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6~7月に観たアートまとめ

塩田千春展「魂がふるえる」森美術館

越後妻有トリエンナーレでも古民家に黒い糸を張り巡らせた「どんだけ労力使ってんだ~」という作品を残している作家さん。エントランスの船も神秘的でしたが、やはりこの入り口を抜けたあとの作品がドーンと心にきました。

私の体から血管がバーンと抜きでたよう…魂がふるえる。赤い糸のつながりは、運命?この世の人との縁?WEBでの検索結果?流れる血?
無言の中から圧倒的な生きている存在感、言葉にならない作者の創作への燃える思いが伝わってくるようで、圧倒されました。
私たちは最後死んでしまう…けど、どこかで魂がつながっているような。宇宙ともつながっているような、全員の魂がつながっているような、今のことが未来につながっているような。。。
長い長い宇宙の時間のほんの一瞬に参加している「私が今生きている気持ち」が飛び出てきたようでした。
引き続きそのまま、森美術館から徒歩10分ほどの国立新美術館へ

「クリスチャン・ボルタンスキー」国立新美術館

越後妻有トリエンナーレ「最後の教室」と瀬戸内国際芸術祭「心臓のアーカイブ」で存在が際立っているボルタンスキーの作品展。彼の作品は「死」をテーマにしていて、なんとなくお化け屋敷っぽい。ウチの息子は越後妻有の作品が今でもトラウマらしいですw(今回も誘ったけど、行かないといわれた)
入り口から聞こえるお馴染みの心臓音・・・。
それと同時に今回は「オエ~ッ」と、まさしくお化け屋敷かと思わせる作品からスタート。その男の苦しむ映像を見てから「これで私も死んだ」と確認し「出発」します。
作品は作者の進行で、ストーリーっぽく構成されているようでした。しかしながら、解説がないとイマイチわからないことも多く(デジタルカウンターの作品などは、何を表しているかわからないと本当にわからない…)必死に新聞のような紙の解説を読もうとするのですが・・・会場が暗くて無理。
なので一通り見た後にまた入口へ戻り、入り口の光を頼りに解説を読んでもう一回作品を見て回りました。
心臓音の部屋のあと、天井に死神の影があったり、祭壇のような人の顔写真や、黄泉の国からのささやき声など臨死体験しているような作品でした。
「来世」の門をくぐって、また生まれ変わったような気持ちにもなりました。体験型のアートで面白いです。

その後、地下鉄で表参道へ移動して「スパイラル」へ。
現代アーティスト・笹岡由梨子さんの映像作品を観に行きました。

笹岡由梨子「Gyro」スパイラルガーデン

笹岡由梨子さんの作品は自然への許しがテーマの映像作品でした。毎回、映像とともに流れる音楽が頭の中に残ります。なぜ、あんなねっとりと頭に残る音楽が作れるのか!?CMソングとか作ったら、印象に残りそうです。
「エクササ~イズ、エクササ~イズ、今年最後の~」謎の歌詞が毎回面白いです。
よくわからなくて引き込まれる魅力的な映像。手で作った不思議な動物や、謎の神様、笹岡さんの頭の中は不思議でいっぱいでした。
でも今の時代「許します」「認めます」って言ってもらえると、とても安心するよね~と、作品を観て思いました。私の人生も許してほしいw

「大岩オスカール 光を目指す旅」」金沢21世紀美術館

大岩オスカールさんの作品も瀬戸内国際芸術祭の小豆島や男木島にて展示があります。コラージュのようなダイナミックな配置と色、絵の中に込められたメッセージが物語のようで、じーっとその意味を知りたくなる。
立体作品ではなくて絵ばかりの展示なのに飽きないのです。不思議。
なんでこんなに動きがあって雄弁で魅力的な絵が描けるのだろう?漫画のようでもあるし、パースがなよった感じに親しみや手作り感のような人の温かさも感じます。
毎日こんな絵を描きながら生活できたら幸せだろうなと思いました。

金沢21世紀美術館は、他にも作品がたくさんあって自分の好きな美術館のひとつです。でも3連休の中日に行ってしまったので、夕方でも大混雑していました。休日にお出かけの際は、コンビニなどで事前に前売り券を買っていくことをお勧めします。チケットを買う大行列ができていました。
ここにはジェームスタレルの部屋と森美術館の展示で有名になったレアンドロ・エルリッヒの「スイミングプール」があります。この日はプールも行列していて…やっぱり美術館はゆっくり観たいなあ…と思ったりして。。。

「ギアーGEARー」京都ギア専門劇場

ギアは2回目です。京都にたまたま寄ることになったので、今度は家族で観に行きました。オープニングと流れるような演出が好きです。
最後のドールの言葉には、毎回感涙してしまいます。生きているうちに好きなものをたくさん抱きしめて、美しいものをたくさん感じておかなくてはと思います。

仕事をガツガツ終わらせて「今日ならいける!」と、バタバタ美術館巡りしてました。また日々働いて時間とお金を捻出し、芸術に敬意とお金を払いたいと思います。おっし、またがんばろう。芸術家に感謝!