日目、ワルシャワから古都クラクフに入って3日目の、最後の夜だ。

毎日ふたつ予定をこなせたら、その日は二重丸だと思って旅することにした。そうでなければ私は追い詰められすぎてしまうので。
雨が続いていて疲れていたし一人なのも飽きた。
朝からとりあえず川に行った。中心部にあるホステルから歩いて30分くらいあるけど、飽きずに何度も行っている。今朝も雨だけど行った。なんなら今日もう一回行く。
今日は郵便局で友人と家族にエアメールを出し、旧市街の聖マリア聖堂を見て、一昨日も行ったスマコウィキ食堂で昼食が取れたからOK。

近所のヤギェヴォ大学の学生がよく利用するという、オシャレで綺麗で美味しくて安い、最高の店。
一昨日も食べたジュレックというサワースープと、顔よりでかいポテトパンケーキ2枚鶏むね肉ゴロゴロソース掛け、それから黒ビール合わせて30ズロチ=800円くらい。死ぬかと思いながら食べきった。ひとりヨーロッパの外食は基本的にフードファイトだ。それでもビールはやめられない。
ちなみにヤギェヴォ大学は、地動説を唱えたコペルニクスの出身大学だ。ヨーロッパ、歴史観のスケールがデカすぎる。

さてダ・ヴィンチの絵でも見に行くか、と美術館まで足を伸ばしたら月曜休館だった。なんとなく、月曜休館って日本のローカルルールだと思い込んでた。
じゃあ郊外の変な形の人口山、コシチュシコ山に登ろうかとトラムに乗ったら、降り損ねてマジで何も無い強いていうなれば住宅地らしきところに着いた。

自動車修理工場しかなくてなんかもうげんなりしたので、さっき乗ってきた路線の逆に乗って市中に戻って、川沿いを歩いてホステルに戻ることにした。

ヴィスワ川は良い。
クラクフ市民のソウルリバーだろう。ソウルリバーという言葉は今作ったが、大抵の街にあるはずだ。川にある所に文明あり、街あれば川あり。愛した土地を思う時、必ず浮かぶソウルリバー。

穏やかな川だ。本当に土地が平坦なんだなあと思う。これでどこかへ注げるのか、というほど目視では流れを感じない。そして、割と汚い。雨続きで濁っているのもあるかもしれないが、ゴミが浮いているところはやっぱり都市の川ゆえなのだ。

途中、集まってチェスをしてる爺さんたちがいた。それも良かった。写真が異様に不穏なのは雨雲のせいです。後ろにそびえるのは代々ポーランドの王様たちが住んでたヴァヴェル城です。

そう、雨雲!
もうなんか今日大したことしてないけどなんか鬱だし帰って寝るか……とホステルに帰ってぼけーっとベッドでTwitterとインスタを無限周回してたら(ちょうど日本時間ではラッシュタイムだしね)、ものすごい雨と雷が始まった。光ってから平気で2秒くらいでゴロゴロとくる。消防車のサイレンまで聞こえる。ホステルにどんどんずぶ濡れの旅人が呆然とチェックインしてくる。

というわけで、ポーランド最後の夜とは思えない怠惰な夜を過ごしています。Twitterしかしてない。こちらは9時半。明日はチェコへ移動です。朝市でフルーツを買ってバスに乗ろうと思います。

「一人で海外旅したくらいで人間変わんねえよ」って私の愚痴に「海外行って人生変わったって言う奴よりずっと芯があっていい」と言ってくれた最高な友達の話をしたかったけど気づいたら文章が終わってました。
多分、スマホ捨てて既存の人間関係全部ぶったぎった上で旅すれば少しは変わると思います。変わらないかな。どうだろう。

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